更新情報

<2017. 5.22> 乳姉妹ブログ『高彬ボーイ<8>』更新しました!New!

<2017. 5.22> 『教師編<運動会編>』更新しました!New!

<2017. 5.22> 『古典シリーズ*リスト』作成しました!New!

<2017. 5.21> 乳姉妹ブログ『高彬ボーイ<7>』更新しました!

<2017. 5.21> 古典シリーズ『《続》今は昔。<新釈・竹取物語>1』更新しました!

<2017. 5.19> 乳姉妹ブログ『年下の男の子<3>』更新しました!

<2017. 5.18> 短 編『蝶よ花よ、と。』更新しました!

<2017. 5.17> 乳姉妹ブログ『瑠璃ガール<7>』更新しました!

<2017. 5.17> 『社会人編<71>』更新しました!

<2017. 5.16> 乳姉妹ブログ『年下の男の子<2>』更新しました!

<2017. 5.15> 乳姉妹ブログ『年下の男の子<1>』更新しました!

<2017. 5.15> 古典シリーズ『今は昔。<新釈・竹取物語>最終話』更新しました!

<2017. 5.14> 乳姉妹ブログ『瑠璃ガール<6>』更新しました!

<2017. 5.13> 古典シリーズ『今は昔。<新釈・竹取物語>19』更新しました!

<2017. 5.13> 乳姉妹ブログ『瑠璃ガール<5>』更新しました!



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** コメント専用 **

いつもたくさんの拍手やコメントをありがとうございます。

今まで拍手コメントへの返信を「更新情報」の中でしていましたが、そうすると読んでもらう前に下げてしまうこともあると思いますので、これからはコメントいただけるときは「コメント欄」からお願いしたいと思います。

どの記事にコメントをいただいても大丈夫ですが、こちらもご利用ください。

(いただいたコメントは、その記事に返信をいたします。非公開さまへの返信はイニシャルを書かせていただきます)


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ごあいさつ<最初にお読みください>

当ブログ管理人の瑞月(みずき)です。

ご訪問いただきありがとうございます。

気が付けばジャパネスクと出会ってから30年近くもたっていました。

何回読んだか、わからないくらいです。

感想や思ったことなど、自分自身の「まとめ」の意味でも書いていこうと思いたちましした。

好きすぎるゆえの辛口のつっこみなどもありますが、1ファンの勝手な感想ということでご容赦ください。

二次小説なども、アップしていくつもりです。

二次小説と言っても、瑠璃と高彬のいちゃいちゃぶりとか、そんな感じのお話です。

あまりにあからさまな表現はとっておりませんが、少しきわどいシーンもあります。

これまた1ファンの勝手な妄想としてご容赦願います。
1話完結のものもありますが、順番で読んでいただいた方がわかりやすいものもあります。

タイトルに「第○話」とふってあります。

ブログの特性上、最新作が一番上の記事になってしまいますのでご了承ください。

その話によって設定が違ってくることもあります。(瑠璃たちの結婚前、結婚後とか)

カテゴリーである程度は分けてありますので、興味のあるところからお読みください。

また、当ブログは原作に沿っておりますので、カップリングは瑠璃×高彬のみです。

読後のクレームなどは受け付けておりませんので、ご自身の判断でお読みになってください。

また、全てを読破した上での感想ですので、どれもこれもがネタばれとなりますので、未読の方はご注意くださいませ。

当ブログはリンクフリーではありません。

リンクをご希望される場合はご連絡くださいますようお願いいたします。(ブログの内容によってはご希望に添えない場合もございます)

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『「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ』及び、乳姉妹ブログ『「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ*plus』に頂いたコメントの著作権は当ブログに帰属します。

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注)当ブログは原作者さまや出版社さまとは一切関係がございません。


<2016.11.24改訂>


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乳姉妹ブログ「高彬ボーイ<8>」更新しました!

