拍手お礼SS<4>

*** 拍手お礼SSの寄せ集めです ***








*** ガールズトーク *** <完全ギャグです。苦手な方は閲覧ご注意下さい>





「あたしに話があるって、なぁに」

「まぁまぁ、瑠璃姫。お呼びたてして悪うございましたわね」

「いいわよ。どうせ暇してたんだし。で、なぁに、話って」

「実はねぇ、瑠璃姫。あたくし、本でも書こうかと思い立ちましたの」

「本を・・・?」

「えぇ、いつまでもこうして三条邸に居候させていただくわけにはいきませんでしょ。少しは身を立てる手だてを考えなくては、とずっと思っておりましたの」

「・・・うちにいてもらっても、あたしは別に構わないけど」

「それはまぁ、あたくしは瑠璃姫の命の恩人ですものね。でも、それはそれですわ。いくら命の恩人であろうとも、
あたくしは水無瀬の煌姫、居候などと言うかかりうどの身の置き所は宮家としてプライドが許しませんのよ」

「ふぅん、その割にはうちでの生活を満喫してるように見えるけど。まぁ、いいわ。・・で、なんだっけ?本を書く・・?」

「えぇ、今、後宮の女房たちはこぞって書いていると聞くではありませんか。それで、あたくしにも書けるのではないかと思いましたの」

「それはまぁ、煌姫ならそんじょそこらの女房たちより面白いのが書けるんじゃないかしら。文才ありそうだし」

「ま、瑠璃姫ったら素直な方。でねぇ、瑠璃姫、実はここからが本題ですの。瑠璃姫に折り入ってお願いがございますのよ」

「なによ」

「瑠璃姫のことを書いてもよろしいかしら?」

「はぁ?あたしのこと?」

「えぇ。ほら、瑠璃姫ってそりゃあ人とは違う波乱万丈、奇想天外、奇妙奇天烈な経験をなさっているでしょう?それをね、瑠璃姫の半生として私小説風な物語にしたいと思いますの」

「あたしの半生・・・」

「えぇ、たとえあたくしに類まれな文才があろうとも、今のあたくしは無名と言えば無名ですわ」

「まぁね」

「そこいくと瑠璃姫は、奇人変人、物の怪憑きの姫として都で名を馳せていらっしゃいますでしょ。やはりデビュー作は話題性も大事ですわ。すこぉしばかり瑠璃姫のネームバリューを利用させていただいたってバチは当たらないと思いますの。なんたってあたくしは瑠璃姫の命の恩人ですもの」

「いいわよ、そんなに強調しなくても。・・・書いてもいいわよ、あたしのこと。どうせ都中の人が知ってることだし、今さら隠す気もないし」

「さすがは瑠璃姫ですわ。やっぱりあたくしたちは遠縁の仲ですのね、気が合うったら。おほほ」

「・・・」

「でねぇ、瑠璃姫。ついでと言ったら何ですけど、タイトルも考えていただけませんこと?」

「タイトル?ナントカ物語とか、ナントカ日記でいいんじゃないの。そういうタイトルの本、今、巷でベストセラーだし」

「嫌ですわ、真似みたいで。あたくし、二番煎じは嫌ですもの。宮家としてのプライドが・・」

「許さないって言うんでしょ?話が長くなるから宮家のプライドは今はひっこめておいてよ。・・・そうねぇ、じゃあ、こんなのはどう?うちは三条通りにあるから<三条ストリート>とか<三条アベニュー>とか」

