***短編*** One spring day ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は一話完結です。


『らぶらぶ万歳サークル』さまに出品した作品の再録です。
今回のお題は「たんぽぽ」でした。

<おまけの話>下にあります。
          
           





***短編*** One spring day ***








「若君、もうじき到着致します」

開けた物見窓から聞こえてきた従者の声に、ぼくは言葉もなく頷いた。

───少し眠るから近くに来たら声を掛けてくれ。

従者にそう告げ目を瞑ってみたものの、窓から見える景色の移り変わりに気を取られ、結局眠れず仕舞いだった。

吉野には何度も来ているけど、騎馬で来ることも多かったから、こうしてのんびりと景色を見ると言うのはなかなか新鮮でいい。

まして季節は春真っ盛り。

進む毎に大きくなっていく木々の葉のこすれ合う音や、揺らぐ木漏れ日に、日頃の仕事の疲れも吹き飛ぶ思いがする。

桜の花びらが数枚目の前を横切り、桜の木を探そうと窓の外に気持ち顔を出すと、瑠璃さんのいる吉野山荘が目に入ってきた。



**********



「あぁ、少将さま!良いところにおいで下さいましたわ!」

門をくぐり、車から降りるやいなや、山荘から小萩が飛び出してきた。

息を整えるように、ぼくの前で胸に手を当て、何度も深呼吸をしている。

尋常でない小萩の様子に、にわかにぼくの胸は騒ぎだし───

と言いたいところだけど、こう言う小萩の出迎え方は、ぼくの中では恒例行事となっているんだよなぁ・・・

これしきのことでいちいち胸を騒がせていたら瑠璃さんの夫が務まるか、と言うのだ。

これまで何度、瑠璃さんの突拍子もない予測不能な行動に、胸を騒がせてきたことか。

ま、自慢にも何もならないけど。

「どうしたんだい、小萩」

余裕のあるところを見せながら落ち着いた声で聞いてみると

「少将さま、怒らないで聞いてくださいましね」

上目づかいに小萩が言ってきた。

「うん」

「実は姫さまは・・・散歩に出掛けてしまわれたのです」

「まぁ、そうだろうね」

京にいたって放っておいたらフラフラと出掛けてしまう人なのだ。

ここ吉野で、大人しく山荘の中にいるとは思えない。

瑠璃さんが散歩に出ていることなど、ぼくの中では想定内である。

それにしても───

ぼくはチラッと小萩を見た。

長いこと瑠璃さんに仕え、散々瑠璃さんに振り回されてきた小萩が、どうして散歩ごときでここまで動揺しているのだろう・・

言うなれば、ぼくと小萩は「胸を騒がせてきた同士」である。

その小萩がここまで慌てふためているとなると───

「瑠璃さんの身に何かあったのかい?」

今度こそ本当に胸が騒ぎだし聞いてみると

「実は姫さまはお怪我を・・・」

「どうしてそれを先に・・・!いや、・・・いい。瑠璃さんはどこにいる。何があったんだ。順を追って話してくれないか」

思わず大声を上げかけ、小萩がビクリと身を震わせたことに気が付いて慌てて声のトーンを落とす。

小萩を叱りつけるよりも、まずは状況把握だ。

何度か唾を飲み込んだ小萩は

「姫さまは・・・半刻程前に、お付きの女房を一人付けて散歩に出掛けられたのです」

「うん」

「それが、少し前にお付きの女房だけが小走りに帰ってきて、姫さまが脚に怪我をされてしまったと・・・」

「どんな怪我なんだ」

「そんなにひどくはないと言うことでしたが、ただ、ご自身で歩かれるのはご無理なようで・・・」

「それで、女房だけ伝えに帰って来たということか・・・」

「はい」

ちらりと見ると、今まで気が付かなかったけれど、女房が一人簀子縁で平伏しているのが見え、どうやらあれが瑠璃さんと同行した女房らしい。

怪我をさせたのがあの女房ではないだろうに、責任を感じて縮こまっているのだろう。

「わかった。あの女房を呼んで、瑠璃さんがいる場所を聞かせてもらえないか。すぐにぼくが向かう」

「はい」

小萩に呼び付けられた女房は、転がるようにしてやってきた。



************




瑠璃さんのいる場所は、思っていた通り、ぼくも何度も行ったことのあるいつもの広い野原だった。

山荘からの一本道を足早に進む。

本来なら、道の両端に咲く花や、萌え出ずる緑を愛でながらのんびりと歩を進めたいところだけど、瑠璃さんが怪我をしてると思うと気が急いてしまい、むしろ生い茂る木々の葉に行く手を遮られている気がしてうっとおしく感じてしまう。

