**現代編***  You Can't Hurry Love !<最終話> ***

『なんて素敵にジャパネスク~二次小説*現代編』




           注)このお話は現代編です。
             時は現代、二人は大学生!
             「妄想もここに極まれり」のスペシャル・バージョンです。
             どんな妄想もウェルカム!な方は、スクロールしてどうぞご覧ください。  
             




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You Can't Hurry Love !<最終話>








「瑠璃さん・・・・」

まさか、ここに瑠璃さんがいるとは思ってもいなかったから、思わず呆けた声が出てしまった。

瑠璃さんはしゃがみこんで、顔を隠すように俯いている。

少し不自然な姿勢に、様子がおかしいとピンと来た。

「どうした」

同じようにしゃがみこんで聞くと、瑠璃さんは顔を上げないまま、くぐもった声で

「足・・・くじいちゃったみたい・・・」

と呟いた。

「どっちの足?」

「右・・・」

瑠璃さんの身体を抱き上げ家に戻ると、リビングのソファにそっと下ろした。 

氷水を当て、とりあえず応急処置をする。

充分に冷やしたところで、シップを貼り包帯を巻く。

2人とも黙ったまま、部屋には処置する音だけが響いていた。

「・・・これで、大丈夫だろう。明日、腫れてくるようだったら病院に行こう」

「・・・ありがと。・・・手慣れてるのね」

小さな声だった。

「部活でしょっちゅう、こういうことやってたから」

救急箱に包帯をしまいながら顔を上げずに言うと、部屋にはまた沈黙が戻った。

カチリと蓋を閉め、ぼくは小さく息を吸い込むと下を向いたまま

「・・・瑠璃さん。・・・ごめん・・・」

「・・・・・・」

「いろいろ情けなくて・・・・ほんと、ごめん」

ゆっくりと顔を上げると、瑠璃さんと目が合い、瑠璃さんは小さく頭を振った。

「瑠璃さんの気持ちも考えずに、先走ってばかりで・・・。多分、自信が・・・なかったんだ。不意打ちみたいな形で結婚したってわかってたし、瑠璃さんの気持ちをちゃんと聞くのも・・・怖くて出来なかった」

「・・・・うん」

瑠璃さんが小さく息を吸う音が聞こえ

「ねぇ、高彬。あたしたち・・・大切なこと、何も話してなかったのよ、きっと。幼馴染で何でもわかってるつもりになって・・・。聞くのが怖かったのは・・・高彬だけじゃないわ」

