更新情報

<2018 .6.25> 『社会人・恋人編<98>』更新しました!New!

<2018 .6.14> 『素敵な情報をありがとうございます!』更新しました!

<2018 .6. 9> 『社会人・恋人編<97>』更新しました!

<2018 .5.31> 『お知らせ』更新しました!

<2018 .5. 27> 『<短編> 月下の恋人~<続々>One spring day【後編】』更新しました!


(←お礼画像&SS付きです)

ごあいさつ<最初にお読みください>

当ブログ管理人の瑞月(みずき)です。

ご訪問いただきありがとうございます。

気が付けばジャパネスクと出会ってから30年近くもたっていました。

何回読んだか、わからないくらいです。

感想や思ったことなど、自分自身の「まとめ」の意味でも書いていこうと思いたちましした。

好きすぎるゆえの辛口のつっこみなどもありますが、1ファンの勝手な感想ということでご容赦ください。

二次小説なども、アップしていくつもりです。

二次小説と言っても、瑠璃と高彬のいちゃいちゃぶりとか、そんな感じのお話です。

あまりにあからさまな表現はとっておりませんが、少しきわどいシーンもあります。

これまた1ファンの勝手な妄想としてご容赦願います。
1話完結のものもありますが、順番で読んでいただいた方がわかりやすいものもあります。

タイトルに「第○話」とふってあります。

ブログの特性上、最新作が一番上の記事になってしまいますのでご了承ください。

その話によって設定が違ってくることもあります。(瑠璃たちの結婚前、結婚後とか)

カテゴリーである程度は分けてありますので、興味のあるところからお読みください。

また、当ブログは原作に沿っておりますので、カップリングは瑠璃×高彬のみです。

読後のクレームなどは受け付けておりませんので、ご自身の判断でお読みになってください。

また、全てを読破した上での感想ですので、どれもこれもがネタばれとなりますので、未読の方はご注意くださいませ。

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『「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ』及び、乳姉妹ブログ『「なんて素敵にジャパネスク」あれこれ*plus』に頂いたコメントの著作権は当ブログに帰属します。

公開しているコメントの、当ブログ外への持ち出しや無断転載は固くお断り致します。


注)当ブログは原作者さまや出版社さまとは一切関係がございません。


<2017.10.21改訂>


(←お礼画像&SS付きです)

社会人・恋人編<98>

大馬鹿者と言われた曽茅野氏は、顔色を変えることなく瑠璃さんの話に耳を傾けている。

だけど、そのポーカーフェイスが見ようによっては瑠璃さんの話の先を促しているようにも見え───






─Up to you !Ⅱ─<第98話>






「阿矢さんがあなたの前から姿を消したのは、あなたからのプロポーズが嫌だったわけではないの。むしろ嬉しかったはずよ」

「・・・・」

「引け目を感じてしまうくらいにね」

「・・引け目?」

思わずと言う感じで曽茅野氏が初めて瑠璃さんに向かい言葉を発した。

「そうよ、引け目」

「・・・」

「わからない?」

黙っている曽茅野氏に向かい、瑠璃さんは肩をすくめ

「男のあなたには分からないか・・」

独りごちた。

「あのね、曽茅野さん。はっきり聞いちゃうけど、阿矢さんが長いこと婦人科系の診察を受けてることはご存知?」

「婦人科系?」

その返答の様子から、曽茅野氏が知らなかったであろうことは明白で、瑠璃さんが小さなため息を吐く音が聞こえる。

「阿矢さんも内緒にしたがってたみたいだし無理もないことだと思うけど、阿矢さんはもうずっと長いこと婦人科にかかってるの。シンガポールにいる頃からよ」

「なんでまた・・」

「赤ちゃんが出来ずらい体質なのよ」

敢えて感情を込めないような言い方だった。

「出来ないってわけじゃないの、出来ずらいの。色々、複雑なのよ、女の人の身体って。・・わかる?」

曽茅野氏はあやふやに頷き、瑠璃さんもまたあやふやに頷く。

「だけどどうしてそれが引け目に・・・」

「好きだからじゃない、あなたが」

「・・・」

「好きな人にプロポーズされたら、そこまで考えちゃうものなのよ、女って。結婚したのに、もし赤ちゃんが出来なかったらどうしようって」

「そんな・・」

「だから東京に逃げたのよ、阿矢さんは」

「私はてっきりポロポーズが嫌だったから異動したものだとばかり・・」

瑠璃さんは強く頭を振った。

「阿矢さんってそんなことする人?あなたたち本当に思い合ってたのではなくて?」

「・・少なくとも私はそう思っていた・・」

「阿矢さんだって同じよ。好きだからこそ逃げたの。それをあなたがバカな勘違いをするから、高彬のお兄さんに悪いこと持ちかけたり、あげくにあんなアホな動画を上げたり・・・」

「ちょっと待ってくれよ、瑠璃さん。その・・、話が飛躍し過ぎだよ」

ぼくなりに調査を進めていたと言う自負があるのに、瑠璃さんの話は初めて耳にすることばかりで、全く落ち込んでないと言ったらウソになるけど、それでも今は真相を知りたい気持ちの方が強かった。

「そうよ、瑠璃。あたくしもまだ全部は聞いてないんですもの。順を追って説明していただかなくては」

後ろから水無瀬も言い

「あぁ、そうよね」

瑠璃さんはウエイターを呼ぶとアイスティーを頼み、また口を開いた。





…To be continued…


毎日、バタバタとしてて集中力が続かず・・・(+_+)申し訳ないです。
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「平安賞」にコメントありがとうございました。
無事、応募し終えました!


