社会人・恋人編<64>

「今のハプニングは、あなたの差し金でしょう?曽茅野美弥さん」

ズバリ言うと

「おやおや」

あたしの言葉に曽茅野氏は、さも心外だと言わんばかりに眉を上げてみせ───






─Up to you !Ⅱ─side R <第64話>






「一体、何をおっしゃっているのですか、あなたは。そのハプニングとやらも知らないのに、それが私の差し金とは聞き捨てならないですね」

口の端に薄ら笑いを浮かべて言う曽茅野氏に、コーヒーをかけてやりたくなったけど思い留まった。

コーヒーがもったいないわよ。

普段はカフェラテ派のあたしだけど、今日ばかりはブレンドコーヒーにしていた。

曽茅野氏の前で唇に泡とか付けたくないし、それにカフェラテはのんびりと幸せ気分で飲むものよ。

戦闘態勢の時は、断然、ブラックでしょう───

なんてことを思いながら、一口、コーヒーを啜る。

苦い・・・

高彬、よくいつもこんな苦いもの、飲んでるわね・・・

「あなたを・・・、曽茅野さんを待ってる時、男性に声を掛けられたのよ」

コーヒーをテーブルに置き、切り出す。

「ほぉ。さすがお美しい方は違いますね」

「冴えない中年男だったわよ。それで、強引にホテルに連れ込まれそうになったわ」

「おやおや。随分とせっかちな方ですね。せめて、お茶なり食事なり・・・」

「デートクラブからの斡旋だと言っていたわ。時間も服装も、全部、あたしに当てはまっていたのよ」

「・・・・」

「曽茅野さん、あなたが仕組んだことでしょう?違う?」

はったと目を見据えてやると、曽茅野氏はあたしの視線をしっかりと受け止めてから、一度ゆっくりと瞬きをすると

「違いますよ」

穏やかとも取れる表情で言ったかと思うと

「第一、証拠でもあるのですか」

表情も声も一変させ、冷ややかに言ってきた。

「証拠・・・」

「そうです、証拠です。その男性は、お相手の女性に本当にそう言われて来たのかもしれませんよ。ハチ公前でブルーの服を着て待っている、とね」

「・・・」

「現に回りをご覧なさい。あなたに良く似た風貌の女性はたくさんいますよ」

言われて回りを見渡してみれば、店内はもちろんのこと、駅構内を行き交う人の中には、特徴だけを挙げたら、あたしに当てはまる人はたくさんいることが見て取れた。

確かに、お金欲しさに本当に自分でデートクラブに申し込んだって人がいるのかも知れない。

それが直前になってやっぱり嫌になって行かなかったとか・・・

ううん、大切なのはそこじゃないわ。

要は、例え本当は曽茅野氏の仕組んだことだったとしても、言い逃れはいくらでも出来るってことなのだった。

あの中年男がいて、どのサイトから申し込んだとか、そこまで判ればまた違ったのかも知れないけど・・・

でも、今の状況で、曽茅野氏が絡んでいると言う決定的な証拠をあげることは出来ないんだわ。

「・・・・」

あたしは唇を噛んだ。

「と言うわけで、妙な言いがかりは止めていただきたいものですね。場合によっては名誉棄損で訴えますよ」

「・・・・」

「さて、どうしますか?これから、どこか食事にでも行きますか?この辺りなら、500円以内で食べられる店がいくらでもあります。ご馳走しますよ」

おまえに奢るならその程度の店で十分だ───

まるでそうとでも言いたげな面白がるような口調で言われ、あたしは一度ゆっくりと瞬きをしてから、ぐっとお腹に力を入れると穏やかに微笑んだ。

あたしはねぇ、そんなあからさまな挑発に乗ったりはしないの。

乗りはしないけど、───切り返すってわけよ。

「せっかくのお誘いだけど遠慮しておくわ。あたし、食事は好きな人と楽しくいただきたいのよ。例えそれが500円だろうと5万円だろうとね」

ふんっ、あたしを誰だと思ってるのさ。

ナメるんじゃないわよ。

「そうですか。では、名残惜しいですが、これで・・・」

曽茅野氏はそう言うと席を立ち、店を出て行った。

「瑠璃!」

「瑠璃さま!」

完全に曽茅野氏の姿がみえなくなったタイミングで、3人が駆け寄ってきた。






…To be continued…


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Secre

ベリーさま

> きええええ ソチノミヤ 憎たらしいですねえ!沐浴から戻って来ました。笑

あ、お帰りなさいませ(笑)

> 原作で鴨川に瑠璃を落とす時なんか怖い怖い!綾姫への愛情のカケラも感じない!
> そんな複雑な?!男ですよ〜

ほんと、あそこで瑠璃が死んでたらただの殺人犯ですもんね…
それがいくら絢姫のためとは言え・・

きええええ ソチノミヤ 憎たらしいですねえ!沐浴から戻って来ました。笑
彼はなんだか他の人に意地悪するときに以上に力を発揮しますよね!
原作で鴨川に瑠璃を落とす時なんか怖い怖い!綾姫への愛情のカケラも感じない!
そんな複雑な?!男ですよ〜

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