「・・・・・」

「プロポーズされたのは確かに不意打ちだったけど、でも、高彬だったから受けたの。好きでもない人と勢いで結婚するほど、あたしはバカじゃないもの」

穏やかな声で言った。

「・・・うん。そうだね。瑠璃さんはバカじゃない。バカなのはぼくの方だ。ほんと・・・・ごめん」

「謝ることないわよ。気持ちを伝えられなかったのは、お互い様なんだから」

「いや・・・他にも、その・・・瑠璃さんの初めてのキスが・・・あんなになっちゃって・・・。ごめん」

頭を下げてから、瑠璃さんの顔を見ると、少しの間があり、そうして瑠璃さんは目をそらし

「いいわよ、別に。初めても2回目も・・・どうせ相手は・・・・高彬なんだから」

呟くように言った。

そう言う瑠璃さんの頬はほんのりと赤く、返事も出来ずにじっとその横顔を見ていると

「何よ・・・違うの?」

疑わしそうな、心配そうな顔でぼくに聞いてきた。

「いや・・・違わない・・・」

「だったら・・・いいわよ。もう」

瑠璃さんは呟き、そのまま黙り込んでいる。

「瑠璃さん」

ぼくは少し瑠璃さんに近づいた。

「瑠璃さん。幼馴染からいきなり夫婦になっちゃったけど・・・。ぼくは・・・・その前に瑠璃さんに言いたいことがあったんだ」

手を取ると、瑠璃さんはゆっくりとぼくを見た。

「瑠璃さん・・・。ぼくの・・・・恋人になって」

心を込めて告白をした。

じっとぼくを見ていた瑠璃さんの瞳がふいに揺れたかと思うと、瑠璃さんは言葉もなく何度も頷いた。

瑠璃さんの頬を涙が伝い、ぼくはその涙をそっとぬぐうと、そのまま頬を優しく包んだ。

ゆっくりと近づいていくと瑠璃さんの瞳が閉じられ、そっと唇が触れた。

静かに離れると、涙に揺れる瑠璃さんの瞳があり、ぼくたちは長いこと見つめ合っていた。

ふいに瑠璃さんの表情が変わり

「恋人になって・・・初めてのキスね・・・」

泣き笑いみたいな顔の瑠璃さんが言い、ぼくはたまらず抱きしめた。

「2回目も3回目も、100回目も1000回目も・・・・瑠璃さんがキスするのはぼくだけだ」

強く抱きしめながら言うと、腕の中の、ぼくの可愛い恋人は何度も何度も頷いた。

そうして気付いたら、ぼくたちは、お互いにもっと好きになっていたのだった。








*** fin ***








現代編、完結です!

「You Can't Hurry Love」=「恋はあせらず」

初めての恋に、自信が持てず、それゆえに関係を進めたいとあせる高彬と、初めての恋に戸惑い、どうしていいかわからずにあせる瑠璃。

そんな2人を「可愛い、可愛い、可愛い」と思いながら書いていました。

恋はあせらず。

2人にはゆっくりと近づいていって欲しいな、と思います。2人なら、きっと出来るはず。

応援の拍手やコメント、どうもありがとう。創作の原動力になりました!ありがとう。

長らくのお付き合い、本当にありがとうございました。













さて!

「この後の2人、どうなったか気になる~」という方、いませんか~?

気になる方は、スクロールしてどうぞ!












<おまけの話>





『はい、藤原です』

「瑠璃さん?」

『なぁに』

携帯からため息交じりの瑠璃さんの声が聞こえる。

「いや、どうしてるかな、と思ってさ」

『・・・・紅茶を飲んでるわよ。リビングで』

「ふぅん。・・・そういえばさ、駅前に瑠璃さんの好きそうな雑貨屋が出来てたよ。今度、一緒に・・」

ガチャリとドアが開き、イスごと振り返ると、子機を耳に当てた瑠璃さんが立っていた。

「一緒の家にいるのに、わざわざ電話で話すこと、ないでしょ」

携帯からの声と、目の前で話す瑠璃さんの声が、同時に両耳から入ってくる。

「どうして」

「電話代の無駄よ」

「あいにく定額制でね」

「・・・・・あのねぇ。何もあたしの言葉を真に受けて・・・」

「いいんだよ。ぼくが瑠璃さんと、たまには電話で話したいんだから」

立ち上がりながらそう言い、携帯を耳に当てたまま、同じく子機を耳に当てたままの瑠璃さんに軽くキスをする。

「もうっ」

唇をとがらせた瑠璃さんは電話を切り

「気をつけて。3回目よ」

眉をあげてみせた。

恋人になったあの日から、ぼくたちは少しずつキスに慣れていき、気が付いたらぼくはしょっちゅう、瑠璃さんにキスをするようになっていた。

おはようのキス、行ってきますのキス、ただいまのキス、おやすみのキス、勉強を教えながらのキス、ぼんやりと紅茶を飲む隙を狙ってのキス・・・・。

「高彬がこんなにキス魔だとは思わなかったわ」

瑠璃さんが呆れたように言うので

「うん。ぼくも思わなかった」

真顔で答えたら、もっと呆れられてしまった。

ある日、瑠璃さんに「話がある」と呼ばれ、行ってみたら<キスに関する藤原家の掟>なるものを提示された。

内容は、『キスは1日3回まで、1回3秒以内』と言うもので、その掟を破ったら罰則がある、と言われた。

「罰則は何?」

と聞いたら

「考え中」

とのことで、どうやらまだ決まっていないらしい。

本当のこと言って、瑠璃さんの考える罰則なんて怖くもなんともないんだけど、でも、あまりキスしてるとぼくの自制心がきかなくなりそうなので、罰則を恐れる振りをして<掟>を死守しているのだ。