(←お礼画像&SS付きです)

素敵な情報をありがとうございます!

瑞月です。

いうもご訪問いただきありがとうございます。

先日、コメント欄より「コバルトがこんな募集をしていますよ」と教えていただきました。

ジャパネスク2

ジャパネスク (640x562)

これを見た時「夢と知りせば」はどうかな?と思い付きました。

「あれこれプラス」の方で連載していた現代の瑠璃が平安にタイムスリップしてくるお話です。

「悲恋炎上、そして」などの「原作シリーズ」も思い浮かんだのですが、「夢と知りせば」の方が小説としてそれなりの長さがあり、ひとつの話としてまとまっているので、こっちの方がいいかなと思いました。

入賞出来るとは夢にも思っていませんが、こんな賞があってそれに応募出来ることが嬉しくてたまりません。ワクワクしています。

少し形を整えてさっそく応募してこようと思います。

素敵な情報を教えて下さったみっちさん、ありがとうございました!


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社会人・恋人編<97>

「こう言う場面で、独り語りをするのは、謎解きをする時の定番だものね。勝手に話を進めさせてもらうわ」

ぼくの前に置かれていたコップの水を一口、口に含むと、瑠璃さんはゆっくりと話し始め───






─Up to you !Ⅱ─<第97話>






「あなたと阿矢さんの交際があったのは、あなたたち2人がシンガポール支店にいる頃──」

瑠璃さんは真っ直ぐに曽茅野氏を見ながら言い、曽茅野氏もまた瑠璃さんを真っ直ぐに見返している。

瑠璃さんの口調はどこまでも穏やかだった。

「あなたたち2人は本当に仲睦まじい恋人だったのでしょうね」

「・・・」

しばらく待っても曽茅野氏からの返事はなく

「それを話してる時の阿矢さんの表情でそう思ったのよ。すごく幸せそうな顔してたんだもの」

瑠璃さんは小さく頷きながら言う。

「高彬がシンガポールに出張に行ったのは、おそらくその頃よ」

「そうか。ぼくは何も気付かなかったけど・・、いや、そもそも阿矢さんのことも良く覚えてないくらいで」

「高彬が気付かなかったの無理ないわよ。社内恋愛で回りには内緒だったでしょうし、それを男女の機微に疎い高彬が見抜けるわけないもの」

多少、不本意ではあったものの、その通りなので頷く。

「でね、曽茅野さん。あなた、もしかしたらプロポーズか何かをしたんじゃない?ここのところは阿矢さんもはっきり言ってくれなかったから聞くんだけど」

「・・・」

まだ曽茅野氏はだんまりを決め込んでおり

「まぁ、いいわ。そう言うことで話を進めさせてもらうわね」

瑠璃さんはコップの水を一口飲むと

「上手く行っていた恋人同士だし、あなたとしては当然、良い返事をもらえると思っていたのに、プロポーズをした直後、阿矢さんは姿を消してしまったのよね」

「姿を消した?」

「まぁ、平たく言うと異動よ。東京支店に来てしまったってわけ。自分から願い出てね」

そう言えば、前にリーフレットを取りに行ったついでに阿矢さんと話した時、広報の仕事がしたくて東京支店への異動の希望を出してたとか何とか言ってたことを思い出す。

「───そうよね?」

ほんの少し曽茅野氏の眉が上がった気がしたけど、それでもまだ口を開く気はないのか一言も発しない。

それでも瑠璃さんの話に興味津々なのはありありで、さっきよりも気持ち、身体が前屈みになっている。

コップに手を伸ばし、空だったことに気が付いた瑠璃さんは諦めたのか手を引っ込めた。

「それでね。ここが、まさしくあたしがあなたを大馬鹿者と思う所以なんだけど・・・」

瑠璃探偵の独り語りは続く。





…To be continued…


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お知らせ

瑞月です。

いつもご訪問いただきありがとうございます。

更新が止まっていた「社会人編」ですが、そろそろ再開しようと思っています。

今、読み返したりしながら準備中です。

「社会人編なんて忘れちゃったわ」と言う方、以前にアップした記事ですが、大まかなあらすじがありますので、よろしかったらこちらをお読みになってみてください。

「社会人編あらすじ」

あと少しで最終回と言うところで止まってしまい、何だか間の抜けた再開になってしまいそうですが、またお付き合いいただければと思います。

私信ですが、鈴夏さん。

先週、シャンシャンに会いに行ってきたので、掲示板の方に写真を少しアップしました。

また大きくなっていました!可愛さは変わらずでしたよ。


シャンシャンの天然の可愛さは、ジャパネスクキャラで言ったらやっぱり融かな?
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***短編*** 月下の恋人~<続々>One spring day【後編】 ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は一話完結です。


