***短編*** 往復書簡 *** 

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






             注)このお話は一話完結です。
               
               
               
              






***短編*** 往復書簡 ***










瑠璃さん。ずっと連絡が出来ずにごめんなさい。

いま、少しの時間を見つけてこれを書いています。

今日、見舞いに来てくれた融からぼくが足に怪我をしたと知って、瑠璃さんがとても心配していると聞きました。

噂はどうしたって実際よりも話が大きくなってしまうものです。

きっと瑠璃さんの耳には、あたかもぼくがとんでもない大怪我を負ったと伝わっているのかも知れませんが、実際はそんなことないので安心してください。

先日の大雨で、右近衛府の殿舎の屋根の一部が朽ちてしまったようで、その破片で少し怪我をしてしまっただけです。

傷そのものは大したことなかったのだけど、思いのほか出血が多く、慌てた同僚がすぐに白梅院に遣いを出し、そのまま邸に運ばれてしまいました。

その後は、やれ医師だ、加持祈祷だと大騒ぎになってしまったのです。

ぼくの家人は少し過保護が過ぎる。

そんなわけでずっと瑠璃さんに連絡出来ずにいました。本当にごめんなさい。

瑠璃さんが心配のあまり伏せっていると聞き心配しています。

食事もろくに摂っていないとのこと。

そんなことをしたら瑠璃さんが倒れてしまう。

今すぐ会いに行きたいけれど、今は監視の目が厳しくてそれも叶いません。

でも、近いうちに必ず会いに行きます。

取り急ぎ、一筆まで。


                               高彬




********************************************************






少将さま。

わたくしのような者が、身分もわきまえずにこのような文をお送りする無礼をお許しくださいませ。

本日、少将さまからの御文、確かに頂戴し姫さまにお渡しいたしました。

なぜ、姫さまからではなく、わたくしからの文が届いたのかと、きっと少将さまはご不審にお思いのことと思います。

実は・・・非常に申し上げにくいことなのですが、少しばかり少将さまは思い違いと申しますか、事実誤認をなさっていると申しますか・・・事態は急を要するところまで来ているのでございます。

姫さまが伏せっておられるというのは真のことですが、それは何も心弱くなられてとか、そういうことではないのでございます。

順を追って説明させていただきとう存じます。

少将さまの訪れもなく、またご連絡もないことに、姫さまは最初、ずいぶんとお心を痛めておいでのようでございました。

そこで融君を呼び付け、ことの事態を把握したのでございますが、その時、姫さまは

『怪我したことをどうしてすぐに知らせてこないのよっ、あの馬鹿は!』

と大層お怒りになり、お怒りのあまりフテ寝してしまったのです。

失礼を承知で申し上げますが、『あの馬鹿』とは少将さまのことであることを念のためお伝えさせていただきます。

また、食事を摂っていないということについてですが、これもヤケ食いと申しますのか、姫さまは怒りにまかせて団喜を12個も一気にお召し上がりになり、胸やけを起こして食事を摂れていないだけなのでございます。

そして、ここからがとても重要なことなのでございますが、姫さまは

『こうなったらとっちめてやらなきゃ』

と息まいておりまして、白梅院に乗り込むおつもりなのです。

「誰を」とっちめるつもりなのかは、どうかお察し下さいませ。

すでに千丸、長行を脅して、質素な網代車まで用意させております。

そしてわたくしに、供をしろ、しなかったら出家する、と迫ってくるのでございます。

少将さま。

小萩はもう腹痛を起こした振りをして、門番の前でしゃがみ込むのは嫌でございます。

暗い牛車の中、1人、待たされるのは嫌でございます。

少将さま、「近いうちに・・」などと呑気な、あ、いえ、悠長なことをおっしゃらずに、どうかすぐにでも三条邸においでになってくださいませ。

そうして、ことの経緯と申しますか、弁明と申しますか、ありていに申し上げますと、ぜひ平謝りに謝っていただき、姫さまのお怒りを静めていただきとうございます。

どうかどうか、少将さま・・・・




<終>


(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

非公開さま(Yさま)

Yさん、こんにちは。

何度も瑠璃の突拍子のない行動に付き合わされている小萩。
瑠璃の白梅院行きを阻止するには高彬に来てもらうしかないと思ったんでしょうね。
苦労しますよね、小萩も。
でも、そのお陰で二人はなかなかに甘い時間を過ごせたのですから、やっぱり小萩は忠義者ですね!
こちらこそ読んでいただきましてありがとうございました。

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非公開さま(Rさま)

Rさん、こんばんは。

融、確かに一体どんな風に伝えたの?!と言う感じですよね(笑)
同じ邸にいても東と西に分かれてるから、そんな風に耳に入っちゃったんですかね??
小萩なら高彬に直談判しそうかな~と思いまして。
今年もあと4日ですね・・(早い!)

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