社会人・恋人編<47>

「連絡先って言われても・・・」

「ぼく、そうしたら全面的にお二人に協力します」

「・・・・」





─Up to you !Ⅱ─side R <第47話>





「じゃあ、連絡先教えてもらえなくてもいいです。これを・・」

返事をしないあたしに業を煮やしたのか、政文は手帳の切れ端に自分の名前と連絡先を書きつけると

「これを小萩さんに渡してくれるだけでいいです。連絡くれるかどうかは小萩さんが決めてもらって・・・」

差しだされた切れ端を前に、あたしは(ふむ)と考え込んだ。

この切れ端くらいなら渡してやってもいいかな。

小萩だって良い人欲しそうにしてたし、とりあえず高彬の家の使用人と言うことで、身元ははっきりしてるわけだし。

それに、これで政文を完全に抑えることが出来るんなら、悪い話じゃないかも知れない。

「わかったわ」

あたしは切れ端を受け取った。

「小萩に渡すだけは渡してあげる。だたし、小萩から連絡が行くかどうかの保証はできないわよ」

「ありがとうございます!」

「じゃあ、今後、あたしを見張ったりしないでね」

「もちろんです。その代わりと言ってはなんですが・・」

「何よ」

「小萩さん情報を少し・・・」

政文は指先で<ちょっと>を作り、へへ・・なんて笑っている。

「・・・・」

ちゃっかりしてるわねぇ。

横目で軽く睨んでから

「えーと、そうね。小萩は一言で言うと、いわゆる女子力の高い子よ。料理の腕前も確かだし、お菓子作りも得意」

「最高ですね」

「後は・・・」

愛読書はハーレクインロマンス・・・と言い掛けて、これは一応、伏せておこうと思い直す。

「読書もするみたいだし、・・まぁ、家事全般は得意よ。性格もいいし」

「理想です」

「仕事は、あなたと似たようなものね」

「と言うと・・」

「うちの古くからの住み込みのお手伝いさんて言うのか、あたしのお世話係りって言うか。勤務態度は極めて良好で両親からの信頼も篤いわ」

「言う事ないです」

政文は親指を立てながら何度も頷き、そうして

「で、あのぅ、彼氏の有無とか、理想の男性像とかは・・・」

「うーん、どうだったかしらねぇ。その辺りはあたしがあまり言う事じゃないと思うわ。機会があったら本人に聞くべきよ」

あまり期待させてもいけないし、まぁ、このくらいにしておこうと思っていると、店のドアの開く音が聞こえた。

何となく目を向けると男性客が入って来て、視線を政文に戻そうと思ったところで

(え)

と、また男性客に戻ってしまった。

男性客はまっすぐにあたしたちのテーブルに来たと思ったら、一つだけ空いていたイスに腰を下ろした。

「・・・・」

この人・・・

鷹男の車の助手席に座ってた人だわ。

どうしてここに・・、と言うか、誰なのよ。

男は遠くに座る鷹男にも会釈をし、そうして視線を一巡させテーブルの顔ぶれを確認すると、あろうことか高彬に対しても軽い会釈を送った。

高彬も驚いた顔をしつつも会釈を返しており

(何、何、何)

とあたしは一人で勝手に取り乱してしまった。

高彬、この男と知り合いなわけ?

この間、高彬の部屋で捜査本部を立ち上げお互いの情報を持ち寄った時、あたしは鷹男とこの男の会話だけは言わないでおいたのよ。

あたしの聞き間違いと言う事もあるし、それに高彬って鷹男がらみのこととなるとムキになるから、はっきりしたことが判るまで言わないでおいた方がいいと言うような勘が働いた、と言うか。

でも、高彬がこの男を知ってるなら話は別だわ。

これは早急に捜査本部で打ち合わせをした方がいいかも知れない・・・

「はーい、皆さま。男性が一人遅れての参加となりましたので、自己紹介をしていただきましょう」

煌の音頭で男は立ち上がった。

何とも優雅な身のこなしで、日本舞踊をやってるなんて言われたら納得するような感じの所作だった。

「遅くなり申し訳ありません」

13人の視線が集まっていると言うのに動じず、むしろ物馴れた口調で、回りを見回すと柔らかい微笑を浮かべて見せた。

「曽茅野美弥、と申します。美弥と言う名前から、うら若き女性に良く勘違いされるのですが、見ての通りの男です」

テーブルから小さな笑いがおき、曽茅野美弥と名乗る男の自己紹介は続いた。






…To be continued…


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