*** 筒井筒のお約束をもう一度・・52 <高彬・初夜編> ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』

 

           ※このお話は初夜編(完結済み)の高彬サイドの話です。
                        







***  筒井筒のお約束をもう一度・・52 <高彬・初夜編> ***  









「瑠璃さんに会えると思ったら嬉しくてさ。昨夜は・・・・・・良く眠れなかったんだ」

顔を寄せ合ったまま言うと、瑠璃さんの目が大きく見開かれ、と思ったら目の淵がほんのりと赤くなっている。

「あのさ、瑠璃さん」

小さく息を整えぼくは切り出した。

「この間、文に書いたことなんだけど・・・瑠璃さんの気持ちは・・・・どうだろうか」

父上から思いがけず結婚の催促をされ舞い上がっていたわけだけど、姉上に、再度、瑠璃さんの気持ちを確認するように言い含められてしまったのだ。

だから、今日は瑠璃さんの気持ちを確認しに来たわけなんだけど・・・。

姉上に言われた時は「何を今更」と思ったのだけど、こうして瑠璃さん本人を目の前にすると、どうにも自信がなくなってしまう。

記憶を失ったままの瑠璃さんは、ぼくと本当に結婚してくれるのだろうか。

「ぼくは・・・一日でも早く、瑠璃さんと結婚・・・その・・一緒になりたいけど・・・でも、瑠璃さんの記憶が戻るのを、もう少し待ちたい気持ちもあるんだ・・・・」

瑠璃さんの顔色を窺いつつ、一旦言葉を切り、息を整えて思い切って言う。

「───瑠璃さんはどう?」

ひぃ、ふぅ、みぃ、と心の中で数え、とぉまで来ても瑠璃さんが黙ったままだったので、再度、口を開きかけると

「あ、あたしは、いつでも良いのだけど・・」

コホンとわざとらしく咳払いをしながら瑠璃さんが言い、ぼくはドキンと心が跳ね上がるのを感じながら

「瑠璃さん、身体はもうすっかりいいのかい」

気になっていることを聞いた。

「うん、もう・・・すっかり治ったわ」

頷きながら瑠璃さんが言い、目が合うと見る見る顔が真っ赤になっていく。

ぼくは大きく頷き、瑠璃さんの手を取った。

「じゃあ、瑠璃さん。なるべく早くに結婚しよう。瑠璃さんの身体がすっかり治ったら、その時は、瑠璃さんを押し倒すって・・・言っただろ」

「・・・・・」

そっと顔を覗きこむ。

「・・・もしかして忘れちゃった?」

「忘れて・・・ないわ」

顔と言わず耳まで真っ赤な瑠璃さんを見ていたら、やっぱり瑠璃さんはぼくの婚約者だと言う自信が生まれ、その自信は少しばかりの邪まな気持ちを運んできた。

瑠璃さんを膝に乗せるようにして抱え込む。

「記憶が戻るのを少し待ってみようかとも思っていたけれど、でも瑠璃さんの顔見たら、やっぱりすぐにでも結婚したくなった」

小柄な瑠璃さんはすっぽりと納まり、柔らかく甘い匂いが鼻腔をくすぐった。

「・・・もう待てない」

深く息を吸い込みながら言うと、瑠璃さんが息を飲む気配が伝わってきた。

髪をかき上げて耳に唇を寄せようとしたところで

「高彬。その・・・吉野にいる間は、いろいろ文をくれて、あ、ありがとう。あたしの方からはあまり返事を書けなくて・・・」

「いいさ。ぼくが書きたくて書いてたんだから」

「あ、うん・・・」

「瑠璃さん」

組み敷こうと身体を傾けると

「ま、待って。高彬。だめよ、こんなところで・・・」

瑠璃さんが腕の力を頼りに、押し返そうとしてきた。

「だめじゃないよ」

「人が・・・小萩が、来るわ」

「大丈夫だよ」

瑠璃さんって豪胆に見えて、案外、童の頃から心配性なんだよな・・・

そんなことをチラと頭の片隅で思いながら、そっと瑠璃さんを横たえて行く。

「待って、待って。だって、こんなに・・・明るいし・・・」

「ぼくは構わないさ」

唇を合わせると、いったんは静かになった瑠璃さんは、唇が自由になると

「高彬、待って。待って・・・」

ぼくの下で身体をよじりながら言い、大きく息を吸い込むと

「ねぇ高彬。お願い、待って」

一言一言、言葉を区切るように、ぼくの目を見ながら言った。

その口調がふと気になり、ぼくは引き戻された。

「・・・・いやだった?」

「い、いやなわけじゃない・・・けど・・・」

「じゃあ、・・・もう待てないよ」

嫌じゃないならいいじゃないか。

「待って・・」

唇を合わせ、瑠璃さんの言葉ごと飲み込んだ。






<続>


(←お礼画像&SS付きです)

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