***古典シリーズ*** 《続》今は昔。<新釈・竹取物語>6

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 《続》今は昔。<新釈・竹取物語>6 ***






「え?入内?」

吉野に付き、突然のぼくの来訪に驚く瑠璃さんをなだめて、今回、来た理由である入内の話を持ち出すと、途端に瑠璃さんは顔をしかめた。

隣にいた小萩は「ひっ」と息を飲んだかと思うと、そのまま物も言えないさまで固まっている。

小萩の反応も道理で、それくらい<入内>と言う言葉には重みがあるのだ。

もし瑠璃さんに正式に宣旨が下り、入内なんてことになってしまったら、文字通り、ぼくには手も足も出せなくなってしまう。

三人ともが黙り込み、しばらくは沈黙が流れ、さすがに瑠璃さんにこの話をしたのはマズかったかな、やっぱりショックを受けているのかも知れない・・、と後悔していると

「まったく!」

盛大な舌打ちと共に憎々しげな言葉が聞こえてきた。

「なんて奴なのよ」

ふん、と鼻を鳴らし、それでも足りないのか、持っていた扇を手の平に打ち付けている。

「・・・」

普通、こう言う場面では、姫君はヨヨと泣き崩れるものとばかり思っていたぼくは、ポカンと瑠璃さんを見てしまった。

「あたしが靡かないと分かったもんだから、今度は立場を利用して強引に我が物にしようって寸法ね。そうはさせるかって言うのよ」

瑠璃さんはぷりぷりと言い

「え。じゃあ、姫さま。ご宣旨に従って入内なさると言うことは・・」

「冗談じゃないわよ。どうしてあたしが入内なんかしなくちゃならないの」

「どうしてって、それは帝が宣旨を・・・」

「それは帝の勝手でしょ?」

「はぁ。まぁ・・、それは・・」

「あたしにだって、都合ってものがあるんだから」

「はぁ」

しばらくは瑠璃さんと小萩のやり取りを黙って聞く形になっていたぼくは、ふつふつと笑いが込み上げてきてしまった。

そうだった、瑠璃さんってこう言う人だったんだよな。

4年振りの再会で、しかもいきなりの展開で結ばれてしまい、しかも見た目が驚くほど綺麗になっていたから、つい忘れがちだったけど、でも、瑠璃さんは勝ち気で、はねっ返りで、いつも真正直な人だった。

意に沿わない入内話に、諾々と従うような人ではない。

それを思うと、昨日来のモヤモヤした思いが晴れていくような気がする。

予断は許さないけれど、当の本人がここまで嫌がっているんなら大丈夫なんじゃないか、なんて気持ちになってくる。

「それにしても、帝ってヤなやつね」

瑠璃さんが言い、ぼくはギョッとしてしまった。

こうもあからさまに今上帝を悪しざまに言うのは、さすがに良くないと思ったのだ。

やはり、何と言っても最高権力者であられるわけだし。

「いや、しかしね。いくら瑠璃さんが拒もうと、もし本当に帝をそれを望まれたら、やはり一介の貴族じゃ太刀打ちは出来ないんだ。当然だけど、帝にはそれだけの権力がおありで・・・」

言いながら、言葉が途切れがちになってしまったのは、本当に自分で言ったこの言葉通りなんだよな、と思ったからだった。

いくら瑠璃さんがはねっ返りだろうと、やっぱり帝の宣旨は絶対で、そうなると入内もほぼ確定事項なわけで───

ぼくが黙り込むと

「問題はそこなのよね」

代わりに瑠璃さんが口を開いた。

「こう、何て言うか・・・。こうすれば、帝も手も足も出ない、とでも言うような秘策とかないかしら・・?」

「秘策!」

思わず叫ぶと

「何よ、そんな大きな声出して。何か秘策でもあるの?」

興味津々と言う風に、瑠璃さんが身を乗り出してきた。






<続>


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Secre

非公開さま(nさま)

nさん、こんばんは。

色々な話を楽しんで読んでいただきありがとうございます。
書いてても楽しいです!
許されるなら、一日中、書いていたいくらいです(笑)

プラスの高校生編もいったんお休みしますが、また再開して、3月までの2人は書いて見たいと思っています。
「Summertime Blues」で、高彬もまたこれからの半年を乗り切ってくれそうですしね!
またお付き合いいただければ嬉しいです。

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