※多少セクシャルな表現がありますので苦手な方は閲覧ご注意下さい※  
           




***短編*** 月下の恋人~<続々>One spring day【後編】 ***








「やっぱり高彬が言ってた通り、明るいわね」

すっかり寝静まっている山荘を抜け出し、二人して夜道を歩く。

ほぼ真円の月は山際すれすれの低い位置にあり、春霞のせいなのか、ぼんやりとした輪郭で驚くほどに大きい。

月明かりは夜の吉野の隅々まで届き、足元も十分に明るく、思い付きで言ったとは言え確かにそぞろ歩きにもってこいの宵である。

「瑠璃さん、足は大丈夫?」

「大丈夫よ、小萩に薬草すりこんでもらったら痛みがひいたわ」

「うん」

「あの子、調合が上手なのかも」

「そうか」

「女房辞めても大丈夫かも。案外、そっちの道で大成するかも知れないわ」

「でも辞められたら困るじゃないか」

「まぁね。でも小萩の幸せを思ったら・・」

「小萩の幸せを思うんなら、まずは瑠璃さんが我儘言わなくなるのが一番だと思うけど。小萩、いつも言ってるよ。姫さまの我儘にはいつも振り回されてばっかりって」

「・・やぁねぇ」

隣の瑠璃さんが頬を膨らませた気配があり、ぼくは笑いながら手を取った。

そのまま手をつないでゆっくりと歩きながら、とりとめのない会話をする。

行く当てなんかないから、花の香りに足を止めたり、聞き慣れない鳥の泣き声に耳を澄ませたり、のんびりとした時間が過ぎていく。

「あ、太刀・・」

ぼくが佩帯している太刀に気が付いた瑠璃さんが言い

「まぁ、一応ね。夜だし」

何となくぼくは瑠璃さんから見えないように太刀をずらした。

ある意味ロマンチィックとも言える春の宵のそぞろ歩きに、いかにも太刀は不似合だった。

だけど、夜ともなれば物騒だし、物取りはともかく、どんな獣が徘徊しているか分からない。

瑠璃さんのことはぼくが守らなくちゃいけないわけだし・・・

ちらりと瑠璃さんを見ながら、ふと、昔のことを思いだす。

そう言えば、元々ぼくが瑠璃さんに最初に抱いた感情は「この子のこと、守らなくちゃ」だったんだよなぁ。

それが恋心と気付くまでには少し時間が掛かったけど、だけど、今もその気持ちはずっと続いている。

どんなに撥ねっかえりで気が強くて、どれほど年上風を吹かせても、やっぱり瑠璃さんはぼくにとっては「守ってあげたい女の子」だ。

「守ってあげたい」と言う気持ちがやがて淡い恋心へとなり、それがどんどん強くなって、気が付いたら自分では手が負えないくらいに好きになっていて。

こんな風にただ歩いているだけで楽しくて、仕事の疲れなんか吹き飛んでしまうんだから、やっぱり瑠璃さんはすごい。

ぼくにとってはいつまでも特別な人で、だけど限りなく普通なんだ。

特別で普通。

この、ちょっと人には説明しづらい感覚は、ぼくの中では矛盾なく成立してる感情である。

「ねぇ、高彬」

ぼんやりと月を見ていた瑠璃さんが、視線をそのままに改まった声で言ってきた。

「仕事、無理しちゃだめよ。あんたって止める人がいないとどこまでも暴走しちゃうって言うか、そう言うとこあるから」

それは瑠璃さんだろ、と思ったけど、何となく口をつぐむ。

「いくら出世したって身体壊しちゃ意味ないんだし」

「・・・」

仕事、頑張ってるの別に出世のためってわけじゃないんだけどな・・

「あんたに病気になられたりしたら、あたしだって困るし」

「・・うん」

「・・・先に死なれたりしたら・・・」

一瞬、唇を引き結び

「淋しいし・・・」

少し声が震えてた気がして、気が付いたらぼくは瑠璃さんを抱き寄せていた。

「死なないよ、そう簡単には」

「でも、あんたって結構抜けてるとこあるし、気が付いたら死んでたってことありそうなんだもん」

「ないよ」

笑いながら、瑠璃さんの背中を更に強く抱きしめる。

抱きしめながら

(やっぱり瑠璃さんの中では、ぼくはどこまでも弟分で年下のガキなんだなぁ)

