社会人・恋人編<69>

「ねぇ、外泊して何してたの?」

黙り込む高彬にさらに質問を重ねると

「そんな・・、別に瑠璃さんが知ることじゃないさ。褒められたことじゃないし・・・」

高彬はふっと目を逸らし───






─Up to you !Ⅱ─side R <第69話>






褒められたことじゃない・・・

「・・・」

ごくり、と唾を飲み込む。

こ、これは、いよいよ、だわ。

あたしが想像し、怖れていた通りの展開・・・

高彬は目を逸らしたまま、ぼそぼそと話しだした。

「まぁ、今思えば、何もあんなに急ぐことなかったとは思うけどね。大人になればいくらでもチャンスはあるんだし」

「・・・」

「でも、回りはどんどん経験していくし、ぼくも興味あったし・・」

「・・・」

「そんなこと親には絶対言えないから、結局、夜中に目を盗んでやるしかないだろ?皆が寝静まった頃に家を抜け出してさ、早く済ませて帰ってこようと思いつつ、やっぱり気持ちいいから止められなくて。それで結局、気が付けば夜通しだよ。まぁ、今となっては色々、懐かしいよね。まさか大江にバレてるとは思いもしなかったけど・・」

高彬はしみじみと言い、何事かを考えるかのような顔つきで、もしかしたら、当時の「あれこれ」を思い出しているのかも知れなかった。

「高彬、それっていつも同じ人よね・・」

思わず声が震えてしまった。

やっぱり彼女いたんだ・・・

「いや、毎回、違うよ」

「えーーー!!」

違うですって?!

あまりのことに立ちあがってしまい、その反動でイスが後ろに倒れた。

「ち、ち、ち、違うって、あんた・・・」

それって、いわゆる身体だけの割り切った付き合いと言うか遊びと言うか・・・

そう言うこと?!

「色々、試してみたいじゃないか。どんなのが自分に合うかわからないし。乗り心地ってそれぞれ違うし」

さらりと何でもないことのように高彬は言い、その様子にあたしはかぁっと顔が熱くなってしまった。

「な、な、何、失礼なこと言ってるのよ!寄りによって、乗り心地だなんて!」

もっと罵ってやりたいのだけど、興奮して言葉が出てこない。

今にもひきつけを起こして失神してしまいそうだった。

乗り心地って何?!

女をなんだと思っているのよ!!

「乗り心地を試したいだなんてバカにしないでよ!た、高彬がまさかそんなこと言う人だとは思わなかったわ!」

もうもう、あたしは頭がパンク寸前だった。

「だって重要なことじゃないか、相性って」

「そ、そ、そりゃそうだけど、でも、それよりもっと大切なのは心の結びつきとかそう言うものじゃないの?」

「心の結びつき?」

高彬がびっくりしたように反復し、その言い方に更に腹が立った。

「そうよ、それをとっかえひっかえ違う人とするだなんて、そんなの・・・ふしだらだわ!」

「人?」

「あたし、高彬のこと誤解してたのかも知れない。もっと誠実な人かと思ってた」

「・・・」

少しの沈黙が流れ、何事かを考える風だった高彬が、慎重に切り出してきた。

「あのさ、瑠璃さん」

「何よ」

「何か勘違いしてない?ぼくが言ってるのはバイクのことなんだけど」

「はぁ?!」

バイク?!

バイク?

「バ・・イク?バイクって、あの、ブンブンってふかして仮面ライダーが乗るやつ?」

「そうだよ。16になると400ccまでの中免が取れるんだよ」

「・・・」

「バイクはガキん時からずっと乗ってみたくてさ。ほんと、仮面ライダーとか見て憧れるじゃないか。でも、うちの親がいいって言うわけないし、高校入って内緒で免許取ったんだ」

「・・・」

「免許取ったはいいけどさすがにバイクなんか買ったら親にバレるだろ。で、探したらレンタルバイクって言うのがあったんだよ。好きなバイクを借りられるから、夜中にこっそり乗りに行ってたんだ。一度、走り出すと気持ち良くて、つい朝まで・・、って瑠璃さん、どうしたの」

「疲れた・・」

ヨロヨロとよろめきながらソファまで歩き、思いっきり突っ伏した。

何かしら、このデジャブ感・・・。

ベッドが発注ミスだと分かった時と同じ疲れを感じるわ・・・

「大丈夫?瑠璃さん」

気が付いたら高彬もソファに来ていて、あたしの背中をトントンと叩いている。

「バイク、乗っちゃダメだった?」

ノロノロと起き上がり、黙って頭を振る。

バイクでも三輪車でも、この際、自由に乗ってちょうだい・・・

「瑠璃さんさ、ぼくの外泊、一体何だと思っていたのさ」

からかうような口調で高彬が顔を覗き込んできた。






…To be continued…


瑠璃の勘違いっぷりを楽しんでいた疑惑が急浮上している高彬に、クリックで応援をお願いいたします。
↓↓




(←お礼画像&SS付きです)

コメントの投稿

Secre

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。

はい、確信犯っぽい高彬です(笑)
アワアワしてる瑠璃を楽しんでるんでしょうね!
私(たち)も高彬に楽しまれた~い。(ですよね)

いや~、Mさん!
実は私、現代編の高彬の職業のイメージはズバリ警察官僚、「キャリア」なんですよ!
(少し未来のクリスマスのお話の時の。)
でも、警視庁内部の描写を詳しくかける自信なんてあるわけもなく、仕事に関しては曖昧にしてるんですけど。
昨日「小さな巨人」を観たんですけど、やっぱり高彬がここにいたらカッコいいな、と。
もちろん白バイも妄想してますよ!
高彬になら切符切られてもいいです!いや、むしろ切られた~い!

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
プロフィール

瑞月

Author:瑞月
瑞月(みずき)です。

ランキングバナー

  ↑
ランキングに参加しています。
楽しんでいただけましたら
クリックで応援をお願い致します。
1日1クリック有効です。
初めにお読みください
**当ブログの簡単な説明です**
当ブログは「なんて素敵にジャパネスク」の二次小説を掲載しております。 二次小説と言う言葉を知らない方や苦手な方は閲覧ご注意ください。 また読後のクレームはお受けできません。 「ごあいさつ<最初にお読みください>」も合わせてご一読下さい。
カテゴリ
別館
乳姉妹ブログ
日記ブログ
掲示板
なんて素敵にサイト様 
最新記事
ご訪問ありがとう(H23.11.28-)
**オンラインカウンター**
現在の閲覧者数:
コメントありがとうございます
お礼SSや「他己紹介」があります。
web拍手 by FC2
** あれこれ投票所 **
お好きなジャンルをお選びください。 投票は何度でも可能です。
*** あれこれ投票所2 ***
メールフォーム(ご用の方はこちらから)

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