***短編*** TGIF! ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




※リクエスト企画作品※

注)このお話は一話完結です。社会人編設定の2人です。
               
        






***短編*** TGIF! ***







隣の席の瑠璃さんの顔をチラチラと窺う。

ぼくが見てるのも気付かないくらい集中しているようで、一心不乱にパソコンに向かい、時には目を瞑ってブツブツ言ったりしている。

オフィスの壁に掛けられてる時計を見ると、時刻は2時半ジャスト。

後30分しかない。

大丈夫なんだろうか?

「瑠璃さん、大丈夫?」

遠慮がちに声を掛けてみると

「・・う・・ん」

顔も上げず、上の空の返事で、今は話しかけない方がいいと判断して、ぼくもパソコンに向かう。

何故、瑠璃さんはこんな状態なのか───

実は今日は「会社説明会」があり、ぼくと瑠璃さんが所属する「マーケティング部」の説明、つまりはプレゼンを瑠璃さんは一任されているのだ。

本当は他の人がやることになっていたのだけど、その人が盲腸炎になってしまい、急遽、人事部の方から瑠璃さんに声が掛かったのが3日前の火曜日。

どうして瑠璃さんに白羽の矢が立ったのかは定かじゃないけれど、瑠璃さんに拒否権はなかったようで、こうして瑠璃さんは大任を負わされてしまったのだった。

「大勢の人の前で話したことってあるの?」

人事部からのお達しを受けた後、瑠璃さんに聞いてみたら

「うーん・・」

と過去を振り返るような目で瑠璃さんは宙を見つめ、まぁ、考えるくらいなんだから、ほぼ無い、と言う事なんだろう。

「何人くらい来るのかしらね」

「去年は100人くらいだったけど」

「え。まさか、去年は高彬がやったとか?」

「そのまさか」

「ふぅん・・・、100人ねぇ。アイドルのコンサートを思えば、少ないと言える気もするけど」

「でも、実際、100人の前に立つと、案外多いし、それに数千人の前より、かえって100人くらいの方が緊張したりするもんだよ」

脅すつもりはなかったけど、経験を踏まえて言うと、しばらく難しい顔をしていた瑠璃さんは(良いことを思い付いた)とでも言うように顔を輝かせ

「100人と思わず、100個のジャガイモの前で話してると思う事にするわ。そうすれば、何とかなるでしょ」

と笑い、今に至るのである。

3日間ぶっ通しで残業してスライドを作り、全ての準備を整え、後は本番を待つだけなのだけど・・・

瑠璃さん本人がどうかは分からないけど、朝からどうも落ちつかない。

ぼくが緊張しても仕方ないんだけど・・・

瑠璃さん、上手くやれるのだろうか。

大勢の学生の前で、大ゴケするなんてこと、ないといいんだけど。

補佐と言う事で、ぼくも説明会に立ち合うことにしている。

一昨日、それを人事に伝えたら、どういうわけだか鷹男チーフが立ち合うことになっていたから、猛然と抗議をしてやった。

畑違いの鷹男チーフに、マーケティング部プレゼンの補佐なんか出来るわけないじゃないか。

文字通り、部外者は引っ込んでろ、と言うのだ。

「そろそろ行くわ」

思い切ったように瑠璃さんが言い、その声音は普段よりもちょっと固めで、やっぱり瑠璃さんも緊張しているようだった。

会場となる大きな会議室は学生の熱気に溢れている。

「うわ、多い」

入った瞬間、瑠璃さんは呟き、確かに去年よりも参加人数は増えているようだった。

控えのイスに座り出番を待つと、ほどなくして瑠璃さんの順番になり、壇上に瑠璃さんが上がって行く。

「それでは、我が社のマーケティング部の業務内容の説明を致します」

マイクを取り、瑠璃さんが話し始めた瞬間、室内からどよめきが上がった───ような気がした。

いや、正確に言うなら、声にならない無言のどよめきだ。

今まで壇上で話してたのが、人事課長の中年男性だったから、その余りの違いに驚いたようだった。

実際、マイクを通して聞こえる瑠璃さんの声は可愛さと聞きやすさを兼ね備え、かてて加えて、そのスタイルの良さも手伝って「アイドル」と言ってもおかしくないほどである。

マイクを握り、時々は言葉を噛みながらも、一生懸命にプレゼンをする瑠璃さんは、まさしくぼくの<アイドル>なわけで───

そんなことを考えながら瑠璃さんを見ていたぼくは、ふと、熱い視線を感じたような気がして、瑠璃さんから視線を外した。

熱い視線の元はすぐに判った。

いや、熱い視線はぼくに向けられていたわけではなく、瑠璃さんに、なのだ。

会議室内の男子学生が、じっと瑠璃さんを凝視している、ように見える。

今日の瑠璃さんは、学生の前で話すと言う事で、白いブラウスに黒のタイトスカート、黒のパンプスと言う普段よりもカッチリとした出で立ちで、それが却って色っぽさを醸し出している、ような気がする。