かなりのスピードで歩いたので、すぐに野原に出た。

立ち止まり、辺りを見回しても瑠璃さんの姿はなく───

忙しく視線を動かしていると、ふと、動くものを目が捉え、よく目を凝らしてみたら瑠璃さんだった。

野原の隅っこ、ぼくからは一番遠いところにいて、恐らくだけど座り込んでいるのだろう。

手だけを盛んに振り、ぼくに合図を送ってきている。

野原の中央を突っ切るように、瑠璃さんへの最短距離を歩き出す。

ぼくに向かい瑠璃さんが大きく手を振り、何かを言っているようなんだけど、折からの春風で良く聞こえない。

瑠璃さんが何を言っているかは気になる所だけど、とにもかくにもまずは瑠璃さんのところに行くことが先で、どんどん近づいて行くと

「・・・しちゃ、だめ!・・・気を付けて!」

途切れ途切れに瑠璃さんの言葉が聞こえてきた。

・・・ダメ?

・・・気を付けろ?

一体、何に───

そう思いながらも、歩くのを止めずに瑠璃さんの目の前に辿り着くと

「もうっ!」

ぼくの顔を見るやいなや、瑠璃さんはぷぅっと頬を膨らませてみせた。

何だ、何だ、と思っていると

「たんぽぽ踏まないでって言ってるでしょ!聞こえなかったの?」

「たん・・ぽぽ・・?」

「言ってるそばから、ほら、足元!」

狩衣の下の草履の辺りを指さされ、思わず下を向くと、瑠璃さんの指摘通り、ぼくの草履はしっかりとたんぽぽを踏みしめており、慌てて足を外す。

「もう、高彬ったら。ここに来るまでにたくさんたんぽぽを踏んできたでしょ」

今度はぼくの後方を指さされ、振り返ると、これまた瑠璃さんの指摘通り、ぼくが今歩いてきたところは一面のたんぽぽで埋め尽くされている。

道理で・・・

内心、納得する。

さっき、すぐに瑠璃さんを見つけられなかったのは、このたんぽぽのせいだったのか。

瑠璃さんの着てる衣裳は山吹色。

たんぽぽの色と同化してたからなのか。

瑠璃さんの身が心配で、正直、足元なんか見ていなかった。

「向こう側から回り込んでくれたら、たんぽぽ踏まずに済んだのに」

頬を膨らませたまま、瑠璃さんはぶつぶつ言っている。

「本当に高彬って風情がないって言うか、気が利かないって言うか・・」

「いや、しかしね、瑠璃さん。瑠璃さんが怪我したって言うから、ぼくは駆け付けてきたわけで・・・」

とにかく少しでも早く瑠璃さんの元に駆け付けることが最優先だったわけで、まぁ、ぼくなりには瑠璃さんの身を案じてのことだったんだけどなぁ・・

「怪我なんて大したことないもの。皆、大げさなのよ」

「そりゃあ仕えてる姫が怪我したとなったら大騒ぎするよ。いや、世間一般の姫は、そもそも散歩なんかしないから、その辺り、ぼくは女房たちに大いに同情するくらいだけどね」

