***古典シリーズ*** 《続》今は昔。<新釈・竹取物語>7

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 《続》今は昔。<新釈・竹取物語>7 ***






秘策でもあるの?

あるんでしょ?

あるんなら言いなさいよ───

と畳みかけてくる瑠璃さんをはぐらかせるわけもなく、結局は守弥の話をするはめになってしまった。

興味津々で身を乗り出しながら、ふむふむ、と頷きながら聞いていた瑠璃さんは、全てを聞き終えると

「面白そうじゃない!ぜひ、やりましょうよ」

と両手を打つ付けてきた。

「いや、瑠璃さん。面白いとか、面白くないとか、そう言う問題じゃなくてさ。これは畏れ多くも帝を騙すと言う、まぁ、言うなれば陰謀とも言えることなんだよ。だから、よくよく考えて・・」

「考えたって、他に方法はなさそうじゃない」

「え」

「だって、高彬、言ったじゃない。もし帝が本当に何かを望んだら一介の貴族じゃ太刀打ち出来ないって」

「・・・」

「それぐらいの権力が帝にはある、・・・おありになるんでしょう?」

「うん・・・」

しぶしぶ頷くと

「だったら奇襲攻撃を仕掛けるしかないわよ」

「奇襲攻撃・・・」

「帝が宣旨を下したりしたら、うちの父さまなんかヘナチョコになるわよ。ただただ権力にひれ伏して『瑠璃や、悪いことは言わん。これも女人の幸せと思って、どうか後宮に上がってくれ。な、頼む』なんて、あたしに泣きついてくるに違いないんだから」

内大臣さまに限ってそんなことはない、と言えないところが辛い所だ。

いや、それどころか、そうなることは、ほぼ間違いないだろうと思われる。

「だから、あたしは闘うわ」

「闘う・・」

「そうそう帝の思い通りになんかさせてたまるかって言うのよ」

「・・・」

「自分の身は自分で守るわ」

「いや、瑠璃さんのことはぼくが守ろうかと・・・」

「ねぇ、高彬。その守弥とか言う者に合わせてよ」

「え」

ぼくの言う事など、てんで耳に入っていないのか、瑠璃さんはじりっと近づいてきた。

「詳しい話し合いが必要だわ」

「いや、しかしね、瑠璃さん」

あまりの急展開に、さすがに待ったを掛ける。

「さっきも言ったと思うけど、事がことだけに、慎重に・・・」

「慎重にしてるうちに、気付いた時には瑠璃姫は入内してました、なんてことになってもいいの?」

「それはだめだ」

「でしょ?だったら、やるしかないわよ」

「・・・」

反論の言葉もなく、ぼくは黙り込んだ。



*******



夕刻から夜になり、灯台の火入れも済ませた頃、白湯を飲みながら何とはなしに遠くの山並みを眺めていると、ツツっと小萩が近寄ってきた。

「少将さま。つかぬ事をお尋ねいたしますが」

「なんだい」

「寝所はどちらにお作りいたしましょうか」

思わず白湯を吹きだしそうになる。

「寝所って・・」

「今宵、お休みになられる場所です」

「いや、それは分かってるけど・・」

ぼくはチラリと几帳の後ろの夜具に目をやった。

実は先ほどの瑠璃さんとの話の後、ふいに睡魔が襲ってきて、今の今まで仮眠を取っていたのだ。

朝早かったし、吉野まで遠乗りしたし、やはり疲れていたのだろう。

ひとつ屋根の下に瑠璃さんがいることは当然、意識していたし、かと言って世間的にはまだ夫婦ではないし、このまま別の部屋で寝ることになるのだろうな、と思っていたのだけど。

しかし、わざわざ聞いてこられるとなると・・・・

「どちら、と言うと」

「あちらか、こちらか、ですわ」

瑠璃さんの部屋と、この部屋を指さしながら言う。

「瑠璃さんは何と言ってるんだい?」

探るように聞くと

「少将さまに聞いて欲しい、と」

「・・・」

と言う事は、つまり───

「あちら、ですわよね」

当然のことのように小萩が言い、ぼくの返事も待たずに立ち上がって行ってしまった。

「・・・」

何だか、小萩にからかわれたような気がするのは気のせいだろうか・・。

少しすると

「少将さま。ご寝所のご用意が整いました」

別の女房がやってきて、口上を述べた。

案内され瑠璃さんの部屋に入って行き、女房が退がるのを待ってから几帳を回り込むと───

誂えられた夜具の上、真っ赤な顔をした瑠璃さんが単衣姿で座っていた。






<続>


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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。

> ふふふ、高彬の前で瑠璃と初対面する守弥、楽しみにしております。

高彬の気苦労ばかりが増えそうな予感しかしないんですよねぇぇ。

> 嵐の前の静けさの中に、吉野でちょっとラブラブしてから「かぐや姫」作戦、開始ですね!ワクワクします!ノリがいい瑠璃と恐れおののく高彬。いいコンビです。

「かぐや姫」作戦、ぜひ成功して欲しいですよね。
そして鷹男をギャフンと言わせて欲しい!
原作でも、瑠璃・守弥・煌姫トリオで、「祟り作戦」して春日をビビらせてましたしね(笑)

> 本当は答え、知ってたでしょう(*≧∀≦*)

知ってた、に千票です!
もうすでに、瑠璃の部屋に寝所もこしらえた後だったりして。

ふふふ、高彬の前で瑠璃と初対面する守弥、楽しみにしております。
嵐の前の静けさの中に、吉野でちょっとラブラブしてから「かぐや姫」作戦、開始ですね!ワクワクします!ノリがいい瑠璃と恐れおののく高彬。いいコンビです。

えーと、小萩もロコツな!笑
本当は答え、知ってたでしょう(*≧∀≦*)
小萩って、お茶目過ぎです。
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