***短編*** 白梅の君にとらわれて~after *** 

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』





             注)蘇芳さまからのgift「白梅の君にとらわれて」の続きの話です。
               蘇芳さんにお許しをいただき「返歌」ならぬ「返話」を書かせていただきました。               
               高彬目線のお話です。
               多少、セクシャルな表現がありますので、苦手な方はご注意ください。
               
              






***短編*** 白梅の君にとらわれて~after ***










瑠璃さんの手を引き部屋に戻ると、ちょうど小萩も部屋に入ってきたところで、よっぽど心配していたと見え、瑠璃さんの顔を見ると心底ホッとしたようなため息をついた。

「姫さま・・・、ご無事で何よりですわ。あちこち探してもいらっしゃらないので気を揉んでおりました。・・・ありがとうございます」

最後の言葉はぼくに向って言い、深々と頭を下げる。

「小萩。子猫はね、白梅の木の上にいて下りられなくなっていたのよ。ほら、西側の庭の方にあるじゃない、白梅が。可哀想に、あの木の上で鳴いていたの」

「はぁ、木の上に・・・」

ぼんやりと相槌を打った小萩は何かひらめいたのか、ぎょっとして顔色を変えた。

「まさか、姫さま・・・」

「そうよ、あたしが上って救出してあげたってわけ。木登りなんて久しぶりだしどうなることかと思ったけど、まだまだ、あたしも捨てたもんじゃないわよねぇ・・ふふふ」

自分に都合の悪いところはばっさりカットして説明し、その顔はどこか誇らしげで、まるで武勇伝でも語っているかのようである。

「・・・・・・」

まったく、瑠璃さんは・・・

ぼくは心の中でため息を付いた。

さっきの「反省してる」の言葉はどこへ行ったんだよ。全然、反省してないじゃないか。

───これはまだまだ反省を促す必要があるようだな。

やがて日も暮れ始め、女房らが下がって行きぼくたちは2人きりになった。

御簾を上げたままの部屋で、瑠璃さんは立ったまま外を見ており、視線の先には、まだわずかに夕暮れの気配を残す空に浮かぶ三日月があった。

随分と低い位置に見えており、しばし瑠璃さんに倣い黙って月を見て、時を待つ。

ようやく瑠璃さんは満足したのか顔をこちらに戻したので、ぼくは黙って御簾を下げ、燈台の灯に「ふっ」と息を吹きかけた。

「え」

突然暗くなった部屋に、驚いたような小さく声を上げる瑠璃さんの手を取り引き寄せる。

「さぁ瑠璃さん」

「何・・・」

「いいから座って」

さっき、梅の木の下で取ったのと同じ体勢で座らせる。

「瑠璃さん、反省してないだろ」

暗い部屋には御簾越しに釣灯籠の柔らかい灯りが入り込んできており、瑠璃さんの丸く見開いた目がよく見えた。

「・・・してるわよ」

「いいや、さっきの小萩への説明を聞いた限り、そうは見えなかったな。少しばかり瑠璃さんには・・・・お仕置きが必要のようだね」

「え・・・・」

何か言いかける瑠璃さんの唇に指を当て封じると、ぼくは瑠璃さんの長い髪を両手で後ろに流した。

露わになった細い首筋に、すばやくさっきと同じように接吻をすると、瑠璃さんはふいをつかれたように肩をすくめ反射的に身体をよじった。

肩に手を置き立て続けに首筋に軽い接吻をしてやると、くすぐったさに耐えられなくなったのか、瑠璃さんはくすくすと笑いだし、それにも構わずに接吻を続けると、じきに瑠璃さんは静かになった。

