社会人・恋人編<40>

「ねぇ、高彬、驚かないで聞いて欲しいんだけど」

身を乗り出し、さっき高彬がしてたみたいにテーブルの上で手を組む。

不審そうな顔で見返してくる高彬に向かい、あたしはおもむろに───





─Up to you !Ⅱ─side R <第40話>





「高彬、ネットの動画って知ってるでしょ?」

「・・もちろん」

「それってね、企業が流す商業用のものと、素人が趣味で投稿するものがあるのよ。ほら、いわゆるオモシロ動画って言うか」

「・・・・うん」

「でね、中にはその投稿が元で、プライバシーの侵害とかおふざけが過ぎて訴えられちゃう人もいたりするの。つまり、かなり節操のない動画も出回ってるって言うか・・ね。判る?」

「・・・」

話すうちに段々と高彬の口数が少なくなり、更には眉間に皴が寄って行き、やっぱり高彬にあの動画の話をするのは刺激が強すぎるかしら?と躊躇していると、高彬が眉を上げ、そうしてゆっくりと腕を組み始め

「瑠璃さん、ネチネチ言ってないではっきり言ってくれよ」

さっきのあたしの言葉を真似て言ってきた。

「いい?言うわよ?」

「いいよ」

「驚かないでね」

「多分、驚かない」

高彬はどう言うわけだか自信満々に言い、更には肩をすくめて見せた。

「何とね、驚いたことに、あたしとあんたの映ってる動画がアップされているのよ!」

「京都の時のだろ」

「そう、京都・・・・・・って、どうしてあんたが知ってるのよーーーっ!」

びっくりし過ぎて思わずイスから立ち上がると

「まぁ、落ち着いて、瑠璃さん」

高彬はあたしに座るように手で制し

「その動画のことなら知ってるよ」

思ってもみないことを言い始めた。

「いつから!いつから知ってるの!」

そうして2人で情報を出し合ってみると、高彬はあたしが知るより先に、その動画の存在を知っていたということが判った。

「どうしてそういう面白いことを、すぐに教えてくれないのよ」

「面白いことって・・・。瑠璃さんが知ったら嫌がるかと思ったんだよ」

「そりゃイヤだけど。でも、それよりも誰が何の目的でやったかが気になるもの。あたしなんかそれで、あの発注ミス男に、あたしの仕業だと疑われたんだから。『若君との結婚を企んでるのではないですか?』なんて言っちゃって」

