***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>17

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>17 ***






単衣の合わせから入れた指先が瑠璃さんの肌に触れる。

柔らかくて温かくて───

知らずにため息が出た。

片思い期間中、瑠璃さんの肌をああかこうかと想像したことは幾度となくあった。

正直、それ以上の想像をしそうになり、でもそれは瑠璃さんを冒涜するような気がして慌てて押し留めたり、だけど、やっぱり想像してしまい、その後にひどく自己嫌悪に陥ったり・・・

会えないでいた間も、ぼくはずっと瑠璃さんを感じながら過ごしていたんだな、と改めて思う。

合わせを開くと、瑠璃さんの両の乳房が現れ───

と思うまもなく、瑠璃さんは思わずのように合わせを掻き合わせた。

「・・・やっぱり、恥ずかしい・・」

下から真っ赤な顔で言う。

「うん、恥ずかしいよね」

「・・・」

「ぼくも恥ずかしいよ」

「・・・」

嘘偽りない気持ちだった。

裸体を見て、ただ劣情するには、ぼくは瑠璃さんを少し好き過ぎるのかも知れない。

いったん目を閉じた瑠璃さんは、目を開けると握っていた手を弛めて行った。

徐々に離れて行った両手は、やがて完全に身体の脇に下ろされた。

「恥ずかしいけど、・・・高彬だものね」

「うん」

瑠璃さんの言葉に幸せな気持ちが広がっていく。

「ぼくがこう言うことに慣れてて、もっとリードしてあげられればいいんだけど・・・」

情けない気持ちもあってボソボソと言うと、瑠璃さんは首を横に振り

「高彬が慣れてたりしたら嫌だわ。絶望的な気分になる。かぐや姫じゃないけど月に帰りたくなるわ」

「月に帰る?それは困るな」

そう言って笑おうとした途端、ふいに泣けてくるような感情がやってきた。

歪んだ顔を見られたくなくて、接吻をする素振りで首筋に顔を埋める。

童の頃、瑠璃さんを好きだった気持ちがまざまざと思い出されたのだ。

瑠璃さんは、いつもこう言う人だった。

情けないぼくを、丸ごと受け止めてくれる人だった・・・

右大臣家に生まれ、幼いながらも回りからの期待を感じていたぼくは、漢籍にも武術にも、いつも一生懸命に取り組んでいた。

無言のうちにも出来ることを求められ、それに応えようとして頑張っていたぼくに取って、瑠璃さんは避難所だったのだ。

石蹴りも下手くそで、相撲を取れば負けてばかりのぼくをいつも豪快に笑い飛ばしてくれ、だからぼくは瑠璃さんの前では伸び伸びと振る舞えたし、転んだら泣くことだって出来た。

瑠璃さんのいる三条邸は、幼いぼくにとって安心出来る秘密基地みたいな場所だったのだ。

17歳で年若い近衛府の少将となり、将来有望だの花形公達だの騒がれることが増え、でもそういう声はぼくにとっては重責以外の何ものでもなかった。

<出来る>ことが当然で、人より長けていることが求められる宮廷は緊張を強いられる。

ヘマは出来ない、弱みは見せられない───

そんな中で聞く、瑠璃さんの

「慣れてたら嫌」

は、ぼくを泣きたい気分にさせるのに十分だった。

「瑠璃さんが好きだ」

顔を上げて言うと、突然のぼくの言葉に笑い掛けた瑠璃さんは、ハッとしたように表情を止めた。

ぼくの目が赤いことに気が付いたのか知れない。

じっとぼくの顔を見ると、ふと表情を和らげ

「どうしたの、急に」

優しい声で言い、ぼくの頬に手を伸ばしてきた。

「大好きなんだ」

「・・・」

瑠璃さんは両手でぼくの頬を包むと

「わかってるわよ。さっき言ってもらえたもの。だからあたしたち、今、こうしているんじゃない」

「・・うん」

返事をした途端、涙が一筋、頬を伝った。

きっと瑠璃さんの手の平が温かかったからだ。

「ばかね、どうして泣くの。こういうところで泣くのは、女なのよ」

「・・うん。ごめん・・」

「大きくなったのは背丈だけなのね。何にも変わっちゃいないんだから・・」

瑠璃さんの声が震えだし、泣き笑いみたいな顔をしている。

「・・・うん。ぼくはきっと、あの日から何も変わってない・・。変わらず、瑠璃さんだけが好きなんだ」

「・・あたしもよ。あたしも変わってない。高彬だけが好き・・」

涙で光る目で見つめ合い、次の瞬間、ぼくたちはひしと抱き合った。

裸の胸に、瑠璃さんの柔らかな乳房を感じていた。





<続>


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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。

> (語ったら長いです)

おぉぉ~。そう言われると更に気になってしまうではないですか。

> なんなんでしょう、でもフェチってそんなもんですよね よく男性がおっぱい星人だとか言うので、私は二の腕星人なのだ!と思います(^^)

確かに「好き(フェチ)」に明確な理由はないのかも知れませんね。

私ねぇ、ベリーさん。
最近「二の姫」のこと考えると「二の腕」が浮かんでくるんですよ。
兵部卿宮家の二の腕。
何か似てません?
どんな姫やねん、って感じなんですけど。

> そんなのびのーびした家に来るとホッとしたことでしょうね

それは絶対にそうだったと思います。
右大臣邸ってガッチガチってイメージですもんね。

> 私、瑠璃の実のお母さんが入内させたくなかったのかなあ、とふと思いました。瑠璃の性格を見て内大臣は諦めてたでしょうが。

あ~、それあるかも知れませんね。
遺言で残した、とか。苦労はさせたくない、とかで。

> 方やSに躍らされる高彬を愛でながら、こちらはこちらで、ラブラブな 素敵な一夜を愛でさせてもらいます〜

どんな高彬も瑠璃も愛でたいです!

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。

>なんだか、なんだか、すごく良いですね。
>この二人、大好きです。( 〃▽〃)

ありがとうございます。
原作では語られることのなかったこの辺りの高彬の心情ですが、Mさんのおっしゃる通りだったんじゃないかと思います。
高彬は瑠璃に救われ、瑠璃もまた高彬に救われて。
そんな2人の関係が私も大好きです。

そ、そんな、考察だなんて。
私の二の腕フェチごとにきに瑞月さんの貴重な時間を取らせるわけにはいきませんよ〜
(語ったら長いです)
なんなんでしょう、でもフェチってそんなもんですよね よく男性がおっぱい星人だとか言うので、私は二の腕星人なのだ!と思います(^^) ほんっとにくだらなくてすいません〜

さて。
すでに物心がついた時には聡子や公子姫の入内画策があったでしょうし、右大臣家で意地悪な兄に囲まれ、若君一筋のどこか間抜けな守弥にビシビシ教育させられた高彬にとって三条家のフリースタイル(?)が息抜きだったでしょうね。
思えば瑠璃も自由ですが融もかなりそうですよね!好き勝手にわがままで。公達なので社会的立場が付きますが姫だったらあんまり変わらないくらいワガママ?!姫だったかも!
そんなのびのーびした家に来るとホッとしたことでしょうね
私、瑠璃の実のお母さんが入内させたくなかったのかなあ、とふと思いました。瑠璃の性格を見て内大臣は諦めてたでしょうが。

情けなくて、優しくて。それがいいじゃあないですか。何年かぶりにあって、また恋に落ちたんですね、二人では。うふふ。
方やSに躍らされる高彬を愛でながら、こちらはこちらで、ラブラブな 素敵な一夜を愛でさせてもらいます〜

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