瑞月です。

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乳姉妹ブログ「あれこれプラス」に「高彬ボーイ<8>」をアップしました。


明日は子どもの運動会なので、更新が出来ないかも知れません。
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教師編<運動会編>

拍手SSとして書いていた「教師編」の続編です。今回は記事としてあげます。




「瑠璃×高彬<教師編>**運動会** 」




良く晴れた───と言うには、晴れ過ぎたくらいの土曜日。

今日は全校挙げての運動会である。

5月だと言うのに、予報では最高気温は30度になると言っており、なるほどまだ8時前なのに、真夏のような陽射しが照り付けている。

職員室の自分の席で、そろそろ教室に向かおうと準備をしていると、ガラッとドアが開き、見ると瑠璃さんだった。

運動会と言う事で、上下ともスポーツウエアを来ており、髪は少し高い位置で結わっている。

胸に抱えるように封筒を持っていて、歩くたび、髪が左右に揺れるのが・・・・可愛い・・・。

「・・・先生。藤原先生?」

ハッと気が付いたら瑠璃さんが立っていて、ぼくの目の前で手を振っている。

「あ、あぁ・・、瑠璃先生・・・」

「大丈夫ですか?何だかぼぉっとして。もしかして熱中症?」

「いや、まさか。ちょ、ちょっと考え事してただけだから」

まさか瑠璃さんに見惚れていたとも言えず適当にごまかすと、瑠璃さんはさして疑うこともなく

「そう、ならいいけど」

と頷いた。

「そろそろ教室行かないと」

「そうね」

瑠璃さんとはクラスが隣同士なので、連れ立って職員室を後にする。

階段を上がり3階に4年生の教室がある。

「今日、持ってきたわよ」

「え、何を」

階段の踊り場で瑠璃さんに小声で言われ、思わず聞き返してしまった。

何か、瑠璃さんにお願いしてたものなんてあったかな。

「お弁当」

「・・・あ」

思い出した。

数週間前の学校帰り、テストの丸付けですっかり遅くなってしまい、瑠璃さんと夕飯を食べて帰ったことがあった。

誘ったのはぼくだし、ぼくが払おうとしたら瑠璃さんは自分も払うと言い張り、それでぼくは

「じゃあ、運動会の日にお弁当作ってよ」

と言ったのだ。

食事中に「運動会の日は給食がないからお弁当作らなきゃいけない」と言うような会話をしたせいもあった。

ぼくとしては、瑠璃さんに奢る口実みたいなもんで、本当に弁当を作ってもらおうと思ってたわけじゃないんだけど・・・

でも、そうか、本当に作ってきてくれたのか。

「もしかして、何か持って来てた?」

ぼくが返事しないのを何と思ったのか、瑠璃さんが心配そうに顔を覗き込んできた。

「いや、何も用意はないよ、店屋物でも取ろうと思ってたから」

慌てて言うと

「良かった」

瑠璃さんはホッとしたように笑い、髪を揺らしながら教室に入っていった。

瑠璃さんが教室に入ったのを見届けて、ぼくも教室に入る。

普段から落ち着きのない子どもたちは、運動会と言う事もありさらに浮き足立っているように見える。

「皆、席に付け。朝のホームルームの時間だぞ」

手を叩きながら促すと

「あ~、藤原先生、何か良いことあったでしょ?」

クラスのリーダー格の女子、梶原が声を張り上げた。

「え?」

「だって何だか、顔がニヤけてるもーん。藤原先生、顔に出過ぎ!」

クラス中がドッと笑い

(この声が隣に聞こえてないといいな)

と願わずにはいられなかった。

しかし、この勘の良さ、4年生と言えども女は女なんだな。末恐ろしい・・・

5.6年有志からなる吹奏楽部の高らかなファンファーレで幕を開けた運動会は大盛り上がりだった。

砂ぼこりを物ともしない子どもたちの白熱した競技が続き、午前の最後の種目はPTA主催の『借りもの競争』だ。

紅白のタスキを掛けた保護者と教師が出場し、点数は加算されないけど、毎年かなりの盛り上がりを見せ、運動会の名物種目となっている。

今年はぼくも出ることになっていて、スタートラインに並んだ。

ホイッスルの合図で走り出し、地面に置かれた紙を拾い上げる。

書かれていた<指令>の言葉を見て───

「・・・・」

少し考えて、瑠璃さんの姿を探した。

瑠璃さんはどこだ、どこにいる。

キョロキョロと見回していると───いた!

