氷室先生の「偲ぶ会」のこと

先日の記事で少し書いた「偲ぶ会」について、もう少し書こうと思います。

6月4日の土曜日に開催されました。

新宿にある龍善寺と言うお寺さんに集合し、まずは法要から。

発起人の方、親族の方、氷室先生と生前に親交のあった方、そしてファンの方々。

総勢で30人弱いたと思います。

正面には氷室先生のお写真が飾られ、その先生は、眼鏡をかけ、髪が短くてて、レンズに向かい笑みを浮かべる素敵な表情でした。

とてものこと闘病中とは思えないような、お元気そうでパワーあふれるお顔でした。

30分ほどの法要を終え、敷地内のお墓をお参りしました。

その後、徒歩数分の区民センターの一室に場所を移しました。

おそらく法要に参列した全員が、そのまま参加したと思います。

まずは発起人の方が挨拶をされ、そのなかで

「自分は氷室先生に『○○くん、わたしのことを忘れないでね』と言われた。だから、こうして毎年、偲ぶ会を開こうと思った。忘れたら、何だか氷室先生が夢枕に立つ気がして。ぼくの夢枕に立つならまだいいけど、お嫁さんの夢枕に立ったら困るな、と思って」

と言った内容のことを笑いながら話されていて、なんとなく『忘れないで』と言った先生のお気持ちも、その約束を守っている発起人の方も、どちらも良いなぁ・・・と思えました。

忘れないでいるって、本当に最高の愛情と言うか、親愛ですよね。

そしてまた「忘れないで」と言えるのも、やはり相手への親愛ゆえ、だと思えるので。

発起人の方と氷室先生のご関係は、なんでも「パソコンの先生」だったそうです。

機械オンチの氷室先生は、困ったことがあると発起人の方にヘルプしていたらしくて、何度も呼び出されては、そのまま飲み会に突入した・・・・とおっしゃっていました。

もともと、その方を氷室先生に紹介したのは新井素子先生だそうです。

次には1人ずつが自己紹介をしていきました。

氷室先生の叔父上さま・叔母上さまも北海道から来ていらしていました。

叔父上さまは

「これは、さえ子が子どもの頃から好きだったお菓子です」

と言って、洞爺湖の「わかさいも」という和菓子を出席者全員に配ってくださいました。

甘さの中にほんのりとしょっぱさがあり、とてもおいしかったです。

亡くなった姪のために、北海道からご夫婦ではるばる上京されて、なおかつ縁のお菓子を持ってくるなんて、なかなか出来ることじゃないと思います。

叔母上さまは

「さえちゃんは・・・」

と、氷室先生のことを呼んでいらして、なんだかそれを聞くと氷室先生が「碓井小恵子(氷室先生の本名)」と言う生身の存在として、ぐっと身近に感じられ、微笑ましくもあり、また涙を誘われるような思いがしました。

きっと親戚の人からは幼少の頃の呼び名そのままに「さえちゃん」なんて呼ばれていたんでしょうね。

氷室先生は愛されていたんですね。

出席者の中には、山内直実先生もいらっしゃいました。

初めてお見かけしたのですが、小柄で華奢な方で、他の方の「氷室先生話」に涙ぐまれていたりしていました。

山内先生は、氷室先生の思い出の品として、ご一緒に吉野に行かれたときの写真や(「ジャパネスク便り」でアップされているもの)白泉社で撮ったと言う氷室先生とのツーショットの写真などを持ってきて、皆に回して見せてくださいました。

出席者の顔ぶれは色々でしたが、皆、氷室先生を慕っている気持ちは一緒で、でも死を悼むようなムードではなくて、終始、笑いの絶えない会でした。(4回目ということもあるかと思います)

やはりファンの方は「ジャパネスクが一番好き」という方が多かったように思います。

高彬派・鷹男派・吉野君派・・・に分かれましたが(笑)

氷室先生は最初に病気を告げられた当初は大変に動揺されたとのことでしたが、しばらくすると落ち着きを取り戻し、闘病生活を続けながらも、身辺整理を着々と進められていったそうです。

龍善寺は、京都の東本願寺が本山で、先生自ら東本願寺に赴き、そこで法名をつけてもらってきたそうです。
(浄土真宗では「戒名」ではなく「法名」と言うそうです)

推測ではありますが、おそらく先生はきちんと死と向き合い、そして受け入れていかれたのだ思います。

ジャパネスクの中にこんな言葉があります。

『生きてさえいたら、また会えるわ』

『鬼になったのなら、鬼のまま生き延びるのよ』

『人間は生きるためにこそ、盗みも脅しもするので、死んでしまったら、元も子もないではありませんか』

『命も張りますわよ。死ぬのはまっぴらですけど』

『あなたは(中略)生きることだけを考えている』

『生きなきゃいけないわ。人間は、どんなことをしても生きていけるわ。間単に死ねるもんじゃないわ』

これらの言葉のすべてが「生」へのまっすぐな執着で、氷室先生自身が本当に生きることだけを考えて、実際、力強く生きてこられた方なんだと思います。

でも、そんな風に生きることにまっすぐな先生だったからこそ、また「死」もきちんと受け止めることができたのだと思います。

生きることと死ぬことは表裏一体。

きちんと生きるということは、きちんと死ねるということなんだと、氷室先生に教えてもらった気がします。

ジャパネスクは漫画しか読んだことがないという方がいらしたら、ぜひ、小説の方も読んでみてください。

小説は番外編も含めると10巻出ています。

いきなり全部は無理という方は、まずは1.2巻だけでも手にとって見てください。(個人的には旧版がお勧めです)

氷室先生の息づかいに圧倒されると思います。

漫画と言うビジュアルでさえ描ききれない、文章ならではの凄さがあります。

また、発起人の方のお話によると、「偲ぶ会」は毎年6月の第一土曜日に開催されるご予定とのことでした。

見知らぬ人同士で分かち合う、つかのまの穏やかで優しい時間と不思議な縁。

氷室先生からの贈り物ですね。



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