教師編<遠足編-5->

拍手SSとして書いていた「教師編」の続編です。




「瑠璃×高彬<教師編>**遠足編-5-** 」




「あのぅ、藤原先生」

「うん」

「手」

「手?」

「繋いで歩かなくてもいいと思うんだけど」

「繋いで歩いてもいいと思うけど」

「・・・」

にっこり笑って言うと、瑠璃さんは黙り込み「まぁ、それはそうだけど・・」なんてぶつぶつと呟いている。

近隣の小学校の子どもたちが描いたと言う絵画が飾ってある地下道を歩き、駅の反対側に出た。

券売機の前に立つと

「電車?」

瑠璃さんが不思議そうに聞いてきた。

帰らないと言ったばかりなので、電車に乗ることが不思議なのだろう。

「はい」

渡した切符を瑠璃さんはまじまじと見ると

「江ノ電・・」

「そう。まだ早いし江の島でも行こうかと思って」

瑠璃さんの返事を待たずに改札を通ると、後ろから瑠璃さんも付いてきた。

到着した電車から人が溢れだし、捌けてから乗り込む。

「瑠璃先生は江の島は行ったことある?」

「ずっと前に1回だけね」

誰とだろう?と言う質問が頭をよぎったけど、とりあえずその言葉は飲み込んだ。

ガタンゴトンと懐かしい音をたてながら小ぶりな路面電車は出発し、鎌倉の街を走り始める。

夕方と言うこともあってか、江の島方面の電車は空いており、座席からも反対側の窓からの景色が良く見えた。

いくつかの駅を通過すると、急に景色が開けて海が現れた。

「あ、海」

瑠璃さんが身を浮かせるようにして言い、そうしてじっと海を目で追っていたかと思うと、立ち上がって海の良く見えるドアの前に立った。

ぼくも隣に立ちながら、そっと瑠璃さんを見ると、両手を窓に当てて額がくっつくほどの熱心さで海を見ている。

「瑠璃先生。海が好きなの?」

瑠璃さんは振り向き

「特別に好きってわけではないけど・・・。でも、普段、見慣れてないから、見るとやっぱり嬉しいかな」

「うん。分かる」

並んで窓の外を流れる海を見ながら、不自然じゃないようにそっと屈んで瑠璃さんの目線の高さになってみる。

多分、瑠璃さんとぼくだと20センチ近くは違うだろうから、それだけ下げてみると、少し違う景色に見える。

そうか、瑠璃さんからはこの景色が見えてるのか・・・

次の駅に停車するために電車は減速し、ぼくはふとあることを思い付いた。

「瑠璃先生、降りるよ」

「へ?・・へ?」

あたふたしてる瑠璃さんの手を引き、電車を降りる。

ドアが締まり、電車が行ってしまうと、瑠璃さんは

「わぁ・・・」

と声を上げ、目を瞠った。

「すごい。綺麗・・・」

ホームからは遮るものなく広がった海が見え、さざ波の立つ水面がキラキラと輝いている。

ここ「鎌倉高校前」駅はCMにも使われるくらいロケーションが抜群で、瑠璃さんに見せてあげたいと、ふと思い付いたのだ。

「いいわねぇ、何だか駅も風情があって」

「だろ」

木のベンチの座って、目の前に広がる海を眺める。

平日は学生でごった返すであろうホームも、今は人もまばらで、電車が来ると人が降りたり乗ったりして、そしてまた静かになる。

海の上を飛ぶカモメが、時々、ホームの方にまでやってくる。

しばらくぼんやりと海を眺め、何本かの電車をやり過ごしたたころで、また電車がやってきたので

「そろそろ、江の島に向かおうか」

立ち上がろうとすると

「江の島に行ったカップルって別れるって言うジンクスがあるんですって」

瑠璃さんが言い、思わず顔を見ると

「ま、まぁ、あたしたちには関係ないけど」

慌てたようにいった。

「さ、乗りましょ」

停車した電車に乗ろうと立ち上がった瑠璃さんの腕を掴んで、座らせた。

「・・・・」

「やっぱり江の島はやめよう」

「・・え」

「ジンクスには逆らわない主義なんだ」

「・・・でも、別に・・」

時計を見ると、4時半を回ったところだった。

ドアが閉まり、発車する。

数人の観光客が写真を撮り合った後に改札を出て行き、少しするとホームにはぼくたち2人だけになった。

「瑠璃先生、さっきの話なんだけど」

「・・・」

瑠璃さんの横顔にさっと緊張が走り、頬が少し赤くなったように見える。

「付き合ってもらえないかな」

「ま、待って。まだ4時半だし」

時計を見た瑠璃さんが上ずったような声で言い、ぼくは首を横に振った。

「早退したんだから、もう仕事中じゃないよ」

「・・でも」

「もう口説いていいだろ」

「・・・」

「どうかな、瑠璃先生」

潮の香りと、カモメの声が聞こえる。





~fin~


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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんばんは。

> 逆に何をしたいかっていうことの方が重要で(そうなの?)、決まっているじゃないですか!

なるほど。自分が何をしたいか、が大事なわけですね。確かに言われてみたらそうかも知れません(笑)

> まずは高彬の素肌の二の腕にしがみつく事でしょう!!夢です!!(オイオイ)

素肌ですかぁ。布地越しじゃ物足りないってことですね!