なんて考える。

その認識が覆ることはどうやらこの先もなさそうで、それは嬉しくもあり悔しくもあり、と言った感じだ。

背だってぼくの方が高いし、力だってぼくの方が当然強い。

さっきだって瑠璃さんはぼくの腕の中で息も絶え絶えになっていたと言うのに。

別にそれで男らしさを誇示したいってわけじゃないけど・・・

いや、それもあるかもな。

「瑠璃さん」

顔を上げさせて接吻をする。

両頬をはさみ少し強めに吸うと、瑠璃さんの喉の奥が「・・ん」と鳴った。

唇に舌を割り入れて行くと、少し戸惑いながらも瑠璃さんも応えてくる。

接吻をしながら

(接吻ひとつ取ったってぼくがリードしてるってことに瑠璃さん気付いてるのかな)

なんて思う。

更に激しく接吻をしながら胸の膨らみに手を伸ばすと

「あ・・」

驚いた様に瑠璃さんが身を固くして唇を離した。

気にせず、それどころか瑠璃さんを抱き上げ、近くの樹に背中を預けさせ接吻を再開する。

胸を揉みしだいていくと

「高彬、ちょっと・・」

戸惑う声で瑠璃さんが言い、上目づかいでぼくを見てきた。

ぼくの真意を計りかねているのかも知れない。

合わせに手を滑り込ませ、胸を手の平で直に覆うと、今度ははっきりと

「だめ・・」

瑠璃さんは身を捩り、小声で「こんなところで・・」と呟いた。

「誰も見てないから・・」

京だったらありえないことだけど、吉野と言う地、夜と言う時刻に、ぼくも常ならぬ気持ちになっていたようで、気が付いたらそんなことを言っていた。

さっき中途半端に遮られた欲望に火が付いてしまったようだった。

どこまで瑠璃さんが受け入れてくれるかを試したかった、と言う気持ちもあったかも知れない。

「でも」

「こんなこと言うの今日だけだから」

「・・・でも」

何かを言い掛けた唇を封じ、そのまま舌で口中を掻き混ぜる。

瑠璃さんの小さな舌は逃げるように動き、だけど瑠璃さんは舌どころか身動きすら出来ないほどぼくは束縛を強めた。

強烈な接吻を続けるうち、やがて瑠璃さんの身体から力が抜けて行き、それを合図にぼくは首筋へと唇を這わせる。

合わせを弛め肩を出すと

「・・高彬・・、や・・・」

弱々しい声で頭を振りながら言い、ぼくの肩に手を置いてきた。

だけど、その手はぼくを押し戻すことはなく、ただ置かれているだけだった。

瑠璃さんも流され掛けている───

そう思った瞬間、荒々しい気持ちが突き抜けた。

流されろ!

ぼくの欲望に、瑠璃さんも巻き込まれてしまえばいい。

絶対に普段の瑠璃さんならしないようなことをしてしまえばいい。

そして、それを見れるのはぼくだけだ───

「瑠璃さん、横になるのと、立ったまま、どっちがいい?」

ハッとしたように瑠璃さんがぼくを見て、その口が小さく動いた。

(そんな・・・)と動いたように見える。

「どっちか瑠璃さんの好きな方でいいから」

「・・・」

何も言わずに瑠璃さんはぼくを見つめ、その目は濡れたように光っている。

月明かりのせいなのか、瑠璃さんの中に灯った欲望のせいなのかは分からない。

「誰も見てない。2人だけの秘密だから」

「・・・」

「瑠璃さん」

瑠璃さんがふと目を逸らし、やがて聞こえないくらいの小さな声で

「横で・・」

と言い、月明かりでもわかるほど顔が赤くなっている。

瑠璃さんを抱き上げ、野草が茂る柔らかい場所にそっと横たえた。

瑠璃さんの回りにはたくさんのたんぽぽがあり、折りからの月光を受け銀色に光っている。

瑠璃さんの山吹色の袿も同じように銀色に発光しているように見え、ぼくはしばし見惚れてしまった。

守ってあげたいはずなのに、同じくらいに荒々しい気持ちになるのは何故だろう───

瑠璃さんの笑顔が好きなのに、困らせ泣かせてみたいとも思ってしまうのは何故だろうか・・・

少し考えて、すぐに考えることを放棄した。

月明かりと瑠璃さんの色香に酔っている今のぼくに、正確なジャッジなんか出来るわけないのだ。

今は何も考えずに、この常ならぬ状況に溺れたい・・・

瑠璃さんに覆いかぶさると、ぼくはゆっくりと肌けた華奢な肩に唇を寄せて行ったのだった。






<終>



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***短編*** 月下の恋人~<続々>One spring day【前編】 ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は一話完結です。


    
           




