教師編<遠足編-3->

拍手SSとして書いていた「教師編」の続編です。




「瑠璃×高彬<教師編>**遠足編-3-** 」




並んでシートに座りながら、そこは教師らしく夏休みのワークの範囲やプール実習の事などを話すうち、瑠璃さんの口数が段々と少なくなってきた。

不思議に思いそっと隣を見てみると───

瑠璃さんは寝ていた。

自分の膝小僧に頬を乗せ、ぼくの方に顔を向けている。

薄く開いた唇と、時々震える睫毛・・・

風が瑠璃さんの髪を揺らし、ハラリと頬に掛かった。

少し邪魔そうにも見えて、いや、本当のこと言うと、よく瑠璃さんの顔が見えないのが不満で、耳に掛けてやろうと手を伸ばしたところで、パチッと瑠璃さんが目を開けた。

「あ・・」

今、まさに髪に触ろうとした手前で固まってしまう。

瞬きもせずに丸い目で瑠璃さんはぼくを見ており

「いや、その・・・」

伸ばした手の行き場に困り、しどろもどろになっていると、丸かった瑠璃さんの目がトロンとしてきて、また閉じられた。

「・・・」

何だ、寝ぼけてただけか・・・

安堵していると、瑠璃さんはふいにぼくの方に倒れてきて、そのままシートの上で丸くなった。

(え?)

シートからはみ出さないように身体を九の字に丸め、胎児みたいな格好をしている。

顔を覗き込んでみるとやっぱり寝ていて、もちろん可愛いことは可愛いのだけど、いやはや、その無防備さと言うのか天衣無縫ぶりと言うのか───

もし瑠璃さんと首尾良く付き合えることになったら、これはひょっとすると、ぼくはかなりの確率で振り回されることになるかも知れないぞ。

そんな思いがふと頭を掠め、ぼくはまた瑠璃さんの寝顔を見た。

いつだったか、放課後の保健室のベッドで瑠璃さんは<寝心地を確かめるために>寝ていた時があり、その時も思ったけど、やっぱり瑠璃さんの寝顔は可愛いかった。

───まぁ、寝かしておいてやろう。

ホットドックを作るために早起きしたのかも知れないし、案外、瑠璃さんのことだから、子どもたちの気持ちになりきり過ぎて、あまり眠れなかったのかも知れない。

着ていた薄手のシャツを脱いで掛けてやると

「・・・1時半になったら、起こしてください・・・」

ムニャムニャと言い、ぼくは無性に瑠璃さんの頭を撫でてやりたくなってしまい困った。

何なんだろう、この可愛さ。

30分ほどが過ぎ、自由時間が終わる1時半になった。

「瑠璃先生」

身体を少し屈めて声を掛けても目を覚ます気配はなく

「瑠璃先生、瑠璃先生。1時半になったよ」

もう少し大きな声で言うと

「・・・はい!」

「イテッ」

突然に瑠璃さんは、ヤケに礼儀正しい返事と共に起き上がり、瑠璃さんの頭がぼくの顎にぶつかった。

「あ、ごめんなさい・・」

イテテ、と顎を押さえるぼくに、瑠璃さんは両手を拝むように合わせると

「さ、出発しましょう」

さっさと立ち上がった。

どうやら寝起きはいい様である。

瑠璃さんがバックにポットやコップやらをしまい、ぼくがシートを畳んでいると

「あのぅ、すみません」

と声を掛けられた。

小さな子ども連れの4人家族で、母親と思しき女性が瑠璃さんにカメラを差しだしている。

「すみません、写真撮ってもらっても良いですか?」

「はいはい、いいですよ」

瑠璃さんは軽快に返事をしながらカメラを受け取ると

「撮りますよーー。1足す1はー?にーー」

なんて言いながらシャッターを切っている。

「ありがとうございました」

カメラを受け取った女性は、数歩行きかけたところで、瑠璃さんに振り返った。

「良かったら、写真撮りましょうか?彼氏と」

「ひゃっ・・」

瑠璃さんはしゃっくりみたいな声を出したかと思うと、かぁっと顔を赤くして

「い、いえ、そ、そんな彼氏とか・・」

「お願いします」

にっこり笑いながら横からスマホを女性に差しだすと、女性もにっこりと受け取った。

鳩が豆鉄砲喰らったような顔をしている瑠璃さんに向かい

「せっかくだから撮ってもらおうよ、瑠璃」

隣に並ぶと、女性は「はい、チーズ」とオーソドックスな言葉を口にしながらシャッターボタンを押した。

「ありがとうございます」

「いーえ。お二人は付き合ってどれくらいなんですか?」

「3か月です」

「まぁ、一番楽しい頃ねぇ。・・・お幸せに」

「ありがとうございます」

家族連れは頭を下げながら遠ざかっていった。

振り返り、振り返り、手を振ってくる子どもたちに手を振り返していると

「ふ、ふ、藤原先生!あたしたち、まだ付き合ってないし・・・」

「まだ?」

「そ、そう言う意味じゃなくて・・・」

「せっかく写真撮ってくれるって言うんだから、無下に断ったら悪いじゃないか」

「それはそうだけど。それに・・・」

上目づかいでぼくを見ると

「瑠璃、とか・・」

「遠足のシュミレーションしてる瑠璃先生が楽しそうだったから、ぼくもシュンミレーションしてみただけだよ」

「・・・」

「4時間後のね」

「なっ・・・」

瑠璃さんは、茹蛸みたいな赤い顔になって、口をパクパクさせている。

「さ、行こう。またあの岩場を通らなきゃいけないからね」

瑠璃さんのバックを肩に掛け歩き出すと、瑠璃さんは慌てたように、それでも律儀に出発時間を栞に書き込込むと、小走りでぼくに追い付いてきたのだった。




~fin~


行く末が気になって仕方ないので、すみませんが明日も教師編を更新するつもりです。藤原先生と瑠璃先生。楽しんでいただけましたらクリックで応援をお願いいたします。
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(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。