クラスの応援席に子どもたちと座り、ポンポンを片手に持って声を出している。

「瑠璃先生!瑠璃先生!来て!」

ダッシュで応援席に近づき手招きをした。

「へ?あたし?」

きょとんとする瑠璃さんの手を取り、そのまま走りだすと、割れんばかりの拍手と歓声とヤジが響き渡った。

手を繋いだままゴールテープを切ると、すかさず放送係りの梶原がやってきて、ぼくの手にあった紙を取りあげる。

「1位は4年の藤原先生でした~」

梶原は紙をわざとらしく読む仕草をすると

「借り物競争の<指令>は・・・」

ニヤッとぼくの方を見て

「好きな人、です!」

さっきよりも大きな歓声と笑い声、ヒューヒューと言う囃し立てる声が響き渡り───

ぼくは慌ててマイクを取りあげた。

くっそー、梶原のやつ。

まったくの嘘を言いやがって。

すかさず訂正をする。

「<好きな人>なんて書かれてない!<可愛い人>と書かれていたんだ!」

一瞬、シンと水を打ったように静まり返った後、大歓声が沸き起こった。

梶原は身体を二つに折って笑いだし、瑠璃さんはと言うと、ゆでだこみたいに真っ赤な顔をして口をパクパクさせている。

運動会は、学校史に残るほどの大盛況のうちに終わり、だけどぼくは、しばらく瑠璃さんに口を利いてもらえないと言う憂き目にあうことになった。

そのぼくがどうやって瑠璃さんの恋人の座を射止めたかは───

その話はまた別の機会に譲ろうと思う。




~fin~


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古典シリーズ*リスト

瑞月です。

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カテゴリ「古典シリーズ」の下に置いておきますので順番にまとめて読むときなどにお使いください。


今は昔。<新釈・竹取物語>1

今は昔。<新釈・竹取物語>2

今は昔。<新釈・竹取物語>3

今は昔。<新釈・竹取物語>4

今は昔。<新釈・竹取物語>5

今は昔。<新釈・竹取物語>6

今は昔。<新釈・竹取物語>7

今は昔。<新釈・竹取物語>8

今は昔。<新釈・竹取物語>9

今は昔。<新釈・竹取物語>10

今は昔。<新釈・竹取物語>11

今は昔。<新釈・竹取物語>12

今は昔。<新釈・竹取物語>13

今は昔。<新釈・竹取物語>14

今は昔。<新釈・竹取物語>15

今は昔。<新釈・竹取物語>16

今は昔。<新釈・竹取物語>17

今は昔。<新釈・竹取物語>18

今は昔。<新釈・竹取物語>19

今は昔。<新釈・竹取物語>最終話

***

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>1

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>2

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>3

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>4

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>5

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>6

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>7

《続》今は昔。<新釈・竹取物語>8



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***古典シリーズ*** 《続》今は昔。<新釈・竹取物語>1

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』






注)原作の設定を大きく逸脱した部分を含むお話です。閲覧は自己責任でお願いいたします。
               
        