そうか・・・今日はもう3回もしたのか。ということは、おやすみのキスはなし、か。

・・・まぁ、しょうがない。

「どうする?雑貨屋、行ってみる?」

至近距離の瑠璃さんに聞いてみると、一瞬、迷った瑠璃さんは「うん」と頷いた。

「じゃあ、30分後に駅前で待ち合わせしよう」

「だからー、いいわよ」

唇をとがらす瑠璃さんが可愛くて、頬を指でつつく。

「じゃあ、一緒に出よう」

「帰りにケーキ食べましょ」

「昼にも食べてたじゃないか」

「あれはマドレーヌ」

軽口をたたきながら玄関を出ると、少し遠回りして土手を歩こうということになった。

どちらからともなく当然のように手をつなぎ、さっきからケーキとマドレーヌの違いを力説する瑠璃さんの話を聞きながら、ぼくの目は自転車で前を走るケンの姿を捉えていた。

瑠璃さんに合図して

「ケーン」

「ケンちゃーん」

と2人で大声で呼ぶ。

かなり前を走っていた自転車が止まり、ターンしてこちらに走り寄ってきた。

「よっ、ケン。元気か?」

「歯は治った?」

代わる代わる聞くと、ケンは頷き瑠璃さんに向かい

「今度、勉強、教えてよ」

と言った。

「いーや、だめだ。ケンには兄ちゃんが勉強を教えてやろう」

瑠璃さんが何か答えるより先に言うと

「えー、オレ、姉ちゃんがいい」

「剣道も教えてやるぞ。バイクも触らせてやる」

「ホントか?」

「男の約束だ」

頷くと、ケンは「やりぃ」と小躍りし、そのまま行こうとしたので

「ケン」

呼びとめた。

「おまえを男と見込んで話がある」

「なんだよ」

「瑠璃さんは、兄ちゃんのものだからな。手、出すなよ」

「ちょ、ちょっと、高彬、何言って・・・・」

ケンは一瞬、ぐっと言葉に詰まり

「わ、わかってるよ。兄ちゃんの奥さんなんだろ・・・」

ふてくされたような、少し赤い顔で言った。

赤い顔をして横に立っている瑠璃さんの肩にすばやく手を回し引き寄せると

「奥さんであり、恋人でもある。だから、誰にも渡さない」

ポカンとしているケンのそばに行き

「強引なオトコの方がもてるって教えてくれたのはおまえだろ」

耳打ちすると、ケンはニヤッと笑って親指を立てて見せた。

「うまくやれよ」

ケンに耳打ちされ、ぼくも親指を立てる。

「もう、何、話してたの」

走り去るケンを見送りながら、瑠璃さんが聞くので

「男同士の話さ」

と答えて、また手をつないで歩きだした。

あの日と同じように、土手は夕陽に照らされていた。

「そうだ。明日、少し帰りが遅くなるから」

「ふぅん、どうして」

「講義が長引きそうなんだよ」

「コービが長引く?」

「はぁ?!な、な、何を言ってるんだ、瑠璃さんは!」

あまりの言葉にびっくりして飛びのくと、瑠璃さんは、一瞬、ぽかんとし、次いでお腹を抱えて笑いだした。

「高彬、びっくりしすぎよ。だって、本当にそう聞こえちゃったんだもの」

ケラケラと笑い続ける。

いつまでも笑い続ける瑠璃さんに向かい

「・・・そうやって、面白がって笑ってたらいいさ。いい加減、そのうち・・・・襲うぞ、瑠璃」

最後の方は、低い声ですごんで見せると、瑠璃さんは笑うのをやめ、ちらりとぼくを見て、否定も肯定もせずに、ただはにかむように笑ったのだった。







<おしまい♪>



(←お礼画像&SS付きです)

**現代編***  You Can't Hurry Love !23 ***

『なんて素敵にジャパネスク~二次小説*現代編』




           注)このお話は現代編です。
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You Can't Hurry Love !23




 




「あたしは前から代田くんとだって普通にしゃべってたし、子どもたちとだって仲良くしてた。・・・チャラチャラなんて・・・してないわ」

少し興奮が収まったのか、いくぶん、落ち着いた声で瑠璃さんが言った。

ごめん、言い過ぎた・・・そう言いたいのに、言葉が出てこなくて、ぼくはじっと瑠璃さんを見ていた。

瑠璃さんはふいに目をそらすと

「今まで言えなかったけど・・・あたし・・・・ずっと高彬が好きだった。あんたは覚えてないと思うけど、小学生の頃『ふーふ』ってからかわれたことがあって、その時、すごく悔しかったの。それなのにあんたは笑ったのよ。なんだ、そんなことかって」