> やっぱり一緒に寝転がってですね、しがみついて寝る、それが希望ですね!!(聞いてないから)

確かに聞いてませんが(笑)えーと、しがみつくのは、それは高彬の胸ですか?それとも向こうを向いてる高彬の背中から?

高彬が本とか読んで向こう向いてるのを、後ろから「ねぇねぇ」とか言ってしがみつくなんてのもいいですね!(あ、聞いてない?)

>元乙女は、俄然、欲張りになりますねー!!

一緒に貪欲に生きましょう!

は、母君大君臨!!許可も出た事だし(?!)大いにお睦み遊ばして!

瑞月さん、高彬に何をされたいかって、それはもう皆さんきっと同じで、あーーんな事、こーーーーんな事、してほしいに決まってますよ〜!
逆に何をしたいかっていうことの方が重要で(そうなの?)、決まっているじゃないですか!
まずは高彬の素肌の二の腕にしがみつく事でしょう!!夢です!!(オイオイ)
やっぱり一緒に寝転がってですね、しがみついて寝る、それが希望ですね!!(聞いてないから)
スイマセーン自分つっこみが激しくて。
元乙女は、俄然、欲張りになりますねー!!

珊瑚さま

珊瑚さん、こんにちは。

> ほんとに瑞月さんのイメージとドンピシャのサイズなんです!!

あ、そうなんですか!

> 私が156cm、うちの中年高彬が176cm、身長差20cmなんですよ~

中年高彬・・(笑)

> これでもう思う存分、瑠璃気分にひたれます。
> ずっと目をつぶって高彬を思い浮かべましょう!

目をつぶって、って・・(笑)
思う存分、浸ってくださ~い!

ドンピシャです!!

瑞月様 こんばんは~

もう、瑞月さんのお返事を読んで、ドキドキが止まりません!
ほんとに瑞月さんのイメージとドンピシャのサイズなんです!!
私が156cm、うちの中年高彬が176cm、身長差20cmなんですよ~
これでもう思う存分、瑠璃気分にひたれます。
ずっと目をつぶって高彬を思い浮かべましょう!

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。
(コメントの返信の順番を抜かしてしまいました。すみません)

> そりゃもちろん、深く深くってもちろん瑞月さん、心と、か、ら、だ、でしょう!!(どキッパリ!) もういい大人なんですからね!堂々と!!

か、ら、だ、ですね!
どキッパリとありがとうございます。ようやく私もこれで決心することが出来ました(笑)

えぇ、えぇ、大人ですものね。
プラスの2人は、あちらはあちらと言う事で、こちらの2人は心おきなくお睦み遊ばしていいと、つまりはそう言うことですわね!(瑠璃母、降臨)

> ここはもう海の風が似合う高彬にドーンと任せて、深く、深ーく甘く仲良くなってもらい、私たちのラブラブ喉を潤わせてくださいよ!どうですか〜(^^) 瑠璃がドキドキびっくりするくらいに心も体も口説いてもらいましょう!

「海の風が似合う高彬」
いつからそんな設定に?(笑)いやいや、似合いそうですけどね、高彬なら。海の風も、山の森林浴も。ついでの川のせせらぎも。小鳥のさえずりも、上る朝日も。
スケールが違いますよね、高彬のかっこよさは!

> 恋人になった瞬間から自由に、、、きゃーッ。(勝手に盛り上がってすいません)

自由に何をしちゃうっていうんでしょうかね?!
ベリーさんなら何をされたいですか?きゃーッ。

珊瑚さま

珊瑚さん、こんにちは。

> 2人の身長差、20cmとのこと、私の経験上ベストポジションかと思われます😍

私のイメージは、瑠璃155~6センチ、高彬175~6センチです。いかがでしょうか?

> これ以上ひらくと見上げる体勢が苦しいし、差が小さいのも収まりが今ひとつなんですよね~😅

収まり!
これだけの言葉にドキドキニヤニヤする私は、どっかおかしいのかも知れません(笑)

> 気分だけでも瑠璃になって、見上げてみようかな😂

見上げましょう、見上げましょう。
目を閉じれが、そこに高彬がいるかも知れません。

非公開さま(nさま)

nさん、こんにちは。

皆さんのコメント、本当に面白いですよね。
私も読むと笑ってしまうので、一人の時に読むようにしています。
そろそろ「レッツニヤニヤ」タイムでございます。

20cm💓

瑞月様 こんにちは~

2人の身長差、20cmとのこと、私の経験上ベストポジションかと思われます😍
これ以上ひらくと見上げる体勢が苦しいし、差が小さいのも収まりが今ひとつなんですよね~😅

気分だけでも瑠璃になって、見上げてみようかな😂
一瞬で現実に引き戻されそうですけどね~😅

そりゃもちろん、深く深くってもちろん瑞月さん、心と、か、ら、だ、でしょう!!(どキッパリ!) もういい大人なんですからね!堂々と!!

そろそろディズニーデートでのですね、もどかしさ感がですね、読者のラブラブ喉を乾かしていると思うんです〜!!私だけではないはずです。ね?(みなさん道連れ)

ここはもう海の風が似合う高彬にドーンと任せて、深く、深ーく甘く仲良くなってもらい、私たちのラブラブ喉を潤わせてくださいよ!どうですか〜(^^) 瑠璃がドキドキびっくりするくらいに心も体も口説いてもらいましょう!
恋人になった瞬間から自由に、、、きゃーッ。(勝手に盛り上がってすいません)

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