社会人・恋人編<63>

呼び出し音5回で通話が繋がった。

『もしもし。曽茅野ですが』

その冷静な声に更にカッとなり───






─Up to you !Ⅱ─side R <第63話>





何が「曽茅野ですが」よっ!

大きく口を開け、怒鳴りつけてやろうと思った一歩手前で思い留まった。

───この男、ただ者じゃないわ・・

あたしの勘がそう告げたのだ。

今回のデートクラブ事件は、まぎれもなく曽茅野氏の仕業のはず。

だから、わざわざあたしの服装を聞き、そうして10分遅れると言ってきたのよ。

今、あたしから電話があったと言う事は、未遂───つまりは失敗に終わったと分かったはず。

なのに動揺もせずにたった5回のコールで出て、こんな冷静な対応ができるなんて───

相当、肝が据わっているか、もしくは、失敗することも見越しているような計算高い男なのか。

どちらにしろ、ただ者じゃない。

だとしたら、こういう男に怒鳴りつけたって意味がないどころか、却って不利になるだけ・・・

あたしは携帯を耳に当てたまま、聞かれないように大きく息を吸い込んだ。

「今、どこにいるのかしら───?」

我ながら、ぞっとするくらいに低くて抑揚のない声だった。

あたしが本当に怒った時の怖さを思い知るがいいわ。

『今、ですか?もちろん待ち合わせ場所で、先ほどからあなたを待ちわびておりますよ』

ふんっ、白々しいったら。

なーにが、待ちわびる、よ

「あら、そう。それは悪かったわね」

携帯を反対の手に持ちかえて、もう片方の手は大江の背に当てる。

可哀想に、大江はまだぐずぐずと鼻をすすっている。

「ちょっとハプニングがあって、今、駅から離れたところにいるのよ」

『おや、何かありましたか。何かお力になれることがあったら・・』

「今からそちらに行くから、お会い出来るかしら。あと20分もしたら行けるわ」

さも心配していると言わんばかりの曽茅野氏の言葉を遮り言うと

「・・・もちろんですよ。20分と言わず、何時間でも待ちますよ」

「そう」

それだけ言って、すぐに切ってやった。

携帯越しに殴れるものなら、一発お見舞いしてやりたいくらいだわ。

ラインで連絡を取り、4人で駅の近くで合流する。

事情を話すと、小萩は大江に抱き付き涙ぐみ、煌は顔をしかめた。

「あたしはこれから曽茅野氏と会ってくるわ」

そう言うと3人はギョッとしたように顔を見合わせ、そうして口々に

「瑠璃、それはあまりに無茶というものよ」

「瑠璃さま、それはいくら何でも・・」

反対の言葉を述べ、結局、皆で行くことにした。

と言っても、会うのはあたしだけで、3人は近くで見張ることにする。

ああいう男はね、たくさんの人の前ではきっと良い人ぶるのよ。

今日、4人で来てることも言ってないんだし、取りあえずあたし一人で会った方がいいわ。

きっとその方が本性を出す。

待ち合わせ場所に行ってみると、澄ました顔をして曽茅野氏が立っていて、どうやら携帯でも見てるようだった。

その俯き加減の横顔は確かにどこか鷹男に似ていて、2人が親戚だと言う事が思い出される。

黙って前に立つと、曽茅野氏は顔を上げ、うっすらと笑いを浮かべると

「お持ちしておりました」

と言った。

「・・・」

心中、密かに舌を巻く。

大したもんだわ。あたしを見ても、顔色ひとつ変えやしない───

ホテルのラウンジに行こうと言う曽茅野氏の提案を断り、駅構内にあるオープンスペースのあるカフェにしてもらった。

見張りの3人のことを考えて人混みを選んだと言うのもあるけど、ホテルに足を踏み入れることに抵抗もあった。

いつだったかの時、鷹男がルームキーをチラつかせたことがあったけど、今度ばかりはそれじゃ済まないかも知れない。

カウンターで出されたドリンクを受け取り、窓際の席に向かい合って座る。

少し離れた場所には、3人がいる。

「ハプニングがあったと言う事ですが、大丈夫でしたか?」

コーヒーを一口飲んだ曽茅野氏が言い

「見え透いた嘘はいいわ」

「・・・」

「今のハプニングは、あなたの差し金でしょう?曽茅野美弥さん」

あたしはズバリと言った。






…To be continued…


曽茅野氏は果たしてキーマンなのか───?
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