「・・・・・・」

「子どもたちに『恋人なの?』って聞かれたときもそうよ。あたしが恥ずかしくて『ただの幼馴染よ』って言ったら、その時も高彬は笑ってるだけだったわ・・・」

「・・・・・・」

「それで思ったの。高彬は、あたしのこと、幼馴染にしか思ってないんだなって。送り迎えだって、父さまに頼まれたから仕方なくしてるんだなって」

瑠璃さんの唇は、さっきの衝撃のせいか血がうっすらと滲んでいた。

「だから、嬉しかったの。あの日、好きだって言われて。結婚してから、高彬が・・・キスしようと思ってるのはわかってた。だけど・・・」

瑠璃さんは唇をなめて、血の味に少し顔をゆがめた。

「だけど、どうしていいかわからなかったの。だって、あんまり急だったんだもの。幼馴染から、急に夫婦になっちゃって、どうしたらいいかわからなかったのよ。あたし、恋なんか・・・したことなかったし・・・人を好きになったのも、高彬しかいないんだもの・・・」

そう言った瑠璃さんの目から、涙が一筋伝い落ち、それを瑠璃さんは手の平でぬぐった。

「高彬、納得するまで待ってくれるって言うし、だから、あたしは少しずつ、高彬と近づいて行きたかった・・・」

また涙が瑠璃さんの頬を伝った。

「高彬の第2ボタンだから受け取ったの。他の人のだったら受け取らなかったわ。あたし・・・他の人にチャラチャラした覚えなんかないのに・・・ひどい」

瑠璃さんはそう言うと、リビングを出て行き、少しするとバタンと玄関のドアが閉まる音がした。

呆然と立ち尽くしていると、携帯が鳴り、反射的に出ると

『藤原くん?あたしよ、名関。今日は出席、ありがと。いろいろ盛り上げてくれて、おかげで楽しいクラス会だったわ』

「名関、悪い。今は・・・」

『忘れないうちに伝えておくわ。約束の瑠璃の夢見るキスシーン。あの子ねぇ、こう言ったのよ。初めてのキスは、好きな人に大切に思われながら優しくしてもらえれば、それだけでいいって。泣かせるわよねぇ・・・』

「悪い、名関。切るぞ」

『ちょ、ちょっと、藤原くん・・』

くそっ。

携帯を、半ばソファに投げつけるようにして、急いで玄関に向かう。

瑠璃さんの、そんなささやかな夢を叶えてあげられなくて、何が夫だ!何が幼馴染だ!

自分を殴りつけたくなる。

そうだ、瑠璃さんは言っていたじゃないか。

『待ち合わせしてデートしたり、長電話したり、ドキドキするような恋に憧れていた』って。

そうして・・・・ぼくはこう言ったんだ。

『そんなこと、結婚してから、全部、出来るじゃないか』って。

なのに、ぼくは、ぼくの身勝手で、瑠璃さんを自分のものにしたい一心で、瑠璃さんに触れることばかりを考えていた・・・!

あせって先に進むことばかりを考えていたんだ。

まだ、そう遠くには行ってないはずだ。

玄関のドアを開けると、うずくまる・・・・瑠璃さんがいた。






*** to be continued ***



(←お礼画像&SS付きです)

**現代編***  You Can't Hurry Love !22 ***

『なんて素敵にジャパネスク~二次小説*現代編』




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You Can't Hurry Love !22








「あんなのって・・・おかしいわよ」

リビングに入ったところで、瑠璃さんが呟いた。

「・・・・・」

「クラス会、みんなが楽しんでたのに、あんな風に怒鳴るなんて」

瑠璃さんの言葉には何も答えずに、冷蔵庫を開けてミネラルウォーターを飲む。

「ねぇ、高彬。聞いてるの?あんなのおかしいわよ」

「おかしい?おかしくないだろ。人の奥さんに手を出されて、黙ってる男がいたら、そっちの方がおかしいと思うけどね」

「手を出されてって・・・そんな大げさな」

「大げさじゃないだろう。第一、瑠璃さんも瑠璃さんだ。今日の瑠璃さんは・・・少し軽薄だった」

頭をなでられて頬を赤らめている瑠璃さんの顔がちらちらと浮かんでくる。

「・・・軽薄って・・・何よ。失礼なこと、言わないで」

瑠璃さんの声がぐんと一段、低くなった。

そこで止めておけば良かったのに、止まらなかった。

「瑠璃さんは最近、少し、浮ついているようにぼくには見えるけどね。ケンを平気で家に呼ぼうとしたり、代田を名前で呼んだり。夫として、そういう妻を見ているのは心配だね」

「・・・・・」

口を一文字に結び、瑠璃さんが怒っているのは明らかなのに、ぼくを言うのを止めなかった。

「今日だってそうだろう。代田に向かってチャラチャラした態度で・・・」

「チャラチャラなんてしてないわよ!」

怒りのためか、顔を赤くした瑠璃さんが大きな声をあげた。

「失礼なこと言わないで!誰がいつ、チャラチャラ・・・」

「夫たるぼくのキスは拒むくせして、他のオトコに肩を抱かれて嬉しそうにしてたじゃないか!そういうのをチャラチャラって言うんじゃないのか!」

瑠璃さんの言葉を遮り、怒鳴り返す。

・・・しまった。言い過ぎた・・・!

