***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>7

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 今は昔。<新釈・竹取物語>7 ***






「わかったわ、高彬。話しを聞くから・・」

瑠璃さんの目線が、またぼくの手に落とされ───

離してくれ、と言う事だろうか。

そっと手を離すと、瑠璃さんは自分の手でぼくが掴んでいた部分をさすり、そうしてふと顔をあげると

「ずいぶんと背が高くなったのね」

ぼくの顔を見ながら言った。

「背?・・あぁ、そうか・・・。うん、そうだね」

「前はあたしの方が高かったのに」

「うん」

そう言えば、そうだった。

あの頃は瑠璃さんの方が高かったんだ。

ぼくにも融にも届かなかったものが、瑠璃さんにだけ届いて、それは台盤所に置かれていた唐菓子の時もあったし、木の上でうたた寝する仔猫だったりした。

なのに今の瑠璃さんはぼくの肩にも届かないくらいの高さで、抱き締めたら胸にすっぽりと収まりそうで・・・

───抱き締める?

自分の考えたことに、かぁっと顔が熱くなる。

な、何を考えてるんだよ、ぼくは。

「話って・・何?」

ぼくを見上げたまま瑠璃さんは言い

「う、うん・・」

曖昧に返事をしてしまう。

声も口調も昔のままの瑠璃さんなのに、こうも見た目が変わっていると、何だかおかしな気持ちになってくる。

巷で瑠璃さんのことを「かぐや姫もかくやあらん」と噂していると聞いた時は、さすがにそれは言い過ぎだろう・・・なんて思ったものだけど、でも、今、目の前で月光を浴び佇む瑠璃さんの姿はまさしく「かぐや姫」のようで───

「少し・・、座ろうか」

慌てて言ったのは、そうでもしなかったら瑠璃さんを無理やりにでも抱き締めてしまいそうだったからだ。

桜の木の横に、腰掛けるのに頃合いの岩があり、そこを指さすと瑠璃さんは頷き、ぼくは少し迷って瑠璃さんの手を取った。

ハッとしたように瑠璃さんがぼくを見て

「転んだら危ないから。暗いし」

「月明かりがあるから大丈夫よ」

「でも夜だし」

「・・・」

食い下がると瑠璃さんは俯き、何となくチラッと見えた顔が笑ってたようにも見えたのだけど、一瞬だったのでよく分からなかった。

手を貸してやり、2人並んで岩に腰掛ける。

満開の夜桜の向こうには月が煌々と輝き、周辺の雲は月の照り返しで銀色に輝いている。

何の物音もせず、時折り吹く風が桜の木を揺らし、揺れるたびチラチラと花びらは舞い、少しの間、風に煽られ舞い踊った後、音もなく地面に落ちて行く。

「素敵な夜・・・」

瑠璃さんが呟いた。

月と桜を見上げる瑠璃さんの横顔にも月明かりは降り注いでいる。

「綺麗だね・・」

思わず言葉が口をついて出て、瑠璃さんは少し黙ったあとに

「うん。綺麗な月ね。桜も・・」

───綺麗なのは瑠璃さんだよ・・・

そう言い掛けて、言葉を飲み込んだ。

こんな洒落た言葉、ぼくのガラじゃない、か・・。

「話って・・・何?」

ふいに瑠璃さんがぼくの顔を覗き込んできた。






<続>


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Secre

ベリーさま

ベリーさん、こんにちは。

> ふふふ ベストテン世代ですよ でもどちらかというとローラースケートが輝いてた時ですかね ぐふふ でもなめ猫!懐かしい!! 笑

お~、ローラースケート!しゃかりきコロン!
考えて見たら「光GENJI」ですし、平安繋がりですね~(わら)

> さて高彬、遠慮しているようで、でも、ひかないところがかっこいいですね
> 手を取ってあげるなんて、にくいっ (一挙一動に盛り上がる外野です) 惚れちゃうよ!

そうですよ~、吉野まで来たんですもん。
少しは強く出ないと。

> 少し大人になった高彬に戸惑う瑠璃さん
> また恋に落ちる高彬。

瑠璃から見たって高彬はかなり変わったんでしょうしね。
再会ってそれだけでロマンティックですよねぇ。

> いつもながら、お忙しいのに、いろんなお話を作品にしてくださる瑞月さんに感謝です(^^)

いえいえ、こちらこそいつも読んでいただきありがとうございます!

ふふふ ベストテン世代ですよ でもどちらかというとローラースケートが輝いてた時ですかね ぐふふ でもなめ猫!懐かしい!! 笑

さて高彬、遠慮しているようで、でも、ひかないところがかっこいいですね
手を取ってあげるなんて、にくいっ (一挙一動に盛り上がる外野です) 惚れちゃうよ!

少し大人になった高彬に戸惑う瑠璃さん
また恋に落ちる高彬。
吉野マジックに、桜マジックも加わって、私たちは恋する二人に目が離せません!
こんなに素敵なお話、毎日楽しみです。

いつもながら、お忙しいのに、いろんなお話を作品にしてくださる瑞月さんに感謝です(^^)

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Author:瑞月
瑞月(みずき)です。

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