「・・・」

ぴしゃりと言ってやると、瑠璃さんはマズイ話の流れになったと見て取ったのか

「あー、それにしても本当に綺麗な景色!」

わざとらしく伸びなんかしながら、両手を大きく広げ

「ほら、高彬も座って」

ぽんぽん、と地面を叩いて見せた。

数秒、瑠璃さんと目が合って、大人しく瑠璃さんの隣に腰を下ろす。

ま、ここで喧嘩したって始まらないしな。

「ね、ここからみると更に綺麗でしょ?」

「うん」

立ちながら見るのと、座って見るのだと、地面に近くなった分だけ景色が広がりを持ち、たんぽぽがぐっと迫ってくる感じがする。

「ほら、こうするともっとよ」

言いながら瑠璃さんは上体を大きく曲げ、顔を地面すれすれにまで下ろしている。

瑠璃さんに倣って同じポーズを取って見ると、迫るなんてもんじゃない、一気に視界がたんぽぽで埋め尽くされてしまった。

そのままどちらからともなくごろんと横になると、桜の花と春の青空が視界いっぱいに広がる。

「たんぽぽっていつもこんな景色を見てるのかしらね」

「多分ね」

「綺麗・・・」

「うん・・・」

鳥の囀りと、風に舞う花びら、うららかな陽射し───

瑠璃さんの怪我が大したことないと分かった安堵感やら仕事の疲れやらが一気に来て、急激な睡魔に襲われてしまった。

スーッと眠りに落ち、次にふと目が覚めたのは、瑠璃さんの声でだった。

「・・・たんぽぽ踏んじゃだめ!気を付けて!」

一旦は一緒に横になったのに、いつから身を起こしたのか、瑠璃さんは座り込んでいる。

薄目を開けて瑠璃さんを見ると、さっきと同じように手を大きく振って遠くに向かい声を張り上げている。

「もうっ!小萩ったら!」

焦れたように言い

「こらー、たんぽぽに気を付けてよー!」

一人で身体を揺らしている。

いつまでも帰ってこないぼくたちを心配して、小萩が探しに来たのだろうと合点がいく。

「あぁ、姫さま、ご無事でしたのね。あ、・・・少将さま!姫さま、少将さまは・・・」

やがて目の前にやってきた小萩は、横になっているぼくを見てぎょっとしたのか、動転したような声をあげ

「寝てるだけよ」

「あぁ、ようございました。わたくし、てっきり少将さまの身に何かあったのかと・・・」

「そう簡単に身に何かなんて起きないわよ。ねぇ、それよか小萩。たんぽぽ踏まないでって何度も言ったでしょ!聞こえなかったの?」

「たん・・ぽぽ・・でございますか?」

「言ってるそばから、ほら、足元!」

「え、え?・・・きゃっ」

「きゃっ、じゃないわよ。もう、小萩ったら。ここに来るまでにたくさんたんぽぽを踏んできたでしょ」

「はぁ、たんぽぽ・・」

まったく理解出来ていないようなあやふやな声で小萩が言い

「そうよ、ほら、こんなに咲いてるのよ」

得意気な瑠璃さんの声がする。

目を瞑ったままだから見えてないけど、恐らく、さっきと同じような仕草なんだろうな、と想像する。

「まぁ!綺麗でございますわねぇ」

「しーっ!小萩、高彬寝てるんだから」

つい今しがた、小萩に向かい大声を上げていたくせに、小声で瑠璃さんが言うのがおかしく、あやうく吹きだしそうになる。

「でも、こんなところで寝ていたらお風邪を召されてしまいますわ」

「大丈夫よ、疲れてるんだから少し寝かせてあげましょ」

「ずいぶんとお仕事もお忙しいようでございますしね」

「手を抜けない人なのよ。仕事熱心って言うか真面目って言うか。・・・身体、壊さなきゃいいんだけど・・・」

「・・ふふふ」

「何よ、小萩」

「いいえ。姫さまもしっかりと北の方になられたんだなぁ、と小萩は感服しているのですわ。少将さまのお身体を案じたりして」

「・・そりゃあね、心配するわよ。だからこうして吉野にも無理やり呼んだんだし」

「え。わたくしてっきり、また姫さまのわがままでお忙しい少将さまにご無理言って吉野に来させたのかと・・・」

「まぁ、それが全くないとは言えないけど、これくらい強硬手段に出ないと、長期休暇なんか取らない人だもの。少しのんびりしたらいいのよ」

───参ったな。

寝たふりをしていたぼくは、心の中でため息をついた。

目を開けるタイミングを完全に逸してしまったようだ。

「小萩、戻っていいわよ。高彬ももうじき目を覚ますでしょうから、そうしたら2人で帰るから」

小萩の立ち去る気配があり、また鳥の囀りだけが聞こえる。

目を開けるか少し悩んで、結局、そのまま寝たふりを続ける。

お言葉に甘えて、もう少しだけこのまま眠らせてもらおうか───

指先に何かが当たるのを感じ、それが瑠璃さんの指先だと気付き、ぼくはしっかりと指を絡め取った。

寝たふりしてたってバレたかな?

