***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>13

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>13 ***






「約束するよ、瑠璃さん。生涯、瑠璃さん以外、妻にしない」

瑠璃さんの目を見ながら言うと、瑠璃さんは持っている桜の枝に目を落とした。

「でも高彬は右大臣家の四男で有能な公達だから、回りが放っておかないわよ。きっと色んな縁談を持ってくるわ」

「全部、断るよ」

「出仕すれば綺麗な女官がたくさんいるわ。きっと誘惑されて・・・」

「もしそんなことがあっても適当にあしらう」

「すごく綺麗な人によ、そんな人に誘惑されて、それであしらったり出来るの?」

「出来る」

「父さまなんてあっちにフラフラ、こっちにフラフラで、色んな女房に手を出してるわ。だから、きっと高彬だって・・」

「瑠璃さん」

瑠璃さんの両腕に手を置く。

「ぼくを信じて。ぼくが生涯、妻は瑠璃さんだけって言ってるんだから」

「・・・」

「信じてもらえない?」

「そう言うわけじゃないけど・・」

瑠璃さんは小さく頭を横に振ると

「男の人って綺麗な人に弱いから」

「ぼくには、瑠璃さんが一番綺麗に見えるよ」

「え・・」

驚いたように瑠璃さんが顔を上げ、その顔を見た途端、かぁっと顔が熱くなった。

な、何を言ったんだ、ぼくは。

ガラにもない、こんな洒落た言葉を・・・

案の定、瑠璃さんは目を白黒させ、そうして少しすると

「こんな真面目な話してる時にからかわないでよ」

上目づかいでぼくを睨み付けてきた。

「からかってなんかないよ。本当にそう思ったんだ。久しぶりに瑠璃さんを見て・・・」

「・・・」

「かぐや姫みたいだなって」

「うそ。やめてよ。それはあたしが竹を割ったような性格だからでしょ」

瑠璃さんはさらにぼくを睨み付け

「そんなんじゃないよ。本当にそう思ったんだ。こんなに綺麗になってるなんて知らなくて・・」

「・・・・」

ぼくと目が合っていることに耐えられなくなったのか瑠璃さんは目を逸らし、歩き出そうと身動きしたところを───

有無を言わせず引き寄せる。

「・・・あ」

よろめくようにぼくの胸にもたれ掛かった瑠璃さんが小さく言い、受け止める振りをして抱きしめた。

強く抱きしめたい衝動を必死に抑える。

さっき、瑠璃さんの腕を掴んだ時、瑠璃さんが痛がったことを思い出したのだ。

ぼくが思いきり抱きしめたら、また瑠璃さんが痛い思いをしてしまう。

瑠璃さんがびっくりしないように、痛がらないように、そっと、そっと───

ぼくの腕の中で瑠璃さんは大人しかった。

大人しいどころか、緊張したように身体を固くしている。

ぼくと瑠璃さんの間には微妙に隙間があり、ぼくは背中に回していた手を肩に移動させた。

肩から腕に手を下ろし・・・

顔を覗き込むと、瑠璃さんと目が合った。

じっとぼくのことを見ている。

月明りを集めた瑠璃さんの目は、まるで湖面のように揺らめいていた。

「・・・高彬」

声は聞こえなかったけど、瑠璃さんの唇がぼくの名を呼び───

ゆっくりと顔を近づけて行くと、瑠璃さんが目を閉じ、そっと唇を重ね合わせる。

やんでいた風が吹き、また桜の花びらが舞いだしたようだった。

唇を離し、そっと背中に手を回すと

「もっと、・・・めて・・」

瑠璃さんが何事かを言い

「え」

耳を近づけると

「もっと強く抱きしめて」

小さな声だった。

「本気で抱きしめたら、瑠璃さんが痛がるんじゃないかと思って・・」

「・・ううん、大丈夫よ」

「・・・」

「ずっと・・・好きだったんだから」

「瑠璃さん・・・・」

万感の思いを込めて、瑠璃さんを強く強く抱きしめた。

瑠璃さんの髪に、肩に、桜の花びらが舞い落ちる───





<続>


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※3日~7日は不定期更新となるかも知れません。なるべく更新したいです。まだまだらぶポカが足りません。


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コメントの投稿

Secre

Mさん、こんばんは。(返信おそくなってすみません)

「仲良きことは美しきかな」
ほんと、そうですよね~。
でも、確かに高彬はよくよく考えたら「Mr.おあずけ」なんですよね(笑)
古典シリーズは最初から短期連載を考えていたので、こういうのもいいかなぁと思っております!

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非公開さま(Mさま)

Mさん、こんばんは。

> 夜桜が舞い散る中、抱き合う二人。
> おまけに初チュー!
> なんてロマンティックなんでしょう!!

CCBですよね(笑)

> 誤解を乗り越えて、やっと想いが通じ合ったのですもの、このまま山荘で……☆、なーんて。
> 気が早過ぎですかね~。(((*≧艸≦)

Mさん!私はすっかりそのつもりなんですけど~~(笑)
瑠璃父ばりにせっかちですかね?!

ベリーさま

ベリーさん、こんばんは。

> あ、じゃあどんどんそっちの方向で感じてもらいましょう!笑

はい、了解です!(笑)

> 「有無を言わせず抱きよせる」この一文でキノックアウトとなった私はおかしいですか?

いえいえ、おかしくないですよ~。
高彬の強引なところに、ノックアウトしていただいて嬉しいです。

> きちんと確かめる所、お互いの似たような、ピタッとハマる(はいはい色んな意味でね)二人なんですね。

え?色んな意味??
何のことを言っているのかちょっとよくわかりま・・・す!(笑)

> 連休中、ご家族との時間を楽しんでくださいねー!無理なさらず(^ ^)

ありがとうございます~。
ベリーさんも満喫して下さいね!

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あ、じゃあどんどんそっちの方向で感じてもらいましょう!笑

「有無を言わせず抱きよせる」この一文でキノックアウトとなった私はおかしいですか?
瑠璃も高彬も似てますね〜 ちゃんと本人が言ってる事、にわかに直ぐに信じないっていうか。笑
きちんと確かめる所、お互いの似たような、ピタッとハマる(はいはい色んな意味でね)二人なんですね。
柄にもないとか、そんな事ないよ、高彬。
そう言ってあげたいなあ〜
連休中、ご家族との時間を楽しんでくださいねー!無理なさらず(^ ^)
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