社会人・恋人編<66>

「あぁーー、こ、こ、こ、小萩さん!」

あたしの後ろにいる小萩に気が付くと、政文は叫び声のような声を上げた。

声は見事なまでに裏返っている。

真っ赤な顔で立ち尽くす政文に向かい

「え?え?・・政文さん?何?知り合い?え?えー?!」

今度は大江が叫び声を上げた。

「お、大江ちゃん?!」

それぞれが、それぞれに理解不能と言った感じでお互いを指さし合って目を見開き───






─Up to you !Ⅱ─side R <第66話>






「まぁまぁ。2人とも落ち着いて」

びっくりマークが飛び交う2人の間にあたしは割って入って行った。

ここで政文と会うなんて、まぁ、あたしもそれなりにびっくりしてはいたけどね。

「昨日の合コンにね、高彬がこちらの政文さんを・・・」

「あ、ぼくのことは<政文>でいいです」

「そう?じゃあ、・・政文をね、呼んでいたのよ。で、昨夜はこっちに泊まって少し東京観光でもしてこれから京都に帰る・・・ってことよね?」

最後の部分は政文に向かい言うと、政文は大きく頷いた。

「へぇ~、そっか・・。だから政文さん、休みもらってたんだ・・。それに何だか最近、ウキウキしてるなって思ってたら、合コンの予定があったんだ・・。へぇ・・・」

大江は納得したように呟き

「でね、小萩も合コンに出てたわけ。そこで、政文が小萩に・・」

チラッと政文に視線を送ると

「一目惚れしたってわけなんスよ」

言葉の後を引き取り、ヘヘ、なんて大江に向かい頭を掻いてみせた。

大江は「ひゃー」だか「ひぇー」だかの声を上げたかと思うと

「やだー、小萩さんたらー。どうしてそういう事言ってくれないんですかーー。ずるーい。小萩さんにだけ春が来てるー」

異様に興奮し、小萩の肩をバンバン叩きはじめ、小萩はと言うと困ったように顔を赤らめ立っている。

言わないも何も、多分、小萩は忘れてたんだと思うけど・・

政文の顔も覚えてなかったくらいなんだし。

だけど、それを言ったら政文に失礼だと思ったのかどうかは分からないけど、小萩は大江に向かい曖昧に笑ってみせた。

「こ、こ、小萩さん!」

「は、はい」

政文に突然に名前を呼ばれた小萩は、ポシェットの紐をギュッと掴んで返事をし

「あ、あの、良かったらこれからお茶でもしませんか」

キャーと仰け反る大江の袖を引くと、あたしは後ろに下がらせた。

邪魔しちゃだめ!

果たして小萩は

「お、お茶・・ですか。え、えーと、私、今、喉乾いてなくて・・」

なんて言うので、後ろで聞いてたあたしは盛大にずっこけてしまった。

んもー、小萩ったら!

「お茶しませんか」って言うのは、「少しお話しませんか」ってことで、何も本当にお茶をがぶがぶ飲むってことじゃないのに!

この子も大概、天然だわよ。

「あ・・・」

政文の顔に見る見る失望の色が浮かび、あたしは小萩の背中を押して、ぐぐいと前に押しだした。

「行ってらっしゃいよ、小萩」

「え、瑠璃さま・・」

「政文、2時間よ、2時間だけ小萩を貸してあげる。しっかり自分を売り込むのよ」

「は、はい!」

「小萩、政文はね、高彬んちの使用人なのよ。大江と同業よ。身元はしっかりしてるからそこは安心して」

「・・・」

不安そうな小萩の手を引き

「お茶くらいしないことには何も始まらないわよ。あたしも近くで時間潰して待っててあげるから」

耳元で囁くと小萩は小さく頷き、政文と人混みの中を歩き出した。

「さて、と」

人の恋路に興味はないのか、煌はとっくにいなくなっている。

「大江、ショッピングでもしない?」

若干の下心もあって、大江を誘うと

「わぁ、いいんですか?」

大江は顔を輝かせた。

連れ立って歩きながら

「ねぇ、大江。ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・」

「何ですの?瑠璃さま」

「あのぅ・・、高彬ってさ」

「はい」

「学生の頃、どんな感じだった?」

「どんな感じ、と言いますと・・」

「うーん、だから、モテてたかってことなんだけど・・・」

「あぁ、そういうことですか」

うふふ、と大江は目を細めた。








…To be continued…


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Secre

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。返信が遅くなってしまいすみません。
(学校の保護者会などや、新年度の書類書きがあり、パソコンに向かえませんでした)

おしゃべりな大江に知られてしまった政文の恋の行方は?!
高彬の学生時代、気になりますよねぇ。
ビジュアル的にはぜひ学ランであって欲しい!

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