***短編*** 月下の恋人~<続々>One spring day【前編】 ***








ふと目が覚めたのは何かの物音でだった。

遠くの方でかすかな音が聞こえ、それが途絶えた途端、静寂が訪れる。

状況を把握するのに、たいした時間が掛からなかった。

瑠璃さんと早々に寝所に入り、久しぶりの濃密な時間を持った後、そのまま二人して眠りに落ち───

部屋の奥にまで月光が届いており、今が完全な夜であることが判る。

腕の中にいる瑠璃さんに、肩まで衾を掛けてやろうとして、ふと手が止まった。

さっきよりも一枚、衾が増えている。

もしかしたら物音は小萩の足音で、春の宵は寒いだろうからと、一枚、掛けて行ったのだろうか・・・

「・・・」

この寝姿を見たら、何をしていたかは一目瞭然。

恥ずかしくないと言えばウソになるけど、まぁ、仕方ないだろう。

夫婦なんだしな。

春とは言え夜は寒く、このまま朝を迎えていたら、ぼくも瑠璃さんも確実に風邪をひいていたに違いない。

瑠璃さんの肩にすっぽりと衾を掛け、さらに身体をくっつける。

瑠璃さんの身体が暖かいな・・・

背から腰へと、そっと手を滑らせる。

瑠璃さんの肌の滑らかさと温もりを楽しみながら、ふと考える。

夜の散歩に行こうなんて話したけど、瑠璃さん、どうするかな。

瑠璃さんの眠りは深そうだし、わざわざ起こしてまで散歩に行くこともないかな・・・

なんて思っていたら

「・・うぅ・・ん」

小さな声が聞こえ、むずがるように瑠璃さんがぼくの胸に顔をこすりつけてきた。

そうして

「クシュン」

とひとつくしゃみをして

「あ・・」

瑠璃さんが目を開けた。

「高彬・・」

「寒い?」

「・・ううん、大丈夫。高彬の身体、暖かいもの・・」

頬を胸に寄せながら言い、さらに身体を近づけてくる。

瑠璃さんの柔らかい胸の膨らみがはっきりと肌越しに伝わってきて、何となく息を整えてしまう。

瑠璃さんに限ってぼくを誘ってる、なんてことはないんだろうけど、でも、十分、誘われている気がするのは、オトコの勝手な言い分だろうか。

体勢を変え、瑠璃さんの胸を手で覆い、今まさに接吻をしようとした瞬間

「あ、高彬!」

至近距離で瑠璃さんが、ハッとしたように目を開いた。

「何、瑠璃さん」

「夜のお散歩」

・・・やっぱり覚えてたか。

「・・・瑠璃さん、行きたい?」

「もちろんよ」

「・・・ちょっと盛り上がりかけてたんだけど」

「さ、行きましょ」

ぼくの言葉なんかてんで取り合う気がないのか、瑠璃さんがきっぱりと言い、さっさと身支度を整え始めた。

そうなったらぼくも右に倣うしかなく、こうしてぼくたちは夜の散歩へと出発したのだった。






<後編へ続く>



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***短編*** あらたまの春 ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は一話完結です。


    
           




***短編*** あらたまの春 ***








扇で顔を隠しながら、身体全体で大袈裟にタメ息を吐く内大臣さまを前に、ぼくもまた密かにタメ息を吐いた。

内大臣さまのタメ息の理由はともかく、ぼくのタメ息の理由は二つある。

一つ目は、早く解放してくれないかな、と言うもの。

早く瑠璃さんの部屋に行きたいのに、ぼくはもう一刻近くも、三条邸の母屋に足止めを喰っているのだ。

もう一つは、内大臣さまの話を聞いて

(瑠璃さん、大丈夫かな。何かあったのかな)

と言う心配からくるもの。

「・・今日になって、いきなり『新年の宴に出たくない』と言いだし、それっきり部屋に誰も近づかせないのじゃ。瑠璃の我儘は今に始まったことじゃないとはいえ、寄りによって新年早々から・・・」