「<三条ストリート>ねぇ・・・。まぁ、悪くはないですけど。でも、肝心の瑠璃姫のお名前がないのは困りますわ」

「じゃあ、サブタイトルとして<瑠璃と過ごした日々>って言うのを入れるのはどう?」

「何やら、飼い犬が死んだ時の小学生の作文のタイトルのようですわね」

「んもう、いろいろ注文が多いわねぇ」

「そりゃあ、デビュー作ですもの」

「守弥にでも聞いてみたら?何か良いアイデア持ってそうじゃない?あの人、自称頭脳派だし」

「駄目ですわ、守弥は自分のことで手一杯のようですもの」

「自分のこと?」

「大江情報によりますとね、守弥も本を書いてるんですって」

「守弥が?どんな」

「タイトルは<若君と私>ですって」

「ま、また、ずいぶんとストレートなタイトルね・・」

「えぇ。で、第一章が『若君との出会い』、第二章が『若君、青春の日々』、第三章が『若君、結婚の光と影』・・・」

「影って何よ、影って」

「瑠璃姫のことじゃありませんこと?で、第四章が・・」

「もう、いいわよ。ねぇ、今、思ったんだけどど、あたしの半生なんか書かずに、煌姫も自分のことを書いたら?」

「あたくしのこと?」

「そう。でも私小説とかそういうのじゃなく、いわゆるハウツー本ってやつよ。今、流行ってるらしいわよ、女性の野心本みたいなの」

「あたくしは別に野心なんか、これっぽっちも・・・」

「煌姫が、普通に素直に思ってることを書けばいいのよ」

「普通に思ってること?」

「そうよ。煌姫のモットーってあったじゃない。なんだっけ、ほら『上手い話には裏がある』と、あと・・・」

「『人を見たら泥棒と思え』?」

「そうそう、それよ。あと『盗賊の愛人になっても人殺しの正室にはなりたくない』とかもあったわね」

「死にかけてたわりには良く覚えてますこと」

「あと、ほら『恋の思い出は思い出。現実は現実』ってのもあったじゃない。ああいうのをね、煌姫語録としてまとめるのよ。
上昇志向の強い後宮の女官あたりには受けるんじゃないかしら」

「でも、何だかそんな本出したら、ガツガツした野心満々の女と誤解を受けそうですわ」

「誤解って・・・」

「・・・あたくし、やっぱり本を書くのはやめにしますわ。代わりに瑠璃姫、あなたがお書きなさいな」

「あたしが?あたしはいいわよ。別に身を立てようとも思ってないし・・。ほら、右近少将室として幸せだしさぁ・・」

「何をおっしゃっいますの。少将さまが正気に戻られて、いつ愛想を尽かされても良いように、万が一のための生活の準備は必要ですわよ。なんと言っても瑠璃姫はあたくしのパトロンですものね。さ、ここに紙と筆がありますわ。お書きなさいな」

「お書きなさいなって、あんた・・」

「タイトルは・・・。そうですわねぇ・・<物の怪と呼ばれて>なんていかが?」

「・・・・」

「あ、瑠璃姫。どちらへ?あたくしの話し、まだ終わってませんことよ!」







<おしまい>











** Under one umbrella **<現代編です。苦手な方は閲覧ご注意下さい>







「雨かぁ・・」

テラスに面した大きな窓ガラス越しに、外を見ながら瑠璃さんが呟いた。

「この雨で桜も散っちゃうわね」

明日、融や由良に声をかけ(なぜか名関にも)お花見をすることが決まっていて、瑠璃さんはとても楽しみにしていたのだ。

「そんなに強い雨じゃないし、案外、桜ももつんじゃないかな」

恨めしげに空を見上げる瑠璃さんの隣に並び、同じように空を見上げた。

霧のような細かい雨が、テラスにあるテーブルや植物たちをしっとりと濡らしている。

しばらく黙って外を見ていた瑠璃さんは

「ねぇ、高彬、散歩行かない?」

良いことを思いついたように明るい声で言った。

「この雨の中?」

「雨の桜もきっと綺麗よ」

雨の桜かぁ・・・。

「うん。行こうか」

すっかり行く気になっているらしい瑠璃さんは早や玄関に向かっており、ぼくは財布と携帯だけポケットに突っ込み後に続いた。

どの靴を履こうか迷っている瑠璃さんを横目に、2人分の傘を手に取ろうとして、一瞬、考える。

たいして降ってるわけじゃないし、一本でいいか。

あれ。

もしかしたら・・・。

一本の傘の下、瑠璃さんと歩くなんて初めてじゃないのか?