***古典シリーズ*** 《続》今は昔。<新釈・竹取物語>1 ***






薄らと開いた目に飛び込んできた見慣れぬ天井に、一瞬(ここはどこだろう・・・)とぼんやりした頭で考える。

鳥の囀りと同時に、すぐに吉野の山荘であったことを思い出したぼくは、隣を見て、慌てて飛び起きた。

瑠璃さんがいない。

部屋には強くなった陽射しが入り込んできており、どうやら、あの後、すっかり眠り込んでしまったらしい。

あの後、と言うのは、明け方、二度目に瑠璃さんに手を出してしまった後、と言うことなんだけど。

邸内に人の気配はあるのだけど、ウロウロと出て行くのも失礼だし、さてどうしたものか・・と思っていると、衣擦れの音がして瑠璃さんが現れた。

すっかり着替えを済ませている。

「あ、起きたのね、高彬。・・・何よ、変な顔して」

夜具のそばに座りながら言い、ぼくの顔を訝しそうに覗き込んできた。

「いや、目が覚めたら瑠璃さんがいなかったから、てっきり本当に狐に化かされたんじゃないかと思ってたんだ」

「ひどい」

瑠璃さんは唇を尖らせ、目を細めてぼくを睨みつける振りをして───

そうして2人で吹きだしてしまう。

「すっかり寝過ごしてしまって面目ないよ」

「ううん、疲れてたのよ、きっと。京から休まずに吉野入りしたんだもの」

「うん」

「小萩がね、朝餉の用意が出きたから持ってくるって。着替えられる?」

「うん」

瑠璃さんに手伝ってもらいながら、簡単に着替えを済ませると、ほどなくして小萩を先頭に数人の女房らが部屋にぞろぞろと入って来た。

皆、手に高杯を掲げ持っている。

ぼくと瑠璃さんの前に置き、その中に見慣れない杯を見つけて、ぼくと瑠璃さんは顔を見合わせた。

銀の杯の上に、丸い餅がある。

「小萩、これは・・」

「三日夜の餅でございます」

瑠璃さんの問いに小萩は顔を上げないままに言い

「ほんの気持ちばかりの真似事ですが・・、急いでご用意いたしました」

さらに頭を下げた。

「小萩・・・」

呟く瑠璃さんの顔が見る見る真っ赤になっていき、それを見ているぼくも、身体中がかぁっと熱くなる思いがする。

良く見ると、平伏している小萩も耳が赤いようで、この分だときっと顔も赤いに違いない。

小萩たちが退がって行った部屋で、ぼくたちはしばらく銀杯を前に黙り込み

「小萩にはバレてたのねぇ・・」

しみじみと瑠璃さんが言い

「・・うん」

ぼくも頷いた。

「三日夜の餅は、三日通った後の正式な露顕で食べるものなのに・・・」

「うん・・」

「小萩ったら本当に気が早いんだから、イヤになっちゃう」

「・・うん」

言ってる内容とは裏腹に、瑠璃さんの口調は湿りがちで、少し涙ぐんでいるようにも見える。

「せっかくだからいただこうよ。ぼくはどうしたらいいんだっけ?」

「三つを食べるのよ。一口で」

「そうか」

ぼくは銀杯から小さな餅を指で摘むと、口に放り込み三つを平らげた。

その間、瑠璃さんは真面目な顔でじっとぼくの顔を見ていた。

「瑠璃さんはどうするの?何個食べるの?瑠璃さんも三つ?」

「ううん、女の人は何個でもいいの。一個でも二個でも」

「じゃあ全部、どうぞ」

「そんなに食べないわよ。やぁねぇ、人を食いしん坊みたいに言って」

また瑠璃さんは頬を膨らませ、でも、すぐに真面目な顔に戻ると、餅に手を伸ばした。

小さな桜色の指先が餅を摘み、そのまま口に運ぶ。

真面目な顔で咀嚼していた瑠璃さんの口元が一瞬、歪んだと思ったら、ぽろりと涙が頬を伝った。

思わず流れた涙を、恥じるように瑠璃さんはごしごしと手で涙を拭き

「美味しい」

真っ赤な目で笑う。

「うん」

ぼくも笑って頷き返しながら、瑠璃さんを抱き寄せる。

抱きしめずにはいられなかった。





<続>


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***短編*** 蝶よ花よ、と。 ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は一話完結です。


『らぶらぶ万歳サークル』さまに出品した作品の再録です。
今回のお題は「蝶」でした。

<おまけの話>下にあります。
          
           