はぁぁ・・

とまたしても大袈裟に息を吐く内大臣さまに向かい、思い切って膝を進める。

ここでこうしていても埒が明かない。

「内大臣さま」

「なんだね、高彬どの」

「ぼくが様子を見てきます。もうしかしたら、体調が悪いのかも・・・知れません・・し・・・」

最後、歯切れ悪くなってしまったのは、言いながら、ふと、ひとつの可能性が浮かんだからだった。

ぼくたちは晴れて夫婦なわけだし、夫婦仲だって悪くないし、そんな中で妻の様子がおかしいとくれば、懐妊の二文字が自ずと浮かんでくると言うものである。

だけど、それを義父の前であからさまに言うのはさすがに気が引け、何となく顔が赤らむ思いを味わっていると

「小萩に聞いたのだが、体調は悪くないそうじゃ。今朝も汁粥を牛のように食べておったそうじゃしな」

「・・・・」

牛のように、か。

そうか、となると懐妊と言うわけではないのかな。

いや、懐妊したとたん食欲が増すと言う人だっているかも知れないし・・・

どちらにしろ、瑠璃さんに会うことが先決だ。

丁寧に頭を下げると、ぼくは瑠璃さんの待つ東の対屋に向かった。



*******



先導もなしに訪ねた部屋の前に立つ。

妻戸が閉められてるのはもちろん、格子も下ろされている。

戸に手を掛けると、さすがに鍵はかかっておらず、簡単に開いた。

「瑠璃さん、入るよ」

言いながら入って行くと、格子の作る複雑な陰影模様の部屋の中、いつもの場所に瑠璃さんは座っていた。

脇息に腕を付き、あごを乗せている。

僅かに横顔が動いたような気がしたのは、目線だけをぼくに向けたからのようだ。

「どうしたのさ。宴に出たくないんだって?」

隣に腰を下ろし、軽い感じで聞いてみたけど、瑠璃さんの口から出てきたのは

「父さま、何て言ってた?」

質問返しの言葉だった。

「新年早々、我儘を言いおって、って言ってた」

ウソをついても仕方ないから本当のことを言うと、瑠璃さんは小さく肩をすくめ

「何よ、それで宴に出るよう説得する役を買って出たの?」

「いいや、そんなことはないよ。内大臣さまの話が、少しばかり長くて退屈したから逃げ出してきたんだ」

「・・・・」

「この間までは宴を楽しみにしてたじゃないか。新調した衣裳が着られるって」

改めて見てみると、瑠璃さんが羽織っているのは、新年だと言うのにいつもの袿だった。

しばらくの間、沈黙が流れ

「新しいってそんなに良いことなのかしら」

独り言みたいに瑠璃さんが言った。

「え」

「一昨日辺りから、皆『新年だ、新年だ』と騒ぎだして・・・」

「・・・・」

「新しいお衣裳、新しい几帳、新しい櫛。新年だからってみんな新調したのよ」

見回すと、瑠璃さんの言う通り、几帳から脇息から、ぼくが腰を下ろしてる円座まで、全てが新調されている。

だけど新年を迎えるに当たって家財道具を新調することは珍しいことではなく、いやむしろ、ある程度、財力のある貴族なら誰でもがやっていることではある。

瑠璃さんだって衣裳を誂えるのは好きなはずだし、それがどうして・・・・

と思っていると

「あたしね、新しいってあんまり好きじゃないの」

「だけど、瑠璃さん、衣裳を誂えるのは・・」

「そりゃあね、そう言うのは好きよ。だけど、何から何まで新しくなるっていうのはどうもね・・・」

「・・・」

「ほら、あたし、小さい時、吉野に行ったでしょ。小さかったし、そんなに深刻じゃなかったけど、でも子ども心に(何であたしだけ吉野なのかなぁ)とか思ってた」

「・・・」

「京にいる時とは全く違ってね。景色も住むところもよ。それこそ『新しい生活』ってやつよ」

相変わらず腕を付き、あごを乗せたまま、真っ直ぐに前を向いたまま話している。

「それで吉野に慣れて来た頃になって、また京に戻されて。ここでもまたしても『新しい生活』で。おまけに母上まで新しくなってて・・。まぁ、新しい母上は良い方だけど」

瑠璃さんの横顔にも格子が影を作っている。

「新しいってそんなに良いことかしらね・・」

どこか淋しそうな声で呟く瑠璃さんの横顔をぼくはじっと見つめた。

新しいこと───

確かに人とは少し違う経歴を持つ瑠璃さんは、幼いながらにたくさんの「新しい」を経験している。

新しい地、新しい人、新しい人間関係。

新しいことが良いか悪いかはともかく、新しいことに踏み出す時は誰しもが緊張するものだ。

新しいことへの期待と不安は表裏一体で、まして幼い時の環境の変化と言うのは、自分で好きで選んだものでもない分、不安の方が大きいのかも知れない。

どんなに元気で平気そうに見えたとしても、感受性の強い瑠璃さんは、やっぱり人には言えない不安を抱えていたはずで───

「あたしは古いものや変わらないものって言うのも好きよ」

「ぼくもだよ」

間髪入れず言うと、今日、この部屋に入って初めて瑠璃さんはぼくの顔を正面から見た。

「ぼくは古いものですごく大切にしてるものがあるんだ」

「・・・・」

「瑠璃さんも知ってると思うけど、ぼくは幼い時に好きになった姫がずっと好きでね。その時の古い気持ちを今も変わらずに持ってるんだ。どういうわけだか『新しい』ものには気持ちが動かなくてね」

「・・やぁねぇ、人を古い物みたいな言い方して・・」

薄っすらと頬を染めながらぶつぶつと瑠璃さんは言い

「瑠璃さんを古いと言ったわけじゃない。ぼくの気持ちが古いって言ったんだ。古いって言うか、長いって言うかさ」

「・・・」

「何回、新年を迎えようが、家具を新調しようが、変わらないものもあるさ」

「・・・・」

「新年なんて勝手に明けさせておけばいいさ」

そう言うと、瑠璃さんは小さく吹きだした。

「すごい言い様ね」

「瑠璃さんにだから言うけどね、宮中の新年の行事の多さには正直、辟易してるんだ。だから、新年がそんなにおめでたいことなのかって言う瑠璃さんの言葉には心から同意するよ」