何だっけ、こう言うのって・・・相合傘────?

「・・・・」

相合傘、なんて甘ったるい言葉を思い浮かべてしまったせいで、動きが止まってしまった。

結婚した相手と、一つの傘で歩いたこともないなんて、本当に順番が逆だよな、と自分でも思う。

それもこれも、恋人期間をすっとばしていきなり夫婦になってしまったからなんだけど。

「・・・何よ、傘ないの?」

後ろから言われ、内心どきりとする。

相合傘と思って動揺してたなんて、やっぱり知られたくない。

「小降りだし一本でいいか・・」と言い訳がましく呟きながら、一本だけ手に取ってみた。

一瞬、間があったけど

「・・・透明のにして」

瑠璃さんが言い、とりあえず本数のことではなかったので、瑠璃さんの注文通り、奥から透明の傘を一本取り出した。

歩き出して、透明の傘にして、と言った意味はすぐにわかった。

視界が遮られずに景色が良く見える。

いつもの土手の大きな桜の木の下まで来て、ぼくたちは立ち止まった。

「やっぱり散り始めてるわねぇ」

傘の雨粒越しに桜を見上げた瑠璃さんが、ため息まじりに言った。

朝からの雨ですっかり濡れそぼってしまった桜の花びらが、足元にたくさん落ちている。

「今日で全部、散るってことはさすがにないだろうけどね」

気を引き立てるように言うと、瑠璃さんは

「うん、そうよね。それにやっぱり来て正解。雨の日の桜って言うのもなかなかいいものだわ。ね」

と笑った。

一つ傘の下、並んで桜を見ていたら、ふいにあるシーンが浮かんできた。

映画だったか、ドラマだったか・・・?

恋人たちが傘に隠れてキスをすると言う────。

この雨の中、花見をしようと思う人はいないらしく、辺りには誰もいない。

だからと言って、この傘じゃなぁ。

チラリと横目で瑠璃さんを見ると、瑠璃さんもぼくを見ており、目が合ったとたん瑠璃さんが吹き出した。

「ほんと、あんたって思ってることが顔に出るわよねぇ」

ケラケラ笑ったかと思うと

「実はあたしも同じこと思ってた」

「え」

「でも、これじゃあ丸見えよね」

傘の淵を、ピンと指で弾いて見せた。

「傘に隠れてキスって、少女漫画とかドラマの定番よね」

笑いながら言い

「あれは恥ずかしがり屋の日本人ならではの発想に違いないわ」

と真面目な顔で言ったかと思うと

「さ、もう行きましょ」

と歩き出した。

せっかくだから駅前まで歩こうと言う事になり、瑠璃さんは映画を借りたいと言い出した。

「家帰って観るの、ポップコーンでも食べながらね。これも雨の日の過ごし方の定番と言えば定番よね」

楽しそうに言い「定番、定番」と独り言のように呟いた。

そういえば前に瑠璃さんは、恋人と夜中に長電話をしたり待ち合わせをしたり、そんな恋をしたいと言っていたっけ。

もしかしたらそれ以外にも色々あったのかも知れないな。

例えば、雨の日に家で映画観て過ごすとか、あとは・・・・傘に隠れてのキス・・・とか。

「・・・次に雨が降ったら、普通の傘を持って散歩に出ようか」

前を見たまま何でもないことのように言ってみると、瑠璃さんからの返事はなく、それでも少しするとするりと腕を絡めてきた。

しばらくは黙って歩き、気が付いたら雨はすっかり上がっていて、傘を閉じようとしたら瑠璃さんに止められてしまった。

ほらほら、と瑠璃さんが指差した先には傘に貼り付いた花びらがあり「ちょっとしたお花見気分でしょ」と言い

「それに・・・。高彬と相合傘で歩くのなんて初めてだしね。もう少し」

と小さく笑ったのだった。




(←お礼画像&SS付きです)

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