> 肩、それ高彬っぽいですね!「腰」は私の単なる「欲望」でした。爆

欲望(笑)
それを言ったら、私なんて全部、自分の欲望だらけですよ~~。

> まだお返事もらってないし、アフター5に一気に触って行くわけですね。

そうそう、そう言うわけです。
瑠璃をロックオンですよ。

> 神レベルの男子!(今時の言葉?で言って見ました)

へぇ、髪レベルって今時の言葉なんですか。ふむふむ。メモメモ。いつか使おー(笑)

> でも、あのそっと手を握った高彬、切なくて可愛くてキューンでした。

あっちの高彬は、幼馴染枠があるから、ちょっと色んな躊躇があるんじゃないでしょうかね。
思春期ですし。

まぁ、あっちはあっち、こっちはこっちと言う事で、それぞれの高彬を愛でていきたいと思います!

No title

肩、それ高彬っぽいですね!「腰」は私の単なる「欲望」でした。爆
まだお返事もらってないし、アフター5に一気に触って行くわけですね。
なるほどふむふむ。メモメモ。楽しみが増えたぞ〜。笑
この路線も、もちろんいいです。なんだか、高彬って、オールマイティー。
神レベルの男子!(今時の言葉?で言って見ました)

瑠璃ガールの高彬からは羨ましがられますね うふふ
でも、あのそっと手を握った高彬、切なくて可愛くてキューンでした。
頑張れよお!なんかこう、あの友達以上(もしくは幼馴染以上)恋人未満の微妙なふたり、原作の初夜へ辿り着くまでの空気感とちょっと重なります。(^^)


非公開さま(Sさま)

Sさん、こんにちは。

「瑠璃」ですよー、「瑠璃」。
ほんと、これだけなのにどうしてこんなにトキメくんでしょうね!
私たち、どれだけ高彬と瑠璃が好きなんでしょう~~。
嫌いな男に「瑞月!」なんて呼ばれたら、ムカつくだけですもんね(笑)
藤原先生の「落とす」テクニック、愛でましょう!

ベリーさま

べべべべ、ベリーさん、こんにちは。

> みみみみ、瑞月さん!なんですかちょっとちょっと!「瑠璃」だって。「瑠璃」ですよ。出たーー!いやーん、カッコ良すぎ!
> ここぞとばかりに、ウフフフフ。(怪しくてすいません)

「瑠璃」って呼んじゃいましたね。いとも簡単に。
「if」な高彬、ですよ。
教師編はこの路線です。

> 私の中では二人で写真を撮ってもらった時、完全に高彬の手は瑠璃の腰でした!(やっぱシュミレーションですから!) 好きな女性にはストレートな高彬、いいとこ見させてもらいやした!

ベリーさんは腰ですか!私は一瞬、肩かと思いましたよ~。
でもですね、ここでは触れずに置いて、もっとこう一気にって言うのもいいかな?と思いましてね。
ここでは触れなかったんですよ。

> このまま「if」感たっぷりな感じで、どんどん積極的に行ってもらおうじゃありませんか!

一気に落としちゃっていいわけですよね!
初夜編の高彬が見たら、悔しがるでしょうねぇ。

>どうなるのこの先の二人!!

決まってるじゃないですかーーー!!

非公開さま(nさま)

nさん、こんにちは。

い、いいですか?!行きつくところまで行っちゃって!(笑)
翌日、日曜日ですしね。
では、お言葉に甘えて・・。

非公開さま(Kさま)

Kさん、こんにちは。

はい!高彬、瑠璃を呼び捨てにしてしまいましたね。
彼氏風をとっさに装ったのでしょう。
一味違う高彬をお楽しみください~。

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みみみみ、瑞月さん!なんですかちょっとちょっと!「瑠璃」だって。「瑠璃」ですよ。出たーー!いやーん、カッコ良すぎ!
ここぞとばかりに、ウフフフフ。(怪しくてすいません)

幼なじみ枠が無いとこんなにスッと寄ってくる(笑)感、たまりませんね!いいですよ、いいですねえ〜
子連れ家族、グッジョブ!!
私の中では二人で写真を撮ってもらった時、完全に高彬の手は瑠璃の腰でした!(やっぱシュミレーションですから!) 好きな女性にはストレートな高彬、いいとこ見させてもらいやした!
このまま「if」感たっぷりな感じで、どんどん積極的に行ってもらおうじゃありませんか!

それにしても瑠璃さん、無防備〜。一日中ずっと一緒にいると結構お互いのこと、分かりますもんね。しかも仕事とはいえ、オフですから、素が出るっていうか。どうなるのこの先の二人!!
高彬、いい返事がもらえたら、止まんないんじゃ無いのお〜 (悶) 楽しみです〜。

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