今度は瑠璃さんは声を出して笑い、そうしていったん目を瞑ると

「ありがと、高彬」

目を逸らしたまま小さな声で言った。

「瑠璃さん、宴どうする?嫌ならぼくから内大臣さまに・・・」

瑠璃さんの言葉にはあえて何も触れずに言うと

「いいわ、出るわ」

「え、いや、そんな無理しなくても」

「ううん。無理なんかしてない。気が変わったわ」

「・・・」

「何て言うか・・・。新しい気分になったって感じ」

晴れ晴れとした顔で言い

「それに、やっぱり新しいお衣裳は着たいし・・」

照れくさそうに肩を揺らしている。

「うん」

「さて、と」

ぴょんと立ち上がり妻戸を開けると

「小萩ー」

およそ深窓の姫君とは思えないような大声で小萩を呼び付け、すぐにパタパタと言う足音が近づいてきた。

「小萩!あのお衣裳、着るわよ。準備して」

小萩が部屋に入ってくるのを待ちきれずにそう告げる瑠璃さんの頬は、あらたまの春の陽を受け輝いていたのだった。





<終>



サークルの冬のお題「新年」の時に書こうと思っていたお話です。
季節外れですみません。



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***短編*** <続>One spring day ***

『なんて素敵にジャパネスク〜二次小説』




注)このお話は一話完結です。


    
           




***短編*** <続>One spring day ***








「小萩、早く早く」

高彬の風邪が心配なのと、持って生まれたせっかちな性質で、ついつい小萩を急かしてしまう。

「姫さま、少将さまのお身体が心配なのは分かりますけど、そう慌てては良いお薬湯が出来ませんわ」

京にいる時、小萩は薬湯を煎じたりはしないけど、ここ吉野にいる時は小萩の担当となる。

三条邸に比べ圧倒的に人手が少ない山荘では、女房や雑色の一人当たりの負担は増えてしまい、その分、と言うか、だからこそ選りすぐりの者たちを連れてきている。

まさしく<少数精鋭>と言う感じ。

しばらく待って出来上がった薬湯を盆に載せ、小萩と一緒に部屋へと向かう。

部屋に入り几帳を回り込むと、さっき急ごしらえで作らせた寝所で高彬が横になっている。

膝を付き、そっと顔を覗き込むと、目を瞑り眠っているように見える。

「高彬」

そっと声を掛ける。

「薬湯持ってきたわよ」

耳元に近づけて言うと、あたしの声に反応するように高彬の目が開けられた。

「寝てた?起きられる?」

「いや、目を瞑っていただけ」

高彬は言い、肘を付くと上体を起こした。

「さ、飲んで。これを飲んで寝れば、たちどころに良くなるはずよ」

病は気からって言葉があるくらいなんだから、その逆もまた然り、よね。

薬湯を疑心暗鬼で飲むのと

(絶対、効く!)