そんな思いが一瞬、頭を掠めたけど、そんなことはこの際、どうだっていい。

春の陽射しとたんぽぽと、瑠璃さんに見守られて寝るなんて、なかなか出来る経験じゃない。

仕事に追われる毎日なんだ。

ここ吉野でのんびりして、英気を養って、願わくば少しだけ瑠璃さんに甘えさせてもらって───

耳元に何かが触れ、それが風に揺れるたんぽぽだと気付いた頃、ぼくはまた眠りに落ちたのだった。





<終>






<おまけの話>






(───賊だ!政文!将人!)

大声で呼び付けてから賊に向き合おうと体勢を整えると、間髪入れずに飛び掛かられた。

ふいを喰らって後ろに身体が大きく傾き、賊諸共に倒れ込む。

賊は好機と見たのか、ぼくの胸にのしかかり、ぐいぐいと首を絞めつけてくる。

(くそっ・・)

何とか賊の手を弛めようと試みるも、いかんせん胸の苦しさがあって思うように身体が動かない。

胸さえ苦しくなければ・・・

胸さえ・・・

(───胸?)

ハッと我に返り、同時に目が覚めた。

「・・・」

夢、か────

目の前には、先ほどよりも幾分か色を薄くした春の空がある。

目だけ横に動かせばたんぽぽが咲いてるし、相変わらず鳥の囀りが聞こえてきて───

これ以上はないと言う牧歌的な状況で、どうしてこんな夢をみたんだろう。

解せない気持ちで起き上がろうとした途端、その理由が判った。

瑠璃さんがぼくの胸に身体を預けて眠っているのだ。

どれくらいい寝てたのかわからないけど、眠るぼくを見るうち、瑠璃さんも眠くなってしまったのだろう。

起こしかけた身体をまた元に戻し、ばくはため息を吐いた。

瑠璃さんの重みを、寄りによって賊と取り違えるなんて・・・

夢の中とは言え、こんなことが瑠璃さんに知られたら懲罰ものだな。

目だけ下に動かすと、気持ちよさそうに眠る瑠璃さんの顔が見えた。

春風が瑠璃さんの髪を軽く揺らしている。

起こしちゃ可哀想かな。

でも、少し日も翳ってきてるし、軽いとは言え怪我もしてるわけだし、そろそろ起こさないと───

そう思って手を瑠璃さんの肩に置こうとした瞬間、パチリ、と瑠璃さんの目が開いた。

少しの間、微動だにせず、やがて状況を思いだしたのか、顔だけ上に向けてきた。

下を向いていたぼくと、当然、目が合い

「あ」

瑠璃さんの口が開き

「おはよう」

律儀に挨拶をしてくる。

「おはよう」

肩に置こうと思っていた手を、頭に置き、ぼくも挨拶を返す。

「そろそろ戻ろうか」

「そうね。小萩も待ってるだろうし」

上体を起こし、2人で伸びをする。

瑠璃さんを抱き上げ歩き出すと

「こっちから回ってね」

たんぽぽの咲いてない迂回するルートを示され、素直に従う。

吉野に来るまでの道中の出来事や、昨日の夕餉のことなど、取りとめもなく続く瑠璃さんの話に相槌を打ちながら歩く。

どれも大した話じゃないと言えばそれまでだけど、でも、こんな風に話してくれる瑠璃さんをいいなと思う。

それに不思議と瑠璃さんが話すと、大した話じゃなくてもどこか面白味のある話になっていて、それは瑠璃さんの持つカラリと陽気な性質と、そして恐らくはサービス精神からなんだろうと思う。

ぼくは進んで面白い話が出来るようなクチじゃないし、その辺り、瑠璃さんがカバーしてくれてるって言うか。

山荘に戻ると、今か今かと待ち構える小萩に迎えられた。

「なかなかお戻りにならないから・・」

恨みがましい目を向けられ

「悪かったね」

軽くいなして部屋に入ろうとすると

「何をなさっているのかと思いましたわ」

後ろから言われ、カッと耳が熱くなった。

何をって・・・

いや、動揺するな。

小萩はそう言う意味で言ったわけじゃないはずだ。

額面通りの意味しか含まれていないに違いない。

帰りが遅いから、一体、何をしているんだ、と。

そう言う意味だけだ。

「高彬、どうしたの。顔が赤いけど」

抱きかかえたままの瑠璃さんに下から言われ、さらにかぁっと熱くなる。

「やだ、やっぱり風邪ひいたのかしら・・、あんなところで寝たから」

言いながら額に手を置かれ、次いで両手で頬を挟まれ、瑠璃さんは熱を計ってるだけなんだろうけど、ひやりとしてそれでいて柔らかい瑠璃さんの手の平の感触に、それこそ体温がグッと上がってしまう。

