社会人・恋人編<54>

「・・・素敵なお部屋ですね!」

にっこりと微笑むその顔が初めて見る気がしなくて、あたしは何だか不思議な気持ちになってしまった。

どこかで───

会ったことあったかしら?





─Up to you !Ⅱ─side R <第54話>





「あのぅ、あたしたち、どこかで会ったことない?ほら、あなたも京都の人なんでしょう?あたしも京都の生まれだから・・・」

ソファを勧めながらそう言うと、目の前の女性はプっと吹きだした。

「イヤですわぁ、ナンパのセリフみたいなことおっしゃって。会ったことはないと思います。私、結構記憶力良いから、一度会った人のことは忘れないんです」

「ふぅん・・、そう」

「なので『初めまして』ですわ。こんな可愛い人に会ったら、絶対に忘れるわけありませんもの」

「あら」

思いがけない言葉に知らずに頬が緩んでしまう。

ふふふ、いい子みたいじゃない・・。

「私、大江って言います。小萩さんとは共通の趣味で知り合いました。えぇと・・」

「その辺りの話はもう聞いたわ」

にっこりと言うと、大江も笑い返し

「小萩さんとは運命を感じました。色々、話が合うし住んでる所も近いし、仕事も似たようなものだし・・」

「え?ってことはあなたの仕事は・・」

「はい、家政婦みたいなことしてます」

「へぇ、京都で?もう長いの?」

「はい。元々は母が長いこと住み込みの女中だったので、私、5歳からそのお宅で暮らしてるんです。それで大人になって私もそのまま母と同じ仕事に就きました。雇い主も、身元が分かってるから安心だってことで」

「そうでしょうね。じゃあ今日はお休みをもらって来たのね」

「はい。急だったんですけどね。昨日から奥さまの機嫌が悪くて逃げて来ちゃいました。回りに当たり散らすんですもの」

「ふぅん、それは大変ね」

頷くと、大江は身を乗り出し

「でもねぇ、奥さまの気持ちもわからなくはないんですわ」

とため息をついた。

初対面とは思えないほど心を開かれている気がするけど、まぁ、いいわよね。

「お嬢さまも悪いんですわ。無断外泊なんてするんですもの。旦那さまや奥さまに内緒で東京まで行ったんですよ!」

「へぇ。それはまぁ、親としては怒るでしょうね」

「しかも男性と!もう奥さまはカンカンですわ。今日は朝から東京にいるご子息を呼びつけましてね。きっとそろそろ京都に着いてる頃ではないかしら」

「・・・ご子息・・?」

「えぇ、奥さまご自慢の息子さんなのですわ。他にも息子さんはいらっしゃいますけど、奥さまはその方を一等、可愛がられていらっしゃるのですわ」

「・・あのぅ、大江。聞いてもいいかしら・・?」

まさか、とは思うんだけど・・・

「はい、何でございますの?」

「そのご子息の名前って・・・」

「高彬さまです。高い低いの高いに・・・」

「高彬?!高彬って、あの高彬?藤原高彬?!」

やっぱり!

「あら、ご存知なんですの?」

「・・・・」

ご存知も何も、朝まで一緒に寝てたわよ・・・。裸で・・・

呆然としていると

「高彬さまは、旦那さま、奥さまの期待の星なのですわ。いえ、旦那さま、奥さまだけではありませんわね、家中の使用人も、果ては飼ってる犬や猫まで高彬さまのことが大好きなんです。私の兄なんか、もう高彬さま命で、今日も高彬さまがお帰りになると言う事で、朝から近所の有名なプリン専門店に並びに行ったくらいなんですよ。『若君の好物だ』なんて言っちゃって。妹ながら、気持ち悪くて」

「兄って・・・。ねぇ、もしかして、それって守弥?!」

「あら、兄のことまでご存知なんですの?」

知ってるわよ!あの発注ミス男!

「・・あなた、あの守弥の妹なの・・・」

「はい。イヤなんですけどね」

「あらあら、何やら『友だちの友だちは皆、友だちだ。世界に広めよう、友だちの輪』ですわねぇ。うふふ」

飲み物を持った小萩がソファに座りながら言ったけど、あたしは絶句してしまった。

こんなことってあるんだ!

高彬はともかく、守弥と同じ<友達の輪>に入りたくないんだけど・・

呆然としていると(ピンポーン)とインターフォンが鳴り、立ち上がって確認すると

「───煌?」

画面の中、煌が手を振っていた。






…To be continued…


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Secre

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんばんは。

朝までと言わずいつまでも。
まったくもっておっしゃる通りです!
(私、かなり本気で想像して、結構、幸せな気分の浸っていました(笑))
守弥は絶対に、高彬との出会いを美化しまくってますよね。
でも高彬は、もうすっかり忘れてるんじゃないですかね。
5歳だったと言うことはこの際、抜きにして!

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