こくり、と瑠璃さんの喉が上下し、やがて唇から密やかな吐息が漏れ出す。

丹念に、執拗に、接吻をくり返していると、瑠璃さんの両手がぼくの背に回され、ギュッと衣を掴んだ。

顔を上げ瑠璃さんの顔を見ると、その目は心なし潤んでおり、物言いたげに唇は開かれている。

「・・・・・・」

目は口ほどに物を言う───

瑠璃さんが言いたいことは判っている。

瑠璃さんはぼくの次の動作を待っているのだろう。

だけど───

「お仕置きって言っただろ?」

顔を覗き込み言うと、瑠璃さんの目に困惑と羞恥の色が浮かび、小さく唇を噛んだのは、ぼくへの抗議だろうか。

耳を甘く噛み、首筋に唇を這わせ執拗に接吻をくり返すと、瑠璃さんの吐く息はもう隠せないほどに熱くなってきている。

「高彬・・・」

目も唇も潤み、そっと指先を滑り込ませて確認すると───瑠璃さんの全身が潤んでいた。

じらして、とらえて、請わせたい。

「・・・・・」

強くそう思っているのに、身体が言うことを聞かなかった。

気が付けば瑠璃さんを組み敷き、むさぼるように衣裳を剥ぎ取っていた。

脚を広げさせ顔をうずめると、瑠璃さんは悲鳴にも似た短い喘ぎ声をあげた。

だけど、それはどこか歓喜の声にも聞こえて、またしても敗北したことをぼくは知る。

じらしたつもりが、じらされ──

とらえたつもりが、とらえられ───

請うているのは、やっぱりぼくの方なのだった。

瑠璃さんの潤いが、ぼくの全身を絡めて行く。




*********************




「あぁ、こんなところに・・・!」

翌朝、瑠璃さんの大騒ぎする声で目が覚めた。

何事かと寝返りを打つと、隣は空っぽで、瑠璃さんは鏡台の前にぺたんと座りこんでいる。

「・・・おはよう。どうしたのさ、瑠璃さん・・・」

上体を起こし声を掛けると、瑠璃さんはキッと振り返り睨みつけてきた。

「どうしたじゃないわよ。ほら、これ」

そう言って髪を持ちあげ、首をぐいと見せつける。

寝ぼけまなこの目を近づけると、瑠璃さんの首筋には赤い印がいくつもあり───

「あぁ、昨夜のか・・」

「どうしてくれるのよ、こんな目立つところに。小萩や早苗に何て言われるか」

「・・・ごめん」

頭を下げると、昨日の今日のことで、瑠璃さんは立場逆転とばかりに

「反省してる?」

と、鬼の首を取ったかのように言って来た。

「してる」

「本当に?」

念を押され、ぼくは昨日の瑠璃さんを真似て何度も首を縦に振る。

「反省してます」

殊勝気に俯いて見せると、瑠璃さんは満足そうに頷き、昨日からの逆転勝利を確信したように「ふふん」と鼻を鳴らした。

そうしてすぐに鏡台に向き

「髪で隠せるかしら・・・、おしろいでも叩けば・・・」

なんて呟いている。

そんな瑠璃さんを見ながら、ぼくは密かに笑いを噛み殺した。

瑠璃さんは知らないのだ。

赤い印は首筋だけじゃないってことを。

瑠璃さんが自分じゃ絶対に見れない場所にもあるってことだ。

瑠璃さんは昨夜、夢中で、それを付けられたことに気付いていなかったようだけど。

「もう、本当にいやになっちゃう。あんたって夢中になると後先考えないところがあるんだもの・・・」

鏡を覗き込みながら、瑠璃さんは昨日まさしくぼくが言った言葉でぶつぶつ文句を言っている。

首筋の赤い印ごときで大騒ぎして、ぼくに謝らせ、そして夫を打ち負かした気でいる瑠璃さんがぼくは可愛くてならない。

「困るのはあたしなんですからね、判った?」

振り向いた瑠璃さんの顔があまりに可愛くて、たまらず頬を指でつつくと

「何笑っているのよ。反省が足りないようね」

瑠璃さんがツンと顔をそむけて見せた次の瞬間、外から「ミャア・・・」と言う猫の鳴き声が聞こえてきた。

「あ」

言うなり瑠璃さんは立ち上がり、妻戸を開けると、猫の姿を探している。

ぼくが笑ってる本当の理由を瑠璃さんが知ったら、それこそ大騒ぎになるから絶対に内緒だけれども───

木の上の子猫を放っておけなかったり、案外簡単に反省をしたり、かと思うと強気になってみたり。

そうして、ぼくの下で甘やかな喘ぎ声をあげたり。

──とにもかくにも、ぼくの妻は可愛い人なのである。





<終>



明日はバレンタインデーと言うことで『らぶポカキャンペーン』の第二弾です。

蘇芳さんにお話を贈っていただいたことによって書けたお話です。

蘇芳さん、返話を快諾いただきありがとうございました。

第三弾は、以前、拍手ssで書いた社会人編の「ifバージョン」の続きの話を予定しています。

暖かくなる前にはアップ出来たらいいなぁ・・と思っています。(別館でのアップになるかも知れません)

