夏姫

夏姫。

高彬のことを幼い頃から好きだったと言う夏。

小説では最後まではっきり好きとは認めずに去っていきましたが、実は高彬にだけは告白していたのではないか・・・と考えています。

なぜかと言うと「瑠璃姫にアンコール!」のラストで、瑠璃の

『高彬、夏姫は誰が好きだったか、知ってる?』

と言う問いに高彬は

『うん。ときどき、わかる時もあった』

と答えているのです。

筋金入りの朴念仁であるはずの高彬が、夏の秘めた恋心に気付くでしょうか?

「夏の好きだった人?わからないなぁ。瑠璃さんは知ってるの」

とでも答えて、瑠璃にため息をつかれるのが、正しい朴念仁のあるべき姿ですよ。

なので、夏は高彬にきちんと気持ちを伝えていたのではないか・・・と思うのです。

気持ちを伝えるのと、高彬の恋人になりたいというのとは、また別問題ですからね。

夏だったら

「夏は、幼い頃から高彬さまをお慕い申し上げているのですわ」

ぐらい、それこそ「鮮やかに」言ってそうな気がするんです。

何しろ涼中将を寝取るほどの激しさを秘めてる人ですからね。

そう考えると、瑠璃が高彬に話した「融が夏を身籠らせてトンズラした」と言う推理に、あれだけ高彬がびっくりしていたのも納得がいくんです。

高彬の

『何を馬鹿なこと言ってるんだ、瑠璃さんは』

の言葉の次には

(そんなことあるわけないだろ。だって夏はぼくが好きなんだよ。なのになんで融の子を身籠るんだ)

と言う続きがあるんです、きっと。もちろん、心の中で。

それともうひとつ。

瑠璃に

『あんた、右大臣邸のお付き女房に手を出して、それをほいほい言いふらせる?』

の問いに『みっともないくらい動揺』したというところ。

あれは、あまりにタイムリーというかリアルな例えだったので、しどろもどろになってしまったんでしょう。

夏は右大臣邸付きではないですが『女房に手を出して』の言葉に、思わず反応しちゃったんでしょうね。

高彬だって夏に告白されて悪い気はしてないはずですし。

普通の男だったら、おそらく夏に手を出していたと思います。

でも、やはり高彬はそれはしなかったはずです。高彬の性格からして。

瑠璃が帰ってきたばかりだし(つまりは結婚真近)、責任感の塊だから先々のことを考えるだろうし、何より瑠璃に「妻は生涯、瑠璃さん一人」と誓っているし。

「妻は生涯、一人」って、あれは下世話な言い方をすれば「他の人とは寝ない」ってことでしょうから。

瑠璃に

『ときどき、わかる時もあった』

とどこまでも控えめに言ったのは、あれは高彬の優しさでしょうね。

夏に対しての配慮もあるし、やはり瑠璃に対しての優しさだと思います。

「告白されたよ」とかあけすけに話さないところが、いかにも高彬らしいなと思ってしまいます。

瑠璃だって、鷹男へのときめきや守弥との吉野でのことを、高彬に言わないでいたし、でも、「高彬を好きな気持ちに変わりはないんだし」と思っていたわけで、高彬にも少なからずそういう気持ちもあったのかも知れません。

あの二人の関係性の良いところは、なんでもかんでも「思い」を共有していない、依存しあっていない、というところにあると思います。

でも、一番、大切なところは共有していると言うか。

それにしても夏って、あの善修のお姉さんなんですよねぇ。

どうにも結びつかないんですが・・・

氷室先生って、あんまり兄弟・姉妹を似せさせませんね。

瑠璃&融、守弥&大江、高彬&春日・・・(笑)



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しんれいさま

しんれいさま。

初めまして。
(最近、私生活がバタバタと忙しく、ゆっくりとパソコンに向かえずに返信が遅くなりました。すみません)

「瑠璃姫にアンコール」が何だか読んでて落ち着かない・・・と言うのはとてもよくわかります。
瑠璃の帰京、そして結婚と言う大切なエピソードなのに、なぜかしっくりこない・・・そんな感じではないでしょうか。
他の雑記の中で書いたように思うのですが、この話はジャパネスクの中ではちょっと異質な感じを受けますよね。

多分、瑠璃の一人称で進むからなんだと思います。
瑠璃の知らない事実(夏が高彬に思いを伝えた)があるから、その瑠璃の視点でしか読者は知りえないからモヤモヤしてしまうんだ思うんです。
なので、あのお話はぜひ高彬視点で読んでみたかったなぁと思います。

しんれいさんの書かれた通り、夏が思いを伝えたと仮定すると、いろんな場面のいろんなセリフが(なるほどねぇ)と思えますよね。
私も夏は高彬を誘ったと思います。
そして、それはもちろん高彬への思慕が一番でしょうが、瑠璃に対するささやかな仕返しもあったように思うのです。
高彬に釣り合う身分の瑠璃がやはり心のどこかでは憎かったんだと思います。
瑠璃が憎い、と言うよりかは、どうにもならない「身分」への仕返しというか・・・・。


なかなか思うように更新が出来ないのですが、よろしければまたぜひお立ち寄りください。
過去記事へのコメントももちろん大歓迎です。

はじめまして

はじめまして。最近、自分の中で第二次ジャパネスクブームがおきまして、小説とコミックを揃えて読み直したところです。
こちらのサイトも小説、考察ともに楽しませていただきました。特にこの夏姫の考察がとても印象深かったので、古い記事で申し訳ございませんが、コメントさせていただきます。

実は私は「瑠璃姫にアンコール」はあまり好きではありませんでした。なぜだか読んでて落ち着かなくなるのです。
初めて読んだ中学生の頃は、落ち着かなくなる理由が自分でも分かりませんでしたが、大人になって読み直してなんとなく分かりました。
夏姫に拘る瑠璃が「らしく」ない、変にうろたえたり、男女の機微に詳しい高彬が「らしく」ない、夏姫はいい人らしいが何を考えているのかよくわからない…。

それが、「夏姫は高彬に自分の想いを伝えた」とすると、目の前の霧が全て晴れました。本当にありがとうございます。

これは飛躍し過ぎるかもしれませんが、夏姫は高彬に想いを告げた時、誘ったのでは?とも思うのですが。
夏姫は高彬のことを当初は「情け深い方」と言っていたのが、途中から「あんな情け知らずな方は嫌い」と急転直下してますよね。瑠璃に対して嘘をついているともとれますが、高彬に拒絶されたともとれる気がするのです。
そうすると、「男女の仲は一方の好みや気の迷いでどうにかなるものではない」という高彬の台詞が、暗に自分と夏姫のことを指しているのではないかと。夏姫のことは好ましく思っているし、気持ちも嬉しいけど、自分には瑠璃さんがいるから夏姫の気持ちは受け入れなかったんだよ…という感じで。なんだかあの高彬の台詞は朴念仁にしては出来過ぎではないかと思っていたのですが、考え過ぎですかね…。

ともあれ、瑞月さまの考察を拝見して、今後は「瑠璃姫にアンコール」も心安らかに読めそうです。

ところで、高彬は家出した融に「恋の相談でも何でも言ってくれたら良かったのに。」と思っていたようですが、そういう高彬こそ融に瑠璃のことを相談したことはあったのでしょうか。融は高彬の片思いを知っていたのか否か、私の中では興味津々だったりします。

長文失礼致しました。またお邪魔させて下さい。
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