と思って飲むんじゃ雲泥の差があるはずよ。

鄙びた吉野では有能な医師なんかなかなか呼べないから、この際、思いこみだろうと暗示だろうと何でもいいから、この薬湯を飲んで高彬には回復してもらわなくっちゃ。

吉野に来て風邪で寝込まれたんじゃ、わざわざ吉野に来てもらった甲斐がないもの。

「・・ふぅ」

やがて飲み終えた高彬は小さく息を吐くと

「薬湯のせいかな。何だか眠くなってきたよ」

目をこすると、チラリとあたしの横に控える小萩に目線を送った。

その視線でピンときた。

「小萩、ここはいいから下がっていいわよ」

一礼し小萩が部屋を出て行くと、高彬はホッとしたような顔で身体を横たえた。

やっぱり思ってた通り、小萩がいると落ち着いて眠れないみたいね。

白梅院の女房ならともかく、婚家の女房の前だと、例えそれが小萩でもやっぱり完全には寛げないんだと思う。

女房に何を気を遣うんだって感じだけど、高彬ってそう言う人なのよ。

ほんと、お固いって言うか、根が真面目って言うか。

ま、そこが高彬の良いとことでもあるんだけどね。

横になり目を閉じた高彬から、ほどなくして寝息が聞こえて───

と思った次の瞬間、あたしは夜具に倒れ込んでいた。

正確に言うと、高彬の身体の上に。

一瞬、何が起きたのか分からずポカンとしてしまったんだけど、何てことはない、高彬に腕を掴まれ、グっと引き寄せられていたのだ。

慌てて顔だけ上に向けると、じっとあたしを見てる高彬と目が合い、状況だけ見たらさっきの野原と全く同じ構図なんだけど・・

「な、な、何よ、どうしたの、高彬。苦しいの?」

まさか風邪が急激に悪化でもして、助けを求めて腕を引かれたのかと思って聞いてみると

「いいや、治った」

「治った?」

ケロリとした口調に、思わず頓狂な声が出てしまう。

「な、治ったって、こんなに早く?!」

「うん」

「うんって・・・」

「何を驚いてるんだよ。この薬湯を飲んだら、たちどころに良くなるって言ったのは瑠璃さんじゃないか」

「そりゃ言ったけど・・」

「だから治った」

「・・・・」

いくらなんでも早く治り過ぎでしょ・・・

ポカンと見てると、にっこり笑いながら高彬は上体を起こした。

釣られてあたしも同時に置起き上がる。

小萩ったら───

案外、凄腕の薬湯師なのかしら?

あの子、女房勤めなんか辞めて、いっそ、薬湯師としてキャリアを積んで行った方が未来は明るいのかも・・・

何てことを考えていると、あれよあれよと言う間に接吻をされていた。

唇が触れあうだけの軽い接吻。

すぐに離れた高彬の顔を、瞬きもせずに見てしまう。

にっこりと笑う屈託のない顔。

「ねぇ、高彬。風邪は?大丈夫なの?」

「だからもう治った」

「ウソよ、だってこんなに早くに・・」

高彬はクスッと笑うと、あたしの頭に手を乗せた。

「治ったと言うのはウソ」

「はら、やっぱり。だったら横にならないと・・・」

「そもそも風邪なんてひいてないんだ」

「・・・へ?だってさっきあんなに顔が熱くて・・」

「確かにね。でも、風邪じゃないんだ」

「・・・・」

「瑠璃さんが勝手に風邪だって思いこんだだけ」

クスクスと笑い、あたしの頭をポンポンと軽く叩いたりしている。

なんだ・・、そうだったんだ・・・

あたしはまたてっきり、仕事の疲れやら道中の疲れやらがあって、あんなところでうたた寝しちゃったから、すっかり風邪だとばかり思っていたわ。

まぁ、風邪じゃないなら良かったけど。

でも、それなら。

「ねぇ、だったらまだ明るいし、またお散歩行きましょうよ」

せっかくの吉野だもの。

春の天気は変わりやすいし、ましてやここは山の麓。

今日、晴れていたって明日の天気はどうなるか分からない。

「うん、でも、まぁ・・」

ウキウキと提案したのに、高彬の返答が今一つなので

「ねぇ、だめ?」

もう一押しとばかりに言い募ってみる。

「うーん、そうだなぁ。・・・せっかくぼくがいるんだから夜の散歩って言うのはどうかな。今夜は月明かりだろうし」

「わ、素敵!」

手を打ち付けると

「だろ?」

高彬も嬉しそうに頷き

「その代わりと言っては何だけど・・・」

チラリ、と視線を夜具に落とした。

「・・・」

妻ですからね、高彬の言わんとしていることが判ってしまう。

「でも・・、まだ、明るいし・・」

「寝所を用意してくれたのは小萩だからね。有効に活用しないと」

「・・・」

うーん・・・

どうしよっかなぁ・・・

あたしは目を伏せた。

決してイヤなわけじゃないの。

ずっと仕事が忙しくて、その・・・、そういう事するの久しぶりだし・・・

でも、まだ明るいし、高彬はさっき到着したばかりだし、部屋に入るなりいきなりって言うのは・・・ハシタナイって言うか・・

「小萩だって、ぼくが寝てると思ってしばらくはこないだろうし、京と違って使用人も少ないから落ち着けるし」

「う、うん、まぁ、それはそうだけど・・」

「何よりもぼくが我慢出来なくなってるし」

「え」

普段、滅多には言わない、どストレートな発言に驚いて顔を上げると

「ずっと会えなかったから・・」

照れくさそうに言い、あたしの指先に指を絡めてきた。

指先からじんわりと高彬の熱が伝わってくる。

手の平を指先で撫でられ、まるで愛撫を受けているかのような感覚にドキリとする。

もう一度、今度は少し長めの接吻をされ、唇を離すと、高彬はすっかりオトコの顔になっていた。

「いい?」

確認するように聞かれ、コクンと頷きながら、心の中で小さく笑う。

何が(いい?)よ。もう始まっているじゃない。

ヤダって言ったって、後戻りなんかしてくれないくせに。

優しいけど、迷いのない力強い動作で、あたしは横たえられ───

その後、高彬とあたしは存分にお互いを堪能し合い、目が覚めたらお散歩に行こうと約束をかわし、スーッと二人揃って眠りに落ちたのだった。





<終>



珊瑚さん、コメントありがとうございました。
私の拙い作品が珊瑚さんの頑張りの素になっていただなんて、本当に嬉しいお言葉です。
こちらこそありがとうございます。
またよろしくお願いします。



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