さて、社会人編ですが、強引な鷹男やおてんばで勝気な瑠璃、更には過干渉な守弥などの登場で、しばらく高彬には受難の日が続きそうな気配ですが、それでも、最後のおいしいところは、ぜ~んぶ高彬がかっさらっていきますので!

私事ですが、もうじき子どもたちが卒業で、卒業対策委員をやっているので、それがらみの打ち合わせが増えて少しずつ忙しくなってきました。

がんばって社会人編も更新しつつ、『らぶポカキャンペーン』の方もアップしたいと思っていますので応援よろしくお願い致します。

皆さんからのコメントや拍手は、とても励みになっています。

いつもありがとうございます。

バレンタインデー、射止めたい「本命」もおらず、お世話になっている方への「義理」もなく、かといって「友チョコ」を配り合ってキャッキャと喜ぶような年齢もとっくの昔に通り過ぎた身としては、かなり重要度の低い行事になってきました。

かてて加えて、私はチョコがあまり好きではないので、自分へのご褒美的なチョコの楽しみもなし・・・。

皆さまは、どうぞ素敵なバレンタインを!


瑞月


(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんにちは。

高彬の命令口調ってどうしてあんなにいいんでしょうね?!
普段、丁寧な人だから?可愛げのある人だから??
うーん、これで記事がひとつ書けそうなくらい奥深いテーマですよね。
バレンタイン、世間の若者の間ではどれくらい盛り上がってるんでしょう?
本当にこの日をきっかけに付き合いだした人っているのかなぁ・・

蘇芳さま

蘇芳さん、こんにちは。

こちらこそ返話を書かせていただきありがとうございます。
蘇芳さんのお話読んだ時から「続きは後で」が、もう気になって気になって(笑)
お話の続きと言うのは妄想が沸きやすく(?)とても楽しく書くことが出来ました。
蘇芳さんのおかげです<m(__)m>
またぜひお願いしたいですので、機会がありましたらよろしくお願いいたします。

非公開さま(Yさま)

Yさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
「恋は奪う方が燃えるもの」は本当にラテン鷹男(笑)が言いそうですね!
もしかしたら台詞を頂いて言わせちゃうかも知れません。
高彬にこそ燃えて欲しいものですよね(^_-)-☆

非公開さま(Rさま)

Rさん、こんにちは。

昨日は全国的に暖かい(暑い?)バレンタインでしたね。
でも今日からまた寒くなるようですし、次回はもう少し濃い感じの話をアップしたいと思っています(*^_^*)
バレンタインは、本当に年々興味がなくなってきました(笑)困ったものです(;一_一)

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No title

瑞月さまこんばんは(^^)蘇芳です。

返話のお話をいただいてから楽しみにしていました。素敵なお話ありがとうございます(*^^*)

『白梅の~』その後もうもう甘々で心の中で何度キャーと叫んだことか(笑)高彬は本当に続きを堪能してましたね(≧▽≦)タイトルのとらわれてもお話の中に入っていて幸せです~。

高彬優勢かと思いきや瑠璃が可愛くて仕方ないからやっぱり劣勢なのか…どちらにしてもラブラブな二人いいですね♪

小萩に得意そうに話す瑠璃可愛いです(^^)でもその為にお仕置きが…キスマーク付きで(^^;

私にとってまだ二作目の話を載せていただいてさらに返話まで感謝感激です!!

学校の役員のお仕事もあるとのことお体にはお気をつけくださいませ(^^)


Rさま、こんばんは。前のコメントの追記です。

急に出てきた私にも感想を下さりありがとうございました。作品もこの度が二作目で誰?って感じでしたよね。瑞月さまのお話に別のHNでコメントを出させていただいていた者です。

Rさまのおかげでまた作品を作る勇気が出ました。ありがとうございました(^-^)

インフルエンザなども流行っています。お体にはお気をつけくださいませ(^^)

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