**現代編***  You Can't Hurry Love !<最終話> ***

『なんて素敵にジャパネスク~二次小説*現代編』




           注)このお話は現代編です。
             時は現代、二人は大学生!
             「妄想もここに極まれり」のスペシャル・バージョンです。
             どんな妄想もウェルカム!な方は、スクロールしてどうぞご覧ください。  
             




          ***********************************************








You Can't Hurry Love !<最終話>








「瑠璃さん・・・・」

まさか、ここに瑠璃さんがいるとは思ってもいなかったから、思わず呆けた声が出てしまった。

瑠璃さんはしゃがみこんで、顔を隠すように俯いている。

少し不自然な姿勢に、様子がおかしいとピンと来た。

「どうした」

同じようにしゃがみこんで聞くと、瑠璃さんは顔を上げないまま、くぐもった声で

「足・・・くじいちゃったみたい・・・」

と呟いた。

「どっちの足?」

「右・・・」

瑠璃さんの身体を抱き上げ家に戻ると、リビングのソファにそっと下ろした。 

氷水を当て、とりあえず応急処置をする。

充分に冷やしたところで、シップを貼り包帯を巻く。

2人とも黙ったまま、部屋には処置する音だけが響いていた。

「・・・これで、大丈夫だろう。明日、腫れてくるようだったら病院に行こう」

「・・・ありがと。・・・手慣れてるのね」

小さな声だった。

「部活でしょっちゅう、こういうことやってたから」

救急箱に包帯をしまいながら顔を上げずに言うと、部屋にはまた沈黙が戻った。

カチリと蓋を閉め、ぼくは小さく息を吸い込むと下を向いたまま

「・・・瑠璃さん。・・・ごめん・・・」

「・・・・・・」

「いろいろ情けなくて・・・・ほんと、ごめん」

ゆっくりと顔を上げると、瑠璃さんと目が合い、瑠璃さんは小さく頭を振った。

「瑠璃さんの気持ちも考えずに、先走ってばかりで・・・。多分、自信が・・・なかったんだ。不意打ちみたいな形で結婚したってわかってたし、瑠璃さんの気持ちをちゃんと聞くのも・・・怖くて出来なかった」

「・・・・うん」

瑠璃さんが小さく息を吸う音が聞こえ

「ねぇ、高彬。あたしたち・・・大切なこと、何も話してなかったのよ、きっと。幼馴染で何でもわかってるつもりになって・・・。聞くのが怖かったのは・・・高彬だけじゃないわ」

