教師編<遠足編-2->

拍手SSとして書いていた「教師編」の続編です。




「瑠璃×高彬<教師編>**遠足編-2-** 」




「・・・お弁当はこの辺りで食べるのよね?」

近くに頼朝公の像がある芝生一帯は、土曜の好天と言う事もあって家族連れやカップルで賑わっていた。

皆、思い思いの場所にシートを広げ、弁当を食べたり昼寝をしたりしている。

「うん、そうだね。到着が11時半くらいで弁当を食べて、1時半までは自由時間だ」

「・・なるほど」

ぼくの言葉をメモに取りながら瑠璃さんは頷き

「じゃあ、ここでお昼を食べましょ」

大きなバックからシートを取り出すと足元に広げて見せた。

「え。ここで食べるの?今?」

「そりゃそうよ。当日のシュミレーションだもの。その通りにやって見なきゃ」

「だけど、弁当が・・・」

「ホットドック作ってきたわ。藤原先生の分もね」

「・・・」

「何よ、その顔。あたしだってホットドックくらい作れるわよ。ウインナー挟むだけだもの」

「いや、別にそう言う意味じゃなくてさ・・」

「さ、座って。お腹すいたわ」

瑠璃さんは靴を脱いで座ると、ポンポンと隣を叩いて見せた。

手渡してくれたホットドックは、本当にパンにウインナーが挟んであるだけで、上にケチャップすら掛かっていなかった。

「何だか物足りない味ねぇ・・」

ホットドックを口にした瑠璃さんが呟き

「ケチャップかも」

と言うと、一瞬、ポカンとした後、瑠璃さんは笑いだした。

「それだわ!作りながら、何かひと手間忘れてる気がするなぁって思ってたのよ。ケチャップかぁ。うん、そうよね。ケチャップよね」

クスクスと笑いながら頬張り

「でも、シンプルな味で美味しいよ」

「パンとウインナーの味しかしないものね。これ以上のシンプルはないわ」

ぼくたちは笑い合った。

水筒の中はアイスティーで、コップに入れてぼくに手渡してくれた。

「水筒と弁当が入ってたんなら、バック、重かっただろ」

「うん。一瞬、リュックにして、子どもたちがするみたいに水筒を肩から斜めがけにしようかと思ったんだけど、さすがにやめたわ」

瑠璃さんは笑った。

笑い返しながら、瑠璃さんの笑顔に引き込まれそうになる。

もう一つのコップに入れたアイスティーを飲むと、白い喉が露わになり、慌てて目を逸らした。

「・・12時ね」

食べ終えた瑠璃さんは、また時間を確認し

「1時半までは自由時間、と・・。案外、ゆっくり遊べそうなのね」

「うん。でも、弁当の後に持参したおやつを食べるから、子どもたちは結構、ずっと座ってる子も多いよ。特に女子は交換し合ったりしててさ」

「ふぅん。そっか、おやつか。300円分のお菓子、何か持って来ればよかったわ」

真面目な顔で言うので、笑わずにはいられなかった。

「1時半まではここにいるの?」

「そうねぇ、一応、当日通りに行動してみようかと思って・・。あ、藤原先生、どこか散策するならいいわよ。行ってきてもらって」

「いや、いいよ。ぼくもここにいるよ。それよりさ、瑠璃先生。1時半までは自由時間ってことだよね」

「・・・」

「それは教師である、ぼくたちも自由時間ってことだよ、ね?」

「・・・」

瑠璃さんの目が泳ぎだし

「さっきの話を少ししても・・」

「あー、ほら、やっぱり休憩時間とは言え任務中だから。我々、教職員は」

「我々、ね。じゃあ、やっぱり5時まで待った方がいい?」

顔を覗き込むようにして聞いてみると、瑠璃さんは顔い顔でコクコクと頷いた。

「概要だけでも話しておくっていうのでもダメ?」

「ダメ」

きっぱりと言われ

「わかった」

ぼくは引き下がった。

時計を見ると、12時を少し回ったところで

「5時間後に話すから」

「・・・うん」

体育座りをし、前を向いたまま瑠璃さんは頷き、しばらくは沈黙が流れた。

どれくらいそうしていたのか

「・・・あー、やっぱり気になるぅ」

