社会人・恋人編<50>

「で、何があったのさ、瑠璃さん」

身を乗り出す高彬に、あたしも同じように身を乗り出した。

「高彬って曽茅野美弥とどういう知り合いなの?」

ずばり、聞くと

「曽茅野さん?」

高彬にとっては思ってもみない質問だったのか、ポカンとした顔であたしを見返し───





─Up to you !Ⅱ─side R <第50話>





「そう、曽茅野美弥氏。さっき途中から入って来た時、高彬に会釈してたじゃない」

「あぁ、そうだったっけ・・・」

さほど興味がないようにぼんやりと高彬は言い、あたしは構わず質問を続けた。

「知り合いなんでしょ?」

「知り合いって程じゃないけどね、会ったのは一回だけだよ」

「同じ会社なのに?一回だけ?」

「うん、もう一年も前になるかな、出張でシンガポールに行ったことがあるんだよ」

「高彬が?」

「うん」

「ズルい。あたしも行きたい」

「いつかは、また行く用も出来るよ。・・で、その時に会ったってわけさ。会ったと言っても、支店に寄ったっ時に挨拶した程度だよ。曽茅野さん、良くぼくの顔、覚えてたよなぁ。店入って来た時、ぼくだって、あれ?この人って確か・・ってぼんやりと思ったくらいだったのにさ」

高彬は感心したように言っていたけれど、あたしは(うーむ)と腕を組んだ。

「・・・向こうが高彬を良く覚えてたのって偶然なのかしら?」

「・・と言うと?」

ようやく興味が出てきたのか高彬から質問が飛び出し、あたしは高彬に言わずにいたこと───

鷹男から<社内に高彬のことを良く思ってない人がいる>と聞いたこと、会社の帰りに鷹男と曽茅野氏を見たことや、その時に2人の様子のことを話すと

「どうして、この間の時に話てくれないんだよ」

高彬はムスッとした顔で言った。

──そういう顔すると思ったから言えなかったのよ・・

と言いたかったんだけど、ここで高彬の機嫌を損ねても面倒なので

「曽茅野って人が同じ会社だなんて知らなかったし、まして2人が親戚だなんて思わないし、それに、ほら仕事が出来る人って妬まれることもあるでしょ?、だから、まぁ、わざわざ高彬の耳に入れる程のことでもないのかと思って・・・」

嬉しがらせを混ぜて言ってみたのに、高彬は喜ぶどころか、ますます不機嫌そうに顔をしかめている。

「瑠璃さん、ぼくに内緒で鷹男チーフと<打ち合わせ>なんてしてたんだ」

「・・・・」

心の中であたしは、がっくりと肩を落とした。

やっぱり、そこ、突っ込んでくるわよねぇ・・・

だから言いたくなかったのよ。

「ぼくとは<捜査会議>で、鷹男チーフとは<打ち合わせ>。瑠璃さんも忙しくて大変だね」

イヤミな言い方にカチンとくる。

「打ち合わせって言っても一回だけよ。怪しいと思って、2回目はきっぱり断ったわよ」

「怪しくなかったら、2回目もやってたんだ」

「仕方ないじゃない。動画を投稿した人物に当てがあるなんて言うんだもん。真相を突き止めたいじゃない。別に<打ち合わせ>を楽しんでたわけじゃないわよ」

「どうだかね」

「・・・・」

何よ、その言い方。

ふん、とあたしは鼻を鳴らした。

「高彬だって、仁菜子さんや煌とか、回りに美人ばっかりで、結構なことじゃない」

「は?」

「あたしなんて、マンションの管理人のおじさんしかいないんだから」

「はぁ?管理人のおじさん?・・何、言ってるんだよ、瑠璃さんは・・」

「それにそうよ!」

あたしはドン!とテーブルを叩いた。

「あんた、自己紹介で趣味は『読書とドライブ』なんて本当のこと言ってたわね」

「・・・」

「新しい出会いでも求めてるんじゃないの?」

「そ、そんなことはないよ」

高彬は慌てたように言い

「どうだか」

形勢逆転とばかりに、ふん、と腕を組んでやると、少し黙っていた高彬が、またしても身を乗り出してきた。

「瑠璃さん。ぼくたちは同じ謎を追う捜査チームなんだろ」

「・・そうだけど」

「こんな言い争いをして、絆が危ういと思わないか」

「・・・」

「早急に絆を深める必要がある」

「・・はぁ?何を言って・・・・、ちょ、ちょっと!・・・何するのよ!」

立ち上がった高彬が回り込んできたと思ったら───

抱き上げられてしまった!

しかも、お姫さま抱っこじゃなく、肩よ、肩!

またしても肩に担がれてしまい・・・

だからあたしは米俵じゃないんですからね!

「こらー、下ろせー」

背中を叩いてやったのに、高彬は笑うばかりで、そのままあたしは寝室へと運ばれてしまったのだった・・・





…To be continued…


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Secre

ありちゃんさま

ありちゃんさん、こんばんは。

> 絆を深めるとか言って、〈打ち合わせ〉を楽しんだ瑠璃に(瑠璃本人は楽しんでないけど)お仕置きする気でしょう??(゚∀゚)
> で、高彬自身は他の女性が目に入ってないってことを、瑠璃が納得するまで刻み込むつもりなんでしょう?(゚∀゚)

有能な人は何だかんだと自分のペースにもちこみますよねぇぇぇ。

> 読者サービスですね?

いえいえ、そんなサービスだなどと、大それたことではありません。
あくまで、わたくし瑞月めの「しゅ・み」でございます(笑)

> ウェルカムでございます。(*≧∀≦*)

一緒に楽しんでいただけるのでしたら嬉しいです(*^^)v

そう来たかっ!

瑞月さん こんにちは〜。

高彬 そう来ましたかぁ。
絆を深めるとか言って、〈打ち合わせ〉を楽しんだ瑠璃に(瑠璃本人は楽しんでないけど)お仕置きする気でしょう??(゚∀゚)
で、高彬自身は他の女性が目に入ってないってことを、瑠璃が納得するまで刻み込むつもりなんでしょう?(゚∀゚)

読者サービスですね?
ウェルカムでございます。(*≧∀≦*)
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