社会人・恋人編<9>

「オオカミから逃げられると思うなよ」

そうにやりと笑うと───

高彬はあたしのセーターの下から手を差し入れてきて・・・






─Up to you !Ⅱ─side R <第9話>






「ちょ、ちょっと!高彬、待ってよ。こ、こんなとこで・・・やぁよ」

必死に身をよじるのに、高彬に乗られた身体はびくりとも動かない。

明るいし!ソファだし!

シャワーも浴びてないし・・・

「ねぇってば!」

侵入してきた手を拒みたくても、まるでそれを封じるかのように両手を押さえ付けられていて、このまま行ったら「恋人の時間」一直線ではないの!

もう、こうなったらアレを使うしかないわ。

伝家の宝刀『止めてくれなかったら、もうしばらくここには来ないからー』よ。

これが高彬には案外、効くんだから。

大きく息を吸い込み

「止めてくれな・・」

そこまで言ったところで、何と言う事!唇を塞がれてしまったではないの。

手も足も、更には言葉すら出ないとはこのことで、喉の奥で(うぅうぅ)唸りながらも、あたしは密かに首を捻った。

おかしいな、普段、ここまで強引なことをする人じゃないのに・・・

───と。

ふいに身体が楽になったと思ったら

「オオカミの怖さがわかっただろ?」

上から声が落ちてきた。

「え」

「男がさ、本気で抑え込んだりしたら、瑠璃さんなんか手も足も出ないってこと」

「・・・・」

「瑠璃さんは少し男を甘くみてるところがあるからね」

「・・・・」

「と言うわけで、送り迎えはぼくがする」

「う、うん・・」

なるほど。

オオカミの怖さを思い知らせるために、実地でやってみせたってわけ。

何とも手の込んだ、ある意味、迫真に迫る演技で、何となーくだけど、笑いの粒みたいなものがお腹からこみあげてくる。

おかしいの、高彬って。

捲れ上がったセーターを直し、ソファに座りなおそうとしたところで、高彬と目が合った。

にっこりと笑い掛けてくる。

釣られてにっこりと笑い返したら、あれよあれよと言う間にまたしてもソファに押し倒されてしまい

「え?え?」

と言ってるうちに、キスをされてしまった。

さっきのとは違う優しいいつも通りのキスで、それはいいんだけど・・・

結局「恋人の時間」一直線なわけーーー?!

怖いオオカミも、優しいオオカミも、オオカミはオオカミじゃないのさーーーー。

───そんなわけで、赤ずきん瑠璃ちゃんは明るいソファの上で、高彬オオカミに美味しくいただかれてしまったのでした・・・・



*******



・・・・何だかねぇ、最近のあたしたちはちょっと節操がないのよ。

いや、あたしたち、じゃないわね。高彬よ、高彬。

もう何だかすぐにそういう流れになってしまうし、でも、どうなのかしら?付き合って一か月の恋人同士なんてこんなものなのかしら・・・

「口に合わない?瑠璃ちゃん」

高彬とのあれこれをぼんやりと回想していたら、ふいに声を掛けられて、あたしは我に返った。

窓の外には東京の綺麗な夜景が広がり、前では今上チーフこと、鷹男が白い歯が輝かせながらにっこりと笑っている。

そのうち、歯磨き粉のコマーシャルにでも出るんじゃないのかしら・・・

そう思わせるくらいにスーツも笑顔も、ついでに言うと掲げたグラスの角度もばっちり決まっていて、あたしはまじまじと見てしまった。

確かにもてるわよ、この見た目だもの。

実際、他のテーブルからチラチラと鷹男を見てる人がいる。

「あ、いえ。美味しいですよ」

「敬語はなし、だろ。瑠璃ちゃん」

「・・・」

グラスを置きながらあたしは曖昧に頷いた。

あたしとしては、お茶か軽めのランチくらいで済まそうと思ってたんだけど、またしても、そうは問屋が卸さなかったのが鷹男だった。

三ツ星だか四つ星だかのレストランを予約されてしまい、それを伝えた時の高彬の苦りきった顔と言ったらなかった。

「・・・今度、一緒に行けばいいじゃない。あたしが奢るわよ」

「そういうことを言ってるわけじゃないよ」

じろりと睨まれてしまい・・・

いけない、いけない。

またしても高彬のことを考えてしまいそうになり、あたしは歯磨き粉の宣伝男、じゃなかった、鷹男に目を戻した。

色々、聞きたいことがあるんだもの。

有意義な時間にしなきゃ。







…To be continued…



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「ただいま、瑠璃姫が仰せられたことに、つけ加えるべき言葉は、ひとつもないように思われます」
 ※私もそう思いまーす。


*********

「特選ジャパネスク名(迷)言集」募集中です!
これは、と思う言葉がありましたら、どしどしお寄せ下さいませ。
「読者さま選」と言う形でご紹介させていただきます。
小説ジャパネスク限定と言う事でお願いいたします。
また、私の一言コメント(突っ込み)を付けてのご紹介となりますので、ご了承ください。

*********


(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

非公開さま(Aさま)

Aさん、こんばんは。

オオカミ高彬、一体どんなアメとムチに実地指導をしたのやら・・。
鷹男は何だかしぶとく付きまといそうですよね~。
名(迷)言集、ありがとうございます!お預かりいたしますね~(*^_^*)

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非公開さま(Mさま)

Mさん、こんばんは。

オオカミ高彬、一体どんな風に赤ずきん瑠璃ちゃんをいただいちゃったんでしょうね。
妄想が止まりません(笑)
付き合って一か月の恋人同士ですもの、これくらいは普通ですよねーーー!
瑠璃もだんだんと、でもしっかりと高彬色に染まっていってますし(#^.^#)
>「芸能人は歯が命‼」
鷹男なら言いそうですね(笑)
名(迷)言、ありがとうございました!お預かりいたしま~す。

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