瑠璃さんが動くたび、綺麗な身体のラインが強調され、見慣れてるはずのぼくでさえ、正直、目で追ってしまうくらいだった。

ブラウス越しに判るバストラインに、細いウエストから続く形の良いヒップライン。

「・・・」

真面目にスクリーンを見ているのは、大半は女子学生で、男子学生はどうも視線が定まっていない。

おまえら、どこを見ているんだ、と気が気じゃなくなってくる。

今日のこの感じだと、瑠璃さん目当てで入社試験を受けてくる奴が現れるんじゃないだろうか。

出来ることなら、一人一人の肩でも叩きながら

『君たちのことは、彼女は「じゃがいも」としか見ていないぞ。残念だったな』

と言ってやりたいくらいだ。

それにしても───

と、ぼくは改めて瑠璃さんに目をやった。

多少の緊張を感じさせる横顔と言い、時折、無意識に髪を耳に掛ける仕草と言い、どうしてこんなに可愛いのだろう、と思う。

いつも間近に見てるせいか、ついつい当たり前のように思ってしまうけど、改めて見てみると、瑠璃さんは可愛くてスタイル抜群な人なのだ。

決して背は高くはないけれど、コンパクトにバランスよく整っている。

華奢なのにどこもかしこも柔らかいし、バストの形も申し分なく良いし、強く抱きしめたら折れそうなほどにウエストは細いし・・・

「・・・」

いや、何だか、マズいな。

ぼくは意識をスライドに戻し、邪まな気持ちを追い払った。



*****



「あー、終わった」

プレゼンを終え、会議室を出た瑠璃さんは、ドアを閉めた途端、大きなため息を吐いた。

「お疲れさま」

「まだ、ドキドキする。やっぱり人前で話すって緊張するわね」

胸に手を当てて言い

「上手だったよ」

「そう?良かった。でも、来年からは頼まれても断ることにするわ」

疲れたー、と言いながら、両手を上げ身体を伸ばしたりしている。

「今日は残業せずに帰ろうよ」

「もちろん、そのつもり。残業続きで気も張ってたから、もうクッタクタよ。金曜だし、定時に上がって早く家に帰りたい」

「いや、ちょっと寄りたいところがある」

「え。何よ、あたし、今日は早く寝たいんだけど」

「大丈夫。すぐに寝られるとこだから」

「・・・え」

終業チャイムと同時にタイムカードを押し、外で瑠璃さんと落ち合うと、そのままタクシーを停め、瑠璃さんを押しこんだ。

「な、何よ、高彬、どこ行くのよ」

「着けば分かるから」

後部座席で小声で聞いてくる瑠璃さんを適当にかわすと、5分ほどでタクシーを降りる。

「こ、こ、こ、ここって・・・」

「入ろう」

立ち尽くす瑠璃さんの手を取り、すぐに建物に入り込む。

建物の前でウロウロするなんて、愚の骨頂と言うものだろう。

ドアを開け部屋に入った途端

「高彬、まさか、ここってラブホテルなんじゃ・・」

「そのまさか」

「えーー、な、何よ、きゅ、急に・・・、あたしに断りもなしに」

「急にしたくなったから」

「したくなったから、って、そ、そんな・・、えーー、何?!ちょ、ちょっと!」

事態が飲み込めずアワアワしてる瑠璃さんを、そのままベッドに連れ込み、上から覆いかぶさりキスをする。

「ちょ、ちょっと、どうしたのよ、一体。あんた、まさか変なクスリでも飲んだんじゃ・・」

「飲んでないよ、何も。さっきの瑠璃さんが可愛い過ぎた」

「・・・」

「服もヒールも良かったし・・」

「何よ、高彬。あんた、あたしのプレゼン見ながら、そんなこと考えてたの?!」

「うん」

「うん、って・・」

「全部じゃないけどね、半分くらいは考えてた。いいオンナだなぁ、可愛いなぁって」

「・・・」

「そう思ったら、すぐに抱きたくなった」

「・・・」

「ダメかな」

「あたしはプレゼンでクタクタなのに・・」

「だからさ、瑠璃さんは何もしなくていいから」

「・・・」

「ぼくにプレゼンさせてよ」

「・・・」

「最大の努力で、ぼくの良さを伝えるから、さ」

「・・・」

「ね」

瑠璃さんは黙り込み、反論がないのは了承の証と言う事で、ぼくは黒いタイトスカートに手を伸ばすと、恋人の特権で太ももに手を這わせたのだった。





~Fin~


いただいたリクエスト内容は

「社会人編」 高彬目線。
金曜日の会議室、瑠璃にとって初めてのプレゼンを心配しながら見守る高彬。
一生懸命話す瑠璃の可愛さにズッキュンやられて、家に帰るまでがまんできずに、瑠璃を初めてラブホに連れ込む高彬。

でした。

そして末尾に「もちろん鍵つき大歓迎です(笑)」とのお言葉が添えられておりましたので、いずれ、ラブホ内でのあれやこれやのお話を鍵付きでアップしたいと思っています。

リクエスト、ありがとうございました!