「・・・・・」

「プロポーズされたのは確かに不意打ちだったけど、でも、高彬だったから受けたの。好きでもない人と勢いで結婚するほど、あたしはバカじゃないもの」

穏やかな声で言った。

「・・・うん。そうだね。瑠璃さんはバカじゃない。バカなのはぼくの方だ。ほんと・・・・ごめん」

「謝ることないわよ。気持ちを伝えられなかったのは、お互い様なんだから」

「いや・・・他にも、その・・・瑠璃さんの初めてのキスが・・・あんなになっちゃって・・・。ごめん」

頭を下げてから、瑠璃さんの顔を見ると、少しの間があり、そうして瑠璃さんは目をそらし

「いいわよ、別に。初めても2回目も・・・どうせ相手は・・・・高彬なんだから」

呟くように言った。

そう言う瑠璃さんの頬はほんのりと赤く、返事も出来ずにじっとその横顔を見ていると

「何よ・・・違うの?」

疑わしそうな、心配そうな顔でぼくに聞いてきた。

「いや・・・違わない・・・」

「だったら・・・いいわよ。もう」

瑠璃さんは呟き、そのまま黙り込んでいる。

「瑠璃さん」

ぼくは少し瑠璃さんに近づいた。

「瑠璃さん。幼馴染からいきなり夫婦になっちゃったけど・・・。ぼくは・・・・その前に瑠璃さんに言いたいことがあったんだ」

手を取ると、瑠璃さんはゆっくりとぼくを見た。

「瑠璃さん・・・。ぼくの・・・・恋人になって」

心を込めて告白をした。

じっとぼくを見ていた瑠璃さんの瞳がふいに揺れたかと思うと、瑠璃さんは言葉もなく何度も頷いた。

瑠璃さんの頬を涙が伝い、ぼくはその涙をそっとぬぐうと、そのまま頬を優しく包んだ。

ゆっくりと近づいていくと瑠璃さんの瞳が閉じられ、そっと唇が触れた。

静かに離れると、涙に揺れる瑠璃さんの瞳があり、ぼくたちは長いこと見つめ合っていた。

ふいに瑠璃さんの表情が変わり

「恋人になって・・・初めてのキスね・・・」

泣き笑いみたいな顔の瑠璃さんが言い、ぼくはたまらず抱きしめた。

「2回目も3回目も、100回目も1000回目も・・・・瑠璃さんがキスするのはぼくだけだ」

強く抱きしめながら言うと、腕の中の、ぼくの可愛い恋人は何度も何度も頷いた。

そうして気付いたら、ぼくたちは、お互いにもっと好きになっていたのだった。








*** fin ***








現代編、完結です!

「You Can't Hurry Love」=「恋はあせらず」

初めての恋に、自信が持てず、それゆえに関係を進めたいとあせる高彬と、初めての恋に戸惑い、どうしていいかわからずにあせる瑠璃。

そんな2人を「可愛い、可愛い、可愛い」と思いながら書いていました。

恋はあせらず。

2人にはゆっくりと近づいていって欲しいな、と思います。2人なら、きっと出来るはず。

応援の拍手やコメント、どうもありがとう。創作の原動力になりました!ありがとう。

長らくのお付き合い、本当にありがとうございました。













さて!

「この後の2人、どうなったか気になる~」という方、いませんか~?

気になる方は、スクロールしてどうぞ!












<おまけの話>





『はい、藤原です』

「瑠璃さん?」

『なぁに』

携帯からため息交じりの瑠璃さんの声が聞こえる。

「いや、どうしてるかな、と思ってさ」

『・・・・紅茶を飲んでるわよ。リビングで』

「ふぅん。・・・そういえばさ、駅前に瑠璃さんの好きそうな雑貨屋が出来てたよ。今度、一緒に・・」

ガチャリとドアが開き、イスごと振り返ると、子機を耳に当てた瑠璃さんが立っていた。

「一緒の家にいるのに、わざわざ電話で話すこと、ないでしょ」

携帯からの声と、目の前で話す瑠璃さんの声が、同時に両耳から入ってくる。

「どうして」

「電話代の無駄よ」

「あいにく定額制でね」

「・・・・・あのねぇ。何もあたしの言葉を真に受けて・・・」

「いいんだよ。ぼくが瑠璃さんと、たまには電話で話したいんだから」

立ち上がりながらそう言い、携帯を耳に当てたまま、同じく子機を耳に当てたままの瑠璃さんに軽くキスをする。

「もうっ」

唇をとがらせた瑠璃さんは電話を切り

「気をつけて。3回目よ」

眉をあげてみせた。

恋人になったあの日から、ぼくたちは少しずつキスに慣れていき、気が付いたらぼくはしょっちゅう、瑠璃さんにキスをするようになっていた。

おはようのキス、行ってきますのキス、ただいまのキス、おやすみのキス、勉強を教えながらのキス、ぼんやりと紅茶を飲む隙を狙ってのキス・・・・。

「高彬がこんなにキス魔だとは思わなかったわ」

瑠璃さんが呆れたように言うので

「うん。ぼくも思わなかった」

真顔で答えたら、もっと呆れられてしまった。

ある日、瑠璃さんに「話がある」と呼ばれ、行ってみたら<キスに関する藤原家の掟>なるものを提示された。

内容は、『キスは1日3回まで、1回3秒以内』と言うもので、その掟を破ったら罰則がある、と言われた。

「罰則は何?」

と聞いたら

「考え中」

とのことで、どうやらまだ決まっていないらしい。

本当のこと言って、瑠璃さんの考える罰則なんて怖くもなんともないんだけど、でも、あまりキスしてるとぼくの自制心がきかなくなりそうなので、罰則を恐れる振りをして<掟>を死守しているのだ。