***短編*** 蝶よ花よ、と。 ***








「と言うわけで、瑠璃さん、くれぐれも・・」

「大丈夫よ、この瑠璃に任せなさいって」

後宮へと向かう牛車の中、瑠璃さんは元気いっぱいに自分の胸を叩いて見せた。

胸を叩かれて見たところで不安は払拭されず、それどころか増すばかり、いや、有り体に言って不安しかない。

「・・・・」

ぼくはもう何度目かも知れないため息を吐いた。

姉上、つまりは承香殿女御さまの呼び出しで瑠璃さんを後宮に連れて行く最中なのだけど、これはもうパターン化してると言っていいほどのお決まりコースなのだ。

遊び好きの姉上が瑠璃さんを呼び寄せ、それに瑠璃さんがホイホイと乗る───

そうして毎回毎回ぼくは反対し、そうすると、これまた毎回毎回、姉上は

「そんなに心配なら、高彬、あなたも見張り役として同行して来たらいいではありませんか」

と仰られ、こうして牛車で三条邸に向かえに行く・・・

とまぁ、大体、いつもこういうパターンを辿ることになるのだ。

久しぶりに着飾った瑠璃さんは「重い、苦しい」と言いつつも満更でもなさそうで、機嫌よく牛車に揺られている。

「瑠璃さん、とにかく、もし話すことになったとしても適当にはぐらかすんだよ。決して本当のことをペラペラと喋ったりしないようにね」

「分かってるわよぅ」

とうとう瑠璃さんは頬を膨らませてしまい、ぼくは慌てて口をつぐんだ。

何も怒らせようとか、ましてや喧嘩をしようと思っているわけじゃない。

ただ何と言うか、今回は目的が目的なだけに、ぼくもついつい繰り返し口うるさいことを言ってしまうのだ。

今回の目的───

なんて言うと仰々しいけれど、今回、姉上が瑠璃さんを呼んだ理由は

「春ですし、女同士で楽しい時間を過ごしましょう」

とのことで、姉上は瑠璃さんの他にも妹の由良や気心の知れた女官たちを呼び集めていると言う。

そこで何をするかと言うと、まずは賽の目を振って「お題」を決め、くじで当たった人はそのお題について打ち明け話をしていく・・・

と言うことをするらしいのだ。

本当かどうか知らないけど、宮廷の女房たちの間で流行っている遊びらしい。

もちろん「お題」が「昨日、食べたものは?」や「好きな動物は?」なんてことになるわけはなく、まぁ、要は恋愛絡みの話になる、と、つまりはそう言うことらしい。

一体、それのどこが「楽しい時間」を過ごすことになるのかさっぱりわからないけれど、女の人同士、えらく盛り上げるらしいのである。

しかも、通常だったら「当たった人」が話して行くところを、今回は当たった人以外は全員話して行く、と言うローカルルールを姉上は作ったらしいのだ。

と言う事は、5人いたら4人は話すと言う事で、これはもう話すも同然、と思っていた方がいいと言うわけだ。

姉上や由良、後宮の女官たちの前で、瑠璃さんがぼくとの恋のあれこれを話すだなんて、想像するだに怖ろしい・・というものである。

何が「楽しい時間」を過ごしましょう、だ。

ホラーじゃないか。

何度も来ている勝手知ったる後宮、と言う感じで、瑠璃さんが渡殿を歩く姿はすっかりサマになっており、ぼくの胸中は複雑である。

「お待ちしておりましたわ、瑠璃姫」

部屋に入って行くと、姉上以下、由良も女官たちも勢揃いしていた。

その数ざっと十数人・・・

この中で瑠璃さんが恋の暴露話をするのかと思うと、陽光溢れる春だと言うのに、寒さで身震いがしてくる。

姉上は瑠璃さんを部屋の中央に招き入れ、ぼくは邪魔者と言う事で、部屋の隅も隅、廂の端っこに追いやられてしまった。

さすが姉弟となると遠慮という物がない。

「さて、さっそくですが始めましょうか」

姉上がそう言うと、控えていた女房たちは心得顔で格子を下ろし、妻戸を閉め始めた。

なんだなんだ、と思っていたら、姉上は手元にあった小さな籠の蓋を開け───

次の瞬間、一匹の蝶が飛び立った。

ポカンと口を開けてるのはぼくだけで、どうやら皆にはとうに分かっていた段取りらしく、にこやかに蝶を目で追っている。

「蝶が留まった人が『当たり』だなんて、さすがはお姉さまですわ」

由良が尊敬のまなざしを姉上に向け、ここにきてようやくぼくにも理解が出来た。

つまりは今、由良が言った通り、蝶が留まった人が当たり、───話さなくても良い人、と言うことなのだろう。

「雅ですわぁ」

「本当、春にぴったり・・」

女官たちがため息混じりに感嘆の声をあげ、恋の暴露話をする時点で「雅」とは掛け離れてると思うんだけど、ここでそれを口にする勇気はさすがになかった。

多分、総攻撃を喰らって終わりだ。

姉上が賽を振りお題が決まる。

最初のお題は「初めての接吻」で───

クラクラと眩暈がしそうになる。

ここで瑠璃さんがぼくとの接吻のことを話すと言うのか?シチュエーションとやらを?