プレゼンでドキドキ、初ラブホにドキドキ、高彬にドキドキ。
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(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんばんは。

ジャガイモ2号・瑞月です!

> そうです、ベリーといえば二の腕、二の腕といえばベリー(勝手に)です。投入しますよ!
> でもですね、まだどんなシチュかがピン!と来ないんですよー。

私もあれから二の腕ネタを色々考えていたんですが、そうしたら「ファイトー!いっぱーーーつ!」が浮かんできてしまい、それ以外、浮かばなくなってしまいました(笑)

瑠璃が崖から落ちそうになって、それを上から支える高彬。
一体、どんなアクション映画なんだって感じですよね!あなたたち、ワイルド過ぎ。

二の腕ネタとなると、平安編でも現代編でも行けちゃいますもんね。(そこがまた悩みの元)
あからさまなのじゃなく、さり気なく二の腕の色気が出るようなお話・・・
うーん、ベリーさんの素敵な妄想をお待ちしています!

> ラブラブの神よ、降りてこい!!爆

藍さんの、あの上半身がはだけてるジューシーな高彬を見てたら神が降臨されると思いますので、ぜひ!

珊瑚さま

珊瑚さん、こんばんは。

こちらこそ、リクエストありがとうございました!
読んだ瞬間、ぐふふ、と変な笑いが漏れましたよ。

> 特に「会議室のプレゼン」が、あんなに素晴らしい設定に生まれ変わるなんて、全く想像もしていなかったので、ただただ瑞月さんの発想力のすごさに驚きと感動でいっぱいです😌

いえいえ、「ずっきゅん」のお蔭で、妄想がムクムクと湧き上がりました!

> 続きの<鍵付き>も楽しみにしてますね~✴️

はい、ありがとうございます。
今、本編の方でもらぶぽかしたばかりなので、もう少ししたら鍵付きでアップしますね!

こんばんは。ジャガイモベリーです!
そうですよね、私らなんて、所詮ジャガイモなのだわ、悲しいかな、瑠璃さん一筋の男に惚れたのが最後ですね。トホホ。

そうです、ベリーといえば二の腕、二の腕といえばベリー(勝手に)です。投入しますよ!
でもですね、まだどんなシチュかがピン!と来ないんですよー。時折考えてますが、来たらもう速攻で(笑)書き込みます!その時は非公開でお楽しみな感じで瑞月さんにリクエストさせてください!
ラブラブの神よ、降りてこい!!爆

ありがとうございます😍

瑞月様 こんばんは~🌠

早速リクエストにおこたえいただきましてありがとうございます💐
私の拙い3、4行ほどの妄想リクエストをこんなに素敵なお話にして下さって、大大大感激です😂
特に「会議室のプレゼン」が、あんなに素晴らしい設定に生まれ変わるなんて、全く想像もしていなかったので、ただただ瑞月さんの発想力のすごさに驚きと感動でいっぱいです😌

瑠璃さんを見る高彬、本当にかわいいですよね😍
いつも思うことですが、やっぱり「なんて素敵な高彬」です😘

続きの<鍵付き>も楽しみにしてますね~✴️

ベリーさま

ベリーさん、こんばんは。

> あらあら、思い立ったら吉日、ラブホでラブラブ!私にもプレゼン、プリーズ!(オイッ)

プレゼン、プリーズ(笑)
いや、本当にそうですよね。私もそう叫びたいです。
でも、残念なことに、きっと高彬には私たちはジャガイモにしか見えていないのかも知れません(笑)

> 瑠璃さんにはジャガイモたちにしか見えないのに嫉妬する高彬、そりゃあもう焼きもちの炎メラメラで、ジャガイモがポテトフライになっちゃうぞ!

うわ~、ベリーさん、上手いこといいますね!
座布団一枚!

> 楽しいリクエストですね〜!鍵もこじ開けて(笑)読みますので楽しみにしています〜(^ ^)

はい、楽しいリクエストでした!ベリーさんもリクエスト、ぜひぜひ~!(あ。もしかしたら二の腕ネタ、投入してこられます??)

あらあら、思い立ったら吉日、ラブホでラブラブ!私にもプレゼン、プリーズ!(オイッ)
瑠璃さんにはジャガイモたちにしか見えないのに嫉妬する高彬、そりゃあもう焼きもちの炎メラメラで、ジャガイモがポテトフライになっちゃうぞ!
楽しいリクエストですね〜!鍵もこじ開けて(笑)読みますので楽しみにしています〜(^ ^)
プロフィール

瑞月

Author:瑞月
瑞月(みずき)です。

高彬と瑠璃のイラストは「~花の宵夢アンコール~」管理人の藍さんにいただいたものです。

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当ブログは「なんて素敵にジャパネスク」の二次小説を掲載しております。 二次小説と言う言葉を知らない方や苦手な方は閲覧ご注意ください。 また読後のクレームはお受けできません。 「ごあいさつ<最初にお読みください>」も合わせてご一読下さい。
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