そうか・・・今日はもう3回もしたのか。ということは、おやすみのキスはなし、か。

・・・まぁ、しょうがない。

「どうする?雑貨屋、行ってみる?」

至近距離の瑠璃さんに聞いてみると、一瞬、迷った瑠璃さんは「うん」と頷いた。

「じゃあ、30分後に駅前で待ち合わせしよう」

「だからー、いいわよ」

唇をとがらす瑠璃さんが可愛くて、頬を指でつつく。

「じゃあ、一緒に出よう」

「帰りにケーキ食べましょ」

「昼にも食べてたじゃないか」

「あれはマドレーヌ」

軽口をたたきながら玄関を出ると、少し遠回りして土手を歩こうということになった。

どちらからともなく当然のように手をつなぎ、さっきからケーキとマドレーヌの違いを力説する瑠璃さんの話を聞きながら、ぼくの目は自転車で前を走るケンの姿を捉えていた。

瑠璃さんに合図して

「ケーン」

「ケンちゃーん」

と2人で大声で呼ぶ。

かなり前を走っていた自転車が止まり、ターンしてこちらに走り寄ってきた。

「よっ、ケン。元気か?」

「歯は治った?」

代わる代わる聞くと、ケンは頷き瑠璃さんに向かい

「今度、勉強、教えてよ」

と言った。

「いーや、だめだ。ケンには兄ちゃんが勉強を教えてやろう」

瑠璃さんが何か答えるより先に言うと

「えー、オレ、姉ちゃんがいい」

「剣道も教えてやるぞ。バイクも触らせてやる」

「ホントか?」

「男の約束だ」

頷くと、ケンは「やりぃ」と小躍りし、そのまま行こうとしたので

「ケン」

呼びとめた。

「おまえを男と見込んで話がある」

「なんだよ」

「瑠璃さんは、兄ちゃんのものだからな。手、出すなよ」

「ちょ、ちょっと、高彬、何言って・・・・」

ケンは一瞬、ぐっと言葉に詰まり

「わ、わかってるよ。兄ちゃんの奥さんなんだろ・・・」

ふてくされたような、少し赤い顔で言った。

赤い顔をして横に立っている瑠璃さんの肩にすばやく手を回し引き寄せると

「奥さんであり、恋人でもある。だから、誰にも渡さない」

ポカンとしているケンのそばに行き

「強引なオトコの方がもてるって教えてくれたのはおまえだろ」

耳打ちすると、ケンはニヤッと笑って親指を立てて見せた。

「うまくやれよ」

ケンに耳打ちされ、ぼくも親指を立てる。

「もう、何、話してたの」

走り去るケンを見送りながら、瑠璃さんが聞くので

「男同士の話さ」

と答えて、また手をつないで歩きだした。

あの日と同じように、土手は夕陽に照らされていた。

「そうだ。明日、少し帰りが遅くなるから」

「ふぅん、どうして」

「講義が長引きそうなんだよ」

「コービが長引く?」

「はぁ?!な、な、何を言ってるんだ、瑠璃さんは!」

あまりの言葉にびっくりして飛びのくと、瑠璃さんは、一瞬、ぽかんとし、次いでお腹を抱えて笑いだした。

「高彬、びっくりしすぎよ。だって、本当にそう聞こえちゃったんだもの」

ケラケラと笑い続ける。

いつまでも笑い続ける瑠璃さんに向かい

「・・・そうやって、面白がって笑ってたらいいさ。いい加減、そのうち・・・・襲うぞ、瑠璃」

最後の方は、低い声ですごんで見せると、瑠璃さんは笑うのをやめ、ちらりとぼくを見て、否定も肯定もせずに、ただはにかむように笑ったのだった。







<おしまい♪>



(←お礼画像&SS付きです)

コメントの投稿

Secre

maiさま

いつも応援コメントありがとうございました~♪
やっぱり現代でも2人のらぶらぶは健在ですよね!

お疲れ様でした

毎日更新お疲れ様でした!毎日楽しく読ませていただきました。舞台が現代でも初々しいふたりの不器用な恋にドキドキでした!

ヨッシーさま

> 二人の優しいキスが見れて良かった。胸がキュンキュンしました(^^)v

ありがとうございます♪
これからも2人はたくさんのキスをしていくと思います。

いつも応援のコメントをありがとうございました!