すぐにそう思ったけど、かと言って、一度、口から出てしまった言葉を回収することは不可能で、ぼくはムッと黙り込んだ。

瑠璃さんは目を大きく見開いて、少し唇を噛み、ぼくを睨んでいたかと思うと、ずんずんとぼくに近づいてきた。

どうせ平手打ちでもされるんだろう・・・と、甘んじて受けるつもりで立っていると、瑠璃さんはどんと身体ごとぶつかり、思う間もなく唇が触れた。

触れたなんてもんじゃない。

歯がガツンとぶつかり、気が付いたら、瑠璃さんが目の前で真っ赤な顔をして立っていた。

「る、瑠璃さん・・・・」

状況が把握できずに呟くと

「お望み通り、キスしたわよ!これで満足なんでしょ?!」

そう怒鳴ると、瑠璃さんの目から大粒の涙がぼろぼろと流れた。

「キスしたら高彬はあたしを信用してくれるんでしょ?それともキスだけじゃだめ?それ以上のこともしなきゃ信じてくれないって言うんなら、好きにしなさいよ!」

流れる涙をぬぐおうともせずに、瑠璃さんは一気にまくしたてた。





*** to be continued ***


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**現代編***  You Can't Hurry Love !21 ***

『なんて素敵にジャパネスク~二次小説*現代編』




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You Can't Hurry Love !21








そのまま瑠璃さんの席に向かい、肩に回っている代田の腕に手をかけた。

驚いて振り向いた代田は、ぼくの顔を認めるとニヤッと笑った。

「何、怖い顔してるんだよ。藤原」

「手、離せよ」

「やだって言ったら?」

「・・・表に出ろと言うしかないだろうな」

「高彬!」

なじるような瑠璃さんの声を無視して、代田を睨みつける。

「望むところだ・・と言いたいところだけど、剣の達人に挑戦するほど、俺は馬鹿じゃないからな」

代田は回していた腕を外し、それでも

「おまえ、少し心がせまいんじゃないのか。別におまえの奥さんを取って喰おうってわけじゃないんだし、久し振りのクラス会なんだから、多少のスキンシップくらい多めに見ろよ」