ふいに瑠璃さんが顔を膝にうずめ、呻き声を上げた。

「え」

ガバっと顔を上げた瑠璃さんの顔は真っ赤で

「藤原先生が5時なんて言うから、意識しちゃうじゃない!」

「・・・」

「気になるから、もう、今、言っちゃって」

「え、いいの?」

「うん」

「じゃあ言うけどさ。その・・・、ぼくは瑠璃先生が・・」

「あー、やっぱり止めて!」

「・・・」

「でも、やっぱり気になるから言って」

「・・・だからぼくは瑠璃先生がさ」

「やっぱり止めて!」

「どっちなんだよ」

とうとうぼくは吹きだしてしまった。

面白ろ過ぎるよ、瑠璃さん。

「いいよ。5時まで待つよ。それからゆっくり落ち着いて話す」

「・・・う、うん」

それでも瑠璃さんはその後も、ふいに顔を膝に埋めたり、シートの上の足をバタバタさせたりと落ち着きがなく、ぼくはそんな瑠璃さんが可愛く思えて仕方ないのだった。




~fin~


この先の2人が気になるので、明日も教師編を更新するつもりです。藤原先生と瑠璃先生。楽しんでいただけましたらクリックで応援をお願いいたします。
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(←お礼画像&SS付きです)

コメントの投稿

Secre

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。

「ミスターあおずけ」(みそさん、素晴らしいネーミングをありがとうございます。私、これを思い出すたびに笑ってしまうんです。皆さん、語録が素敵過ぎます)
『if』の高彬は、私もかなり好きですよ。
誠実なとこはそのままに、何気に手が早い高彬。
教師編の高彬は『if』っぽいかも知れません。

非公開さま(Sさま)

Sさん、こんにちは。

教師編、お楽しみいただきありがとうございます。私も書いてて楽しいです。
ちょっと教師編では、普段とは違う感じの二人になりそうな感じです。
本当は「遠足編」の次の話は、すぐに5時からの話にしようと思ってたんですけど、何だか妄想が勝手に暴走を始めてしまい、制御不能状態なんです。
あまり長引かせても、とは思ってるんですが。
またお付き合いくださいませ~。

非公開さま(nさま)

nさん、こんにちは。

そうですよね、これはもう、妄想の赴くままに「大人の時間」にレッツゴーするしかないですよね~!
またお付き合いくださいませ。

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。

> 聞きたいんだか聞きたくないんだか、瑠璃さん、恋愛にカタギなのね!

揺れる乙女心、って感じでしょうか?!

> 高彬のチョコチョコおしてくる感、いいですね。引かないとこは、引かないみたいな強さ。むふふ イイですねえ。

教師編はこんな感じで行きますよ~。

> 高彬は絶対に生徒から人気があるけどからかわれてそうな感じがします〜。(^^)

ちょっかいだしちゃいますよね。(特に女子)私だって出しますよ!

非公開さま(Kさま)

Kさん、こんにちは。

鎌倉、いいところですよね。
大いちょうは八幡宮の文字通りボルでしたし、倒れてしまい悲しかったです。
これからの紫陽花の季節で、また一段と鎌倉は綺麗な時期ですね。

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聞きたいんだか聞きたくないんだか、瑠璃さん、恋愛にカタギなのね!ケチャップ忘れたのが何だか瑠璃さんらしい。
高彬のチョコチョコおしてくる感、いいですね。引かないとこは、引かないみたいな強さ。むふふ イイですねえ。
高彬は絶対に生徒から人気があるけどからかわれてそうな感じがします〜。(^^)

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