No title

連載お疲れ様でしたO(≧∇≦)O 二人の優しいキスが見れて良かった。胸がキュンキュンしました(^^)v
高彬がキス魔だとは。ついついしちゃうんだろうな。高彬可愛いです(*≧∀≦*) それに 藤原家の掟とは、クスクス笑っちゃいました。瑠璃さん面白いです。キス以上が早くできると良いですね(///ω///)♪

かいちゃんさま

> 最後のあまーい展開に胸一杯になっちゃいました

そう言っていただけて私も嬉しいです!
キス以上が出来る日・・・・高彬のがんばり次第ってとこですね(笑)
コメントありがとうございました♪

poncoさま

> っていうか、ハッピーエンドで終わるだろうと思っていたので、安心して読ませていただいてました♪

あはは♪おっしゃる通りです。
悲しい結末はナシ、ですので~。
コメントありがとうございました。

No title

連載お疲れさまでしたd=(^o^)=b最後のあまーい展開に胸一杯になっちゃいましたρ( ^o^)b_♪♪早くキス以上ができる日がくるばいいのにね♪別館を期待してしまいそうです☆

No title

途中はらはらしましたが、ハッピーエンドに終わってよかったです!
っていうか、ハッピーエンドで終わるだろうと思っていたので、安心して読ませていただいてました♪
次回作も期待してます~!!

cookiemomさま

お楽しみいただけたようで私も嬉しいです!
やっぱり2人にはハッピーエンドが似合いますよね♪

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

完結おめでとうございます!

高彬君が途中どうなることかと心配しましたが、期待以上のかわいいハッピーエンドでよかったです。おもしろかったです。

霧氷さま

> そして瑠璃さんの可愛いかったこと
> あのタイミングでの告白、高彬じゃなくてもキュ~ンとしちゃいます

瑠璃は天然に、高彬を魅了してしまう技(?)を持っているんでしょうね!
高彬、やられっぱなしです。

応援のコメント、ありがとうございました。

ももさま

> おまけの話しからいくと、高彬がコービできる日も近いですね(笑)

ふふふ、そうですね♪
瑠璃もコービの何たるかをレクチャーされて知ってますしね。
応援のコメント、いつもありがとうございました。

お疲れ様でした[e:734]

現代編、お疲れ様でした
毎回楽しみに読ませて頂きました。
男臭くてちょっと強引で欲求に忠実で、そして鷹男(薫くん)に1ミリも遠慮していない高彬はとっても新鮮でした♪

そして瑠璃さんの可愛いかったこと
あのタイミングでの告白、高彬じゃなくてもキュ~ンとしちゃいます

素敵なお話、ありがとうございました♪

No title

お疲れさまでした~^^
毎日更新がとても楽しみだったので、終わってしまうと寂しいですね~。
でもなんだか心がポッカポカになりましたよ!!
恋はあせらず。。。。いいですね~^^本当に素敵なお話しありがとうございました!!
おまけの話しからいくと、高彬がコービできる日も近いですね(笑)

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

みそさま

いつも応援のコメントをありがとうございました!
楽しんでいただけたようで私も嬉しいです♪

お疲れ様でした!

現代版ジャパネスクはとても新鮮で良かったです。(≧∇≦)
強引でヤキモチ妬きの高彬とピュアな瑠璃は読んでいてドキドキしてました♪

短期集中での更新、お疲れ様でした~!!
プロフィール

瑞月

Author:瑞月
瑞月(みずき)です。

ランキングバナー

  ↑
ランキングに参加しています。
楽しんでいただけましたら
クリックで応援をお願い致します。
1日1クリック有効です。
初めにお読みください
**当ブログの簡単な説明です**
当ブログは「なんて素敵にジャパネスク」の二次小説を掲載しております。 二次小説と言う言葉を知らない方や苦手な方は閲覧ご注意ください。 また読後のクレームはお受けできません。 「ごあいさつ<最初にお読みください>」も合わせてご一読下さい。
カテゴリ
別館
乳姉妹ブログ
日記ブログ
掲示板
最新記事
ご訪問ありがとう(H23.11.28-)
**オンラインカウンター**
現在の閲覧者数:
コメントありがとうございます
なんて素敵にサイト様 (ジャパネスク)
なんて素敵にサイト様(他ジャンル)
お礼SSや「他己紹介」があります。
web拍手 by FC2
** あれこれ投票所 **
お好きなジャンルをお選びください。 投票は何度でも可能です。
*** あれこれ投票所2 ***
メールフォーム(ご用の方はこちらから)

名前:
メール:
件名:
本文:

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
月別アーカイブ