***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>8

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>8 ***






「話って・・・何?」

至近距離の瑠璃さんの顔にドキっとする。

そう言えば昔から瑠璃さんは、まっすぐに人の目を見て話す人で、どうやらそれは今も健在のようだった。

月の光を映し込む大きな目で見つめられ

「話は・・・、その・・」

ぼくはドキマギと返事をした。

───くそっ。

近衛府の少将としてそれなりに宮廷で経験を積んでいるくせに、なんてザマだ。

今上への奏上や御前会議での発言、部下への命令、殿上の間でのキワドい掛け合い、それらのことを日々こなしているぼくが、こうも口ごもるなんて・・・

もっとこう、スマートな受け答えが出来ないものだろうか。

───ずっと瑠璃さんが好きだった。

そう伝えればいいだけじゃないか。

「その・・・、秋篠中将は、お見えになられたのかと思って・・」

だけど、口をついてでたのは、そんな言葉だった。

「秋篠中将?」

思ってもみない言葉だったのか、瑠璃さんが怪訝そうな顔で聞き返してきた。

「ううん、来てないわよ。なぜ?」

「いや、来てないならいいんだ。・・うん」

瑠璃さんは黙ったままぼくのことを少し見ると、前を向き

「来てないどころか、あれっきり、お文ももらってないわ」

「え」

「秋篠中将だけじゃないわ。帝も、帥の宮も、権少将も、みーんなよ」

「それは、瑠璃さんが<龍の首の珠>だの<燕の産んだ子安貝>だの、無理難題を押し付けたからじゃないか。皆、どう調達しようか考えてるんだよ」

「・・・・」

「瑠璃さんは・・・、本当に誰とも結婚する気はないの?」

ぼくの問いかけには答えず、黙って桜を見ていた瑠璃さんは、やがてそっと手を差し出した。

ハラハラと音もなく舞い散る花びらを手の平で受け止めようとしているようだった。

花びらは瑠璃さんの手の平に乗りそうで乗らず、いつまでたっても瑠璃さんの手の平は空のままで───

「えいっ」と言う小さな掛け声と同時に、瑠璃さんが岩から下り立ち上がった。

その仕草はやっぱりお転婆な頃の瑠璃さんの姿を彷彿とさせ、だけど瑠璃さんがそのまま歩き出したので、慌ててぼくも立ち上がった。

このまま山荘に戻ってしまうのかと思ったけどそうではなかったようで、瑠璃さんはさっきの場所───、桜の花が良く見えるところで立ち止まり桜を見上げている。

瑠璃さんの横顔の向こうに月が見え、このまま放っておいたら、そのうち月からの使者が来て、瑠璃さんを連れ去ってしまいそうだった。

「瑠璃さん」

「なぁに」

桜を見たまま、瑠璃さんは返事をする。

「好きだ」

「・・・」

「ずっと、瑠璃さんが好きだったんだ」

風が吹き、花びらが舞った。






<続>


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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。

> あ、秋篠宮?(どーでもいいからあああ!って読みながら突っ込んでしまいました。笑)

いやいや、秋篠のことも気にかけて上げて下さいよ。
どこに桜を見に行ったのかな?とか、誰かと一緒なのかな?とか。
気にするとこ、いっぱいあるはずです!(笑)

> 切なさが、止まらない♬(わかるかたにはわかりますね)

分かりますとも!

> でも、好きって言えた。
> 瑠璃、この恋心をどう受け止めるのー!?

私ならがっちり受け止めて、更には鍵までかけちゃいますけどねぇ(笑)
瑠璃はいかに?!

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。お久しぶりです!

古典シリーズ、お楽しみいただきありがとうございます。
もう少し続きますので、またお付き合いくださいませ。
告白した高彬、瑠璃はなんと答えるのでしょうか?!

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。

自分の魅力が今一つ分かっていない高彬。
ペラペラと口がうまいだけの人よりよっぽどいいのに…

でも気持ちも伝えましたしね、あとは瑠璃がどう答えるか、ですね。
キス以上をお望みのMさんの気持ちをしかと胸に刻みましたので、またお付き合いください~!

結さま

結さん、こんにちは。

> はぁ‥告白できて良かった。

高彬、ストレートに伝えました!
さて、この先どうなることやら…

> 息止める勢いで読んでます。

ありがとうございます。
またお付き合いくださいませ。

あ、秋篠宮?(どーでもいいからあああ!って読みながら突っ込んでしまいました。笑)

んもー 抱きしめちゃいなよ、高彬。
切なさが、止まらない♬(わかるかたにはわかりますね)
でも、好きって言えた。
瑠璃、この恋心をどう受け止めるのー!?

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あ~!
気になる所で終わるお約束 笑

はぁ‥告白できて良かった。
最後はうまくいくの分かってても
息止める勢いで読んでます。
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