知らぬが仏とは良く言ったもので、今回ばかりは同行してきたことを悔やんでしまった。

部屋の中をヒラヒラと蝶が舞い飛び

(どうか瑠璃さんに留まってくれ!)

と心の底から念じてしまう。

瑠璃さんに悪い虫が付かないようにと願ったことはあったけど、まさか、虫──蝶が留まってくれと願う日がくるとは思いもしなかった。

蝶はやがて羽を休める場を定めたようで・・・

ぼくの願いが通じたのか、蝶は瑠璃さんの頭に留まった。

歓声が上がり、瑠璃さんも笑っている。

暴露話が一巡し、次のお題のために姉上が賽を振り、次のお題は「言われて一番嬉しかった言葉は?」に決まり、そうして蝶は籠から飛び立ち───

またしても瑠璃さんに留まった。

その後も百発百中で蝶は瑠璃さんに留まり、瑠璃さんは暴露話を披露することなく後宮を後にすることになった。

「本当に良かったよ、瑠璃さん。どうしてだか蝶が瑠璃さんを好いてくれて」

帰りの牛車の中、安堵のため息を漏らすと、瑠璃さんはクスクスと笑い出した。

「やぁねぇ、蝶に好かれてるなんてことがあるわけないじゃない」

「でも、毎回、蝶は瑠璃さんに留まったじゃないか」

「あれは蝶が留まるように、花の蜜を頭に付けていったのよ」

「え」

「だってイヤじゃない。いろいろ話すなんて・・」

瑠璃さんは小さく唇を尖らせると

「高彬はそれでいいの?皆に話して」

恨ずるような目をぼくに向けてきた。

「イヤだよ、そんなのは2人だけの・・・その、秘め事と言うか・・・さ」

「・・・そうでしょ?うん、・・そうよね・・」

小さな声でぶつぶつと呟き、薄っすらと頬を赤らめている。

「・・・」

うん、そうだよな。

瑠璃さんはそんな話を得々と皆の前で話すような人じゃない。

口が悪くてはねっ返りなようでいて、ここぞと言うところはしっかりと恥ずかしがり屋な女の子なのだ。

正装し頬を赤らめている瑠璃さんは、陳腐な言い回しだけど、どこからどう見ても可憐な一輪の花のようで───

そうして、これまた陳腐な言い回しだけど、ぼくは花の回りを飛び回る蝶のように身体を寄せて行くと、瑠璃さんが付けたと言う蜜の匂いを嗅ぐ振りをして、すばやく額に接吻をしたのだった。