不敵に笑ってみせた。

いつの間にか、皆、黙り込み、ぼくたちの方を注目しているようだった。

「あいにく、ぼくはおまえみたいに心が広くないんでね。クラス会にスキンシップが必要とは思えない」

「固いこと言うなよ。瑠璃ちゃんも息苦しいんじゃないのか」

「・・・おまえに関係ないだろ」

瑠璃さんも息苦しいんじゃないのか、の言葉に、一瞬、言葉が詰まり、それでも精一杯の虚勢を張って答えると

「藤原、頑張れ!」

「代田くん、頑張って!瑠璃を奪っちゃえ!」

と、回りが面白がって野次を飛ばし始めた。

「瑠璃ちゃんを奪って欲しいって声もあるみたいだぜ」

そういうと代田は立ち上がって、回りに向かい

「俺が瑠璃ちゃんを奪う、に千円賭けるやついるかー」

と面白そうに声をかけた。

「はーい」「はーい」といくつもの手があがり、皆の笑い声がどっと上がった。

「黙れ!」

皆を大声で怒鳴りつけ、代田に向かい

「冗談はいい加減にしろよ。それ以上、言ったら表に引きずり出すぞ」

低い声で言ってやると、代田はイスに座り直しながら

「相変わらず冗談の通じないやつだな、おまえは」

そういって、お手上げだ、とでも言うように手を振った。

店内には何とも微妙な空気が流れ、そこを救ったのは名関だった。

「さ、皆。余興は終わりよ。乾杯し直しましょ」

その声に皆、今の出来事なんか忘れたように話の輪が出来始めた。

さすがに瑠璃さんは、まだ戸惑っているようで、このまま話の輪に入るべきか悩んでいるようだった。

「帰ろう、瑠璃さん」

声をかけると、瑠璃さんは

「え、でも・・・まだ・・」

ちらちらとクラスメートの方を見る瑠璃さんの横では、代田がコトの成り行きを楽しそうに見ている。

「帰ろう」

「・・・・」

困惑したような顔の瑠璃さんと、代田のニヤニヤした顔が目に入る。

「帰るぞ。瑠璃」

いつまでも席を立たない瑠璃さんに強く言い、歩き出すと

「・・・もう!高彬ったら・・!待ってよ」

ぶつぶつと言いながらも瑠璃さんは後を付いてきた。

皆に「ごめんね。またね」と言っている瑠璃さんの声を背中に聞きながら、さっさと歩く。

駐車場に向かい、車を出す。

黙って運転するぼくの隣で、瑠璃さんもずっと黙ったままだった。





*** to be continued ***



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**現代編***  You Can't Hurry Love !20 ***

『なんて素敵にジャパネスク~二次小説*現代編』




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You Can't Hurry Love !20







目が会うと、瑠璃さんはさっと目をそらし、でも、またちらりとぼくを見た。

何か言いたそうな顔にも見えるし、ただ睨んでいるようにも見える。

誰かに話しかけられた瑠璃さんは、すぐに話の輪に戻っていき、そのままぼくの方を見なくなったので、ぼくも視線を元に戻した。

いつまでも女子と話してても仕方がないので、適当な理由をつけて席を替わってもらい、男の方に移った。

最初は瑠璃さんとの結婚のことを色々聞かれたけど、すぐに大学の話や高校での思い出話に話題は移っていき、しみじみと男友達っていうのは付き合いやすいなぁ・・・と思っていたら、ふと、瑠璃さんが席を立つのが目に入った。

そのまま洗面所に向かって歩き出すので、なんとなくぼくも席をたった。

「瑠璃さん」

皆から見えないところに来たところで呼び止める。

「さっき、何か言いたそうだったけど・・・」

振り返った瑠璃さんは、久しぶりの友達との会話の高揚感が残ったままの顔をしていて、だけどぼくを見ると、少しムッとした顔になった。

「きちんと断らないのはどっちよ」

「は?」

「期待を持たせるようなことするなって人には言っておいて、自分は女子に囲まれてニヤニヤしちゃって」

「なんだよ、それ。いつ、ニヤニヤなんてしたんだよ」

「さっきよ。女子に『結婚を早まった』なんて言われて満更でもなさそうな顔してたじゃない」

「してないよ」

「そういう時は、きっぱりと断らなければいけないんじゃないの?」

「何言ってるんだよ。あんなの真に受けて、本気で断るバカが・・・」

そこまで言うと、瑠璃さんは肩をすくめた。

「でしょ、自分のことなら、そう思うんでしょ」

「・・・・・」

瑠璃さんは踵を返すと、そのまま席に戻って行ってしまった。

ぼくは大きく息を吐いた。

瑠璃さんの言いたいことはわかる。

だけど・・・代田が瑠璃さんに言い寄ってくるのと、クラスの女子がぼくに意味ありげなことを言ってくるのでは意味が違うだろう・・・と思う。

瑠璃さんは男女差別だって怒るかもしれないけど。

実際、女子がぼくを押し倒すことは体力的に無理だけど、代田が瑠璃さんを、なら、わけもないことじゃないか。

まして、相手は遊び人の名声高い、代田だぞ。

瑠璃さんはそういうことをわかっていないんだ。

しっかりしているようで、世間知らずで危なっかしい。

自分がどれだけ魅力的かもわかっちゃいない。

「あら、藤原くん。姿が見えないかと思ったらこんなところに」

声を掛けられて振り向くと名関が立っていた。

「席、戻ったほうがいいわよ」

洗面所に向かいながら、意味ありげにぼくの肩を叩く。

「し・ろ・た・く・ん。ちゃっかり瑠璃の隣をキープしてるわよ」

ひらひらと手を振りながら洗面所に入っていく名関を後に、ぼくは急いで席に戻った。

座りながら瑠璃さんの方を見ると、確かに代田が隣に座っていて、身を乗り出すように瑠璃さんに話しかけている。

代田が何か言うたびに瑠璃さんは笑い、頷いたり首を振ったりしている。

ふいに代田が瑠璃さんの頭に手を乗せ、ポンポンと軽く叩いた。

驚いた顔の瑠璃さんの頬がさっと赤くなり、次いで、代田が瑠璃さんの肩を抱き寄せた。

ガタン。

ぼくは席を立ち上がった。





*** to be continued ***



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