<原作オマージュ>5~原作一巻より 

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は原作のあるシーンを高彬目線で書いていますのでネタバレとなっています。
原作未読の方はご注意ください。
          
          




***<原作オマージュ>5~原作一巻より***








二の姫からの文を前にぼくは考え込んだ。

二の姫の文の内容は、ぼくからの文へのお礼と、そこはかとなくだけれど縁談への前向きな姿勢が綴られているのだ。

確かに少し前、ぼくは二の姫との縁談を父上、母上から勧められている。

だけど、その話はきっぱりと断っている。

もちろん文なんか一度だって送ってはいない。

なのに、どうしてこんな文が送られてきたんだろう。

きちんと断ったはずなのに・・・・

いや、待てよ。

断ったと言っても、二の姫に直接断ったわけじゃない。

ぼくが断ったのは、父上と母上に、だ。

「・・・・・」

何かが繋がった気がして文を握りしめると、ぼくは部屋を飛び出した。




********




「若君、どちらへ」

渡殿の途中ですれ違った守弥に声を掛けられたけど、無視して歩を進める。

向かうは寝殿だ。

亥の刻をとうに過ぎているとはいえ、お祖母さまが倒れたともなれば、父上、母上もまだ起きているだろう。

寝殿に近づくと、案の定、格子から明かりが漏れている。

近づくと、人の話し声が聞こえ、どうやら父上、母上のものらしかった。

二人揃っているのなら、好都合だ。

「父上」

先導の案内もあらばこそ、そのまま部屋に入って行くと、二人揃って顔を向け、次いでびっくりしたような表情を浮かべた。

「おぉ、高彬」

「まぁ、高彬さん」

二人の声が重なり、これまた二人して相好を崩している。

大貴族ともなれば、いくら家族とは言え、そうそう顔を合わすわけではない。

父上のことを宮廷内で見かけることはままあるけれど、母上とこうして顔を合わせるのは久しぶりで、まして、ぼくから寝殿に出向くなんて本当に珍しくて、前に出向いたのがいつだったかぼく自身覚えていないくらいだ。

「どうした、おまえから訪ねてくるなんて、珍しいこともあるものじゃのう」

父上が嬉しそうに言い、隣の母上もにこやかな笑みを浮かべている。

「衛門佐としてのおまえの評判は聞いておるぞ。わしも鼻が高くてのぅ。何か仕事で困ってることはないか、ん?」

「仕事で困ったことはありません」

「そうか、そうか」

「ただ、ちょっとお聞きしたいことがあり、こうして伺いました」

「さて、何だろう。高彬から聞きたいことがあるなど楽しみじゃのう、北の方」

「えぇ、えぇ、本当に」

母上は気持ち、前に身体を乗り出し、万全の聞く体勢を取っている。

後ろでカタンと妻戸の揺れる音がして、きっと守弥の奴だな、と見当を付ける。

ぼくの様子が気になって立ち聞きしてるに違いないのだ。

「今日、兵部卿宮の二の姫から文が届きました」

ぼくは二人の前に、ずいと文を差し出した。







<原作オマージュ6へ続く>


今年は台風が多くて嫌ですね。

台風10号の進路の該当地域にお住いの皆さん、くれぐれも気を付けてくださいね。


(←お礼画像&SS付きです)

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