<終>






<おまけの話>





カタンと音がして牛車が止まった。

どうやら三条邸に着いたみたいで、あたしは高彬の肩を押して身体を引きはがした。

「え、何・・」

「何って。着いたのよ、三条邸に」

「あぁ、そうか・・・、もう着いたのか・・」

ぼんやりしたように言う高彬をあたしは軽く睨み付けてやった。

高彬ったら牛車の中で、ずっと接吻してるんだもの。

牛車が止まったことにも気が付かないくらい集中してるってどうなのよ・・

少し開きかけた合わせを、急いで整える。

簾の向こうでは出迎えの女房たちの声がしているし、まさか急に簾を上げられるってことはないだろうけど、それでもドキドキしてしまう。

「お帰りなさいませ、少将さま、姫さま」

車から降りたあたしたちに向かって女房らが口々に言い、高彬は軽く頭を下げて合図なんかしている。

その姿はどこからどう見ても輝ける立派な貴公子で、ついさっきまで妻の唇をついばんでいた人とは思えない。

渡殿を歩きもうじき部屋に着くと言う直前、前を行く高彬がふいに振り返った。

何かを言いかけ、はっとしたように表情を止めると、そのまま瞬きをしないでゆっくりと近づいてきた。

どこか一点を凝視してるんだけど、あたしの目を見てるわけじゃなく、もう少し上の方。

「瑠璃さん、動かないで」

小声で鋭く言い、足音を立てないようにどこか緊張したようにそろそろと歩きながら、片手を前に差しだしている。

「え、何よ、何・・・」

高彬の様子が変で、あたしはあたしで瞬きをしないで高彬を凝視していると、急に鼻がムズムズしてきて

「くしゅんっ」

とくしゃみが出てしまった。

「あーあ」

その途端、高彬の身体から緊張が解け、さらに上の方に目が泳いだ。

「今のくしゃみのせいで蝶が飛んで行っちゃったよ」

「蝶?」

「とまってたんだ、瑠璃さんのここに」

あたしが蜜を付けていた辺りを指さし

「瑠璃さんが変なところで、くしゃみなんかするから」

横目で見ながら文句を言う。

「仕方ないじゃない、くしゃみなんだもの、我慢なんか出来ないわよ」

「まぁ、確かにね」

言い合いながら部屋に入り、それぞれの定位置に座った。

「それにしても今日は緊張したな」

「緊張?どうして?座ってただけじゃない」

「瑠璃さんに順番が当たって、何か言われんじゃないかとヒヤヒヤしたよ」

心底ヒヤヒヤしたような顔で胸を押さえながら言うので、吹きだしてしまう。

「大丈夫よ。例え当たったって本当のことなんか言う気なかったもの」

「そうか」

安心したように頷いて白湯を一口飲み

「ところでさ、瑠璃さん」

「なぁに」

「瑠璃さんが、ぼくに言われて一番嬉しかった言葉ってなんだったの?」

「・・・」

「まぁ、初めての接吻は、ぼくも当事者だから聞かなくてもわかるけど、言われて嬉しかった言葉って言うのは何なのか、興味あるなぁ」

「・・・」

「教えてよ」

「うーん、どうしよっかなぁ・・」

あたしは難しい顔を作って腕を組み、考える振りをした。

ま、教える気はないんだけどね。

「これはあたしだけの秘密にしておきたいのよねぇ」

勿体ぶって言うと、高彬はさらに身を乗り出してきた。

「後学のためにもさ、瑠璃さんを喜ばせたって言うぼくの言葉を教えてよ」

「・・ふふふ」

高彬の熱心さに思わず忍び笑いが漏れ、口元を袖口で押さえていると

「あ、瑠璃さん。動かないで」

さっきと同じように高彬がするどく言い、やっぱり同じ辺りを凝視している。

「え?何?蝶々?とまってるの?」

頷くと、高彬はゆっくりと一点を凝視しながら近づいてきて、今度こそは捕獲に協力しようと身動きせずに息さえ潜めていると

「捕まえた」

あたしは高彬に抱きしめられていた。

「へ?・・え・・、蝶は?」

「・・・」

「もしかして、あたしを捕まえたの?」

「そういう事」

ポカンとするあたしににっこりと笑い、すかさず唇を合わせてくる。

優しく、まるで花の蜜を吸うみたいな接吻───

これじゃあ、あたしが花で、高彬が蝶ね。

花びらを数えるみたいにお衣裳を脱がされながら、あたしは高彬に気付かれないように心の中だけでひっそりと笑った。

言われて嬉しかった言葉、もしかしたら今日も聞けるかも知れないわ・・・

あたしが一番、嬉しかった言葉。

それは、閨の中で高彬があたしを呼ぶ、あの声。

切なげで、少し掠れてて───

閨の中でしか聞けない高彬の声。高彬の言葉。

そんなこと、高彬にだって言えるわけないわよね・・・

花びらになったあたしは目を閉じて、蜜を吸う蝶に身体を委ねたのだった。





<おしまい>


切なげで、少し掠れてる閨での高彬の声、聞いてみたいもんだと思っていただけましたらクリックで応援をお願いいたします。
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