「いや、大丈夫だよ・・」

隣で様子を見てる小萩の目が気になって適当にかわしたのに、瑠璃さんはすっかりぼくが風邪をひいたと思い込んだようで、ぼくの腕から下りると

「小萩、早く寝床をこしらえて。高彬、横になるのよ」

「大丈夫だって、瑠璃さん」

「かしこまりましたわ、姫さま。すぐに寝所をご用意致しましわ」

「だめよ、高彬、あたしの言うことを聞きなさいよね」

三人の声が飛び交い、やけに「寝所」が強調されてるように聞こえたのは気のせいかな・・・

その後、あれよあれよと言う間に寝所が用意され、ぼくはあっと言う間に寝床に臥せられてしまっていた。

やれ薬湯だ、お医師だ、と瑠璃さんと小萩がバタバタと去って行き、一人になったところでぼくは

(あーあ)

と盛大にため息を吐きながら、両腕を頭に回した。

病気でもないのに寝かされるなんて、なんでこうなるかなぁ。

どうしてぼくはいつも瑠璃さんのペースに巻き込まれてしまうんだろう。

ふと外に目をやれば、まだ外は十分に明るい。

せっかくの吉野だし、久しぶりに瑠璃さんと遠乗りでもして、京では出来ないことを満喫しようと思ったのに。

まぁ、でも───。

少し空を見てるうちに気が変わってくる。

ずっと仕事が忙しくて瑠璃さんと会うのは久しぶりだし、「京でも出来ること」を吉野でしちゃいけないわけじゃないしな。

指図なく、こうして早い時分から寝所まで用意してもらえたわけだし。

願ったり叶ったりの状況───

と言えないこともない、かな。

もうじき瑠璃さんと小萩が、薬湯なんか持ってやってくるだろう。

そうして瑠璃さんはぼくに向かい年上風を吹かせて

「さ、飲むのよ」

とか何とか言うに違いない。

薬湯くらいいくらだって飲んでやるさ。

飲み干したら眠くなった振りをして小萩を追い払い、そうして大人しく横になったと見せかけて、安心してる瑠璃さんを寝所に引きずり込み───

そうなったらぼくのペースだ。

(オトコをなめるなよ、瑠璃さん)

やがて遠くからパタパタと言う二つの足音が聞こえ、思ってた通りの展開に、ぼくは少々の自惚れを感じながら静かに目を閉じたのだった。





<おしまい>

ありちゃんさん、みっちさん、コメントありがとうございました。
みっちさん、お久しぶりです!


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(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

ありちゃんさま

> 京でもできること。
> 京でもできるけど、吉野なら特別感がありそうなこと。
> 京でもできるけど、吉野なら盛り上がっちゃいそうなこと。
> 京でもできるけど、吉野じゃないとできそうもないこと、もあるような…。
> すみません。また妄想が暴走してます。(笑)

特に気になるのは四行目

> 京でもできるけど、吉野じゃないとできそうもないこと、もあるような…。

これですね。
え?まさか、外で?
えーーー?えーーーっ?(笑)

nenicaさま

小萩もなんか高彬をからかっているような、いないような?!
独身者の小萩にからかわれる高彬って、本当にからかいがいのある人なんでしょうね(笑)

そりゃあ…

瑞月さん おはようございます。
コメント 一歩 出遅れてしまいました。(笑)

サークルに投稿されたらすぐ堪能して、こちらに再掲載の時はおまけの話にわくわくする。
この感じ、すご〜く嬉しい。^o^

京でもできること。
京でもできるけど、吉野なら特別感がありそうなこと。
京でもできるけど、吉野なら盛り上がっちゃいそうなこと。
京でもできるけど、吉野じゃないとできそうもないこと、もあるような…。
すみません。また妄想が暴走してます。(笑)

No title

おまけが読めて、二度おいしかったです(笑)

それにしても高彬の心の動きが面白かったです。
身に覚えがあるから小萩の話にいちいち動揺したりして
にやにやしながら読んでしまいました。
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Author:瑞月
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