守弥のことを持ち出すと、高彬は見る見る顔を歪めた。

「まったく守弥の奴・・、勝手に瑠璃さんに連絡取るなんて。・・でも、どうして瑠璃さんもすぐに言ってくれなかったんだよ」

「高彬の実家、色々大変そうだし、わざわざ面倒なこと耳に入れる必要ないと思ったのよ。あたし一人でどうにか出来たら、それでいいかなって」

「ふぅん・・」

高彬はどこか面白くなさそうに鼻を鳴らし、何だか雲行きが怪しくなってきたので

「ねぇ、高彬」

あたしは慌てて言葉を繋いだ。

「2人でこの動画をアップした人を突き止めない?」

「え」

「気にならない?」

「そりゃ、なるよ」

「でしょ?突き止めましょうよ」

ふむ、と言いながら高彬は腕を組み、しばらく何事かを考える素振りで黙り込むと

「まぁ、確かにこのままにしとくってわけには行かないよな・・」

「そうよ」

「この写真のことも気になるし・・」

「ね?でしょ?」

「そうだな、瑠璃さんに陰でこそこそ一人で何かされるより・・・」

ぶつぶつと呟いたかと思うと、最後には頷いてみせた。

「じゃあ、今日からここが捜査本部ね。あたしたちは捜査官、スペシャルエージェントよ」

「瑠璃さん、楽しんでるだろ」

「ちょっとね。刑事ものとか、FBIのドラマ好きで、一度やってみたかったの」

「とにかく、誰がやったか判らないんだから単独行動は止めてくれよ。動画にしろ写真にしろ、ただのイタズラにしては手が込んでる気もするし」

「わかってる」

うーん、何だか力が漲って気力が充実してくる気がするわ。

まずはどの辺りから探って行こうかしら・・・

「そうだ、あのさ・・・瑠璃さん」

あれこれ考えを巡らせていたら、急に高彬が気弱そうな声でオズオズと話し掛けてきた。

「なぁに」

「そのぅ・・・」

「何よ」

「今度、合コンをしようかと思ってるんだけど・・・、その・・・いいかな」

「・・・・」

「ぼ、ぼくが出会いを求めてるわけじゃないよ、ほら、前に話しただろ。刺客を送られて・・・」

「高彬」

あたしはおもむろにイスから立ち上がると

「席、代わりましょ」

「席?」

「そっちが取り調べをする方の席よ。で、こっちが取り調べを受ける方の席」

「・・・」

席を入れ替わって、あたしはまたしてもテーブルの上で手を組んだ。

「さ、その合コンとやらの詳細。詳しく聞かせてもらえるかしら」

「・・・・」

高彬はゴクン、と唾を飲み込んだのだった。






…To be continued…


行動力抜群ではねっ返りのお転婆娘と、冷静で腕も立つ堅物の有能エリート、原作ではついぞ実現しなかった向かうところ敵なし!の最強コンビに、クリックで応援をお願いいたします。
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Secre

ありちゃんさま

ありちゃんさん、こんばんは。

> 拍手SSに掲載されてた「弁護士」なんかもこんな感じ?
> 刑事ものもイケそうです!

はい、そんな感じです!
2人がペア組んだら、最強だし楽しそうですよね。
突っ込んでいく瑠璃と、それを冷静にフォローしつつ、でも実は自分も突っ込んで行ってしまう高彬。

> いやあ、今の会社でも絶対いい仕事してますよね!

もちろんです!(^^)!

> どれもこれも楽しみですが・・・無理はしないでくださいね。

ありがとうございます。
無理せず書いて行こうと思います。

ベリーさま

ベリーさん、こんばんは。

> 待ってました!見て見たい、ぜひ!
> 楽しみです(^◇^)

ありがとうございます!ぜひ、お付き合いください~(*^^)v

藍さま

藍さん、こんばんは。

> やったー!!
> ついに、ついに原作でなしえなかったこの二人のコンビが!!

この二人がコンビ組んだら最強なのに!っていつも思ってました。
なのに、瑠璃ったら鷹男や守弥としか手を組まなくて。

> 一緒に捜査なんて“悲願達成”と言って過言でないです(笑)

たいした捜査にはならないかもしれませんが、2人で協力したらい、時にはらぶポカになったりしながら(笑)謎に染まってもらいたいと思っています。

> モーミ(リ?)ン谷に生息するあの人でした(笑)

モーミン谷!(笑)
♪ねぇ、モーミン、あっち向いて♪って感じですよね~。こっち向かないでいいから(笑)

またお付き合いくださいませ!

ワクワクします!

瑞月さん おはようございます。

正に、向かう所、敵なし!最強コンビでございます!
拍手SSに掲載されてた「弁護士」なんかもこんな感じ?
刑事ものもイケそうです!

いやあ、今の会社でも絶対いい仕事してますよね!
鷹男が部下に欲しがるわけだ。うん、うん。(←あくまでも鷹男は引き立て役)

どれもこれも楽しみですが・・・無理はしないでくださいね。

待ってました!見て見たい、ぜひ!
楽しみです(^◇^)

最強コンビ誕生!

やったー!!
ついに、ついに原作でなしえなかったこの二人のコンビが!!
そりゃもちろん、高彬は最後にいいとこ見せてくれますが、
文字通り本当に最後の最後なんですもん・・・。
一緒に捜査なんて“悲願達成”と言って過言でないです(笑)

そして発注ミス男・・・。
一瞬瑠璃と高彬の会社の誰かかな?と思っちゃいましたが、
モーミ(リ?)ン谷に生息するあの人でした(笑)

最強コンビの二人がこれからますます楽しみです♪
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