社会人編<5>

むこうを向いたまま瑠璃さんは静かな声で言った。

「あたしって結構、勘がいいのよ。高彬って・・・・」

ゆっくりと振り返った瑠璃さんの輪郭は、逆光で全身が金色に縁取られているように見える。

ぼくはある覚悟を持って瑠璃さんの言葉を待った。

何かと勘の良い瑠璃さんのことだ。

きっとぼく自身が気付いてもいないような、いや、気付いていたとしても無意識に認めていないようなことまでお見通しなのかも知れない。

もし、瑠璃さんに言われたら───その時は素直に認めよう。

『あぁ、そうだよ。ぼくはどうやら瑠璃さんが好きらしい』と。

「高彬って・・・」

さぁ、女神からのご神託だ───

ぼくはごくりと唾を飲み込んだ。





─Up to you !─<第5話>






「高彬って高所恐怖症でしょ?」

「あぁ、そうだよ。ぼくはどうやら瑠璃さんが・・・・って・・・はぁ?」

思ってもみなかった瑠璃さんの言葉に、間の抜けた声が出てしまった。

女神のご神託にしては、あまりに俗っぽい。

「高所恐怖症・・・?」

「そうよ。前から怪しいと思っていたの。・・・どう?図星でしょ」

「・・・・」

ううむ、とぼくは内心、唸り声をあげた。

悔しいけど当たっている。

今まで誰にもばれなかったのに・・・・何故だ。

果たしてそんな思いが顔に出たのか

「廊下歩く時は必ず壁際を歩くし、今だって窓に近づこうとしないもの。窓の外を見たとしても、視線はずっと遠いまま。足元なんて見れないんでしょ」

そう言うと瑠璃さんは窓ガラスに顔を近づけ下を向くと

「車がミニカーみたい。・・・見る?」

わざとらしくぼくを誘って見せた。

「・・・・」

動かず何も言い返さないことを返事と思ったらしく(実際、返事だったのだけど)

「誰にも言わないで欲しい?」

片眉を上げ、横目でぼくを見ると勝ち誇ったようにふふん、と笑った。

「・・・・」

誰が女神だ。何がご神託だ。

悪魔、いや、鬼だ。鬼じゃないか。

少しでも可愛いと思ったぼくがバカだった・・・・

「あー、2人ともこんなところにいた」

廊下の向こうから声がして、同じ部の女性社員が近づいてきた。

入社がぼくより3年早い先輩である。

「急なんだけどね、今日、藤原さんの歓迎会やらないかって話しになったのよ。2人とも都合はどうかしら?」

藤原さんとは、この場合、当然、瑠璃さんのことだ。

「はい、大丈夫です」

計らずも瑠璃さんとぼくの声が重なってしまい

「あらあら、仲がいいこと」

先輩は目を丸くした。

「ふふふ・・・何だかお似合いよ、2人」

からかうように言われた途端、瑠璃さんと目が合ってしまい、2人同時にそっぽを向いた。




…To be continued…


(←お礼画像&SS付きです)

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Secre

非公開さま(Nさま)

Nさま、こんばんは。

反対に瑠璃は高いところが好きって言うのいいですね!
その設定で観覧車ネタ、面白そうですね(^_-)-☆
使わせていただきます~<m(__)m>

弱みを握った瑠璃。これぞ鬼に金棒です(笑)
高彬も頑張って瑠璃の弱みを握らなきゃ!

非公開さま(Rさま)

Rさん、こんばんは。

あらあら、こちらにも私が「ドS」であると言うお方が(笑)
ふっふふ。
真の私のドSっぷりはこれから高彬に対して発せられるのでありますよ。
歓迎会→お酒→酔っ払う→タガが外れる・・・
この設定が面白くないわけがありません!(笑)

木の葉さま

木の葉さん、こんばんは。

> 瑠璃ちゃんはは何でもお見通しですね♪

高彬いわく「(瑠璃さんは)ここぞと言う時の勘と男を見る目だけはある」と言うことですので、高所恐怖症もバレてしまったようですね(笑)

> どS、どSですよ、瑞月さん・・・。

いえいえ、それほどでは(笑)

> 飲み会で二人が少しでも接近してくれることを願ってます!

はい、そうですね。何かが!始まりそうな予感です。

非公開さま(Mさま)

Mさん、こんばんは。

はい。社会人は歓迎会、忘年会、出張・・・と魅惑的なイベントがい~っぱいあります。
ビバ!社会人設定!(笑)
Mさんの設定、いいです!
それ、使わせていただきますね<m(__)m>
もちろん『お預け』ですよね~。

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No title

瑠璃ちゃんはは何でもお見通しですね♪
前回あまりにいいところで終わり、「ここで終わるか!?」
と、続きを待ち焦がれていました。
どS、どSですよ、瑞月さん・・・。
飲み会で二人が少